佐藤裕子教授も編集に携わった『漱石辞典』が出版されました

『漱石辞典』

出版社:翰林書房
発行日:2017/5/24
編集:小森陽一、飯田祐子、五味渕典嗣、佐藤泉
佐藤裕子(文学部 日本語日本文学科 教授)、野網摩利子

発刊によせて

21世紀を生き抜いていくためには、19世紀と20世紀を生き切った夏目漱石の言葉が、私たちとともに存在していなくてはならない。しかし漱石の言葉は、「近代」における科学と技術の進歩に基づく産業資本主義と、それと連動した、合理主義や世俗主義、あるいは個人主義や自由主義などの学知に縛られた状態に置かれていることが多かった。
いまを生きる私たちは、未来を生きる者たちに向けて、漱石の言葉を解放したい、と強く願う。
私たちが現在使用している近代日本語の語彙と文体の多くは、漱石によって創生された。漱石が発した言葉の一つひとつと向かい合うことで、日本社会が近代化していく在り方を、制度、思想、風俗、生活から身と心にいたるまでの射程で位置づけていきたい。私たちが日常的に使っている日本語と日本語文を、あらためて漱石に遡って捉え直すことは、言葉の生命そのものと向かい合うことになるだろう。

(本紙カバーより)