吉田弥生教授が国立劇場伝統芸能情報館の企画展示「悪を演(や)る -歌舞伎の創造力―」展を監修しました

伝統芸能情報館・情報展示室
企画展示「悪を演(や)る -歌舞伎の創造力―」
監修:吉田 弥生(文学部 日本語日本文学科 教授)

歌舞伎の舞台には、ときに悪の華が咲きます。観客は残忍非道をはたらく悪人たちが活躍する作品に魅了され、創造する側はその魅力を伝えるべく創意工夫をします。

藤原時平、仁木弾正、石川五右衛門、岩藤、切られお富、土手のお六…歌舞伎の悪の役は、身分も様々、主役にも端役にも、立役にも女方にも登場するのが特色といえるでしょう。悪を演じる役者たちは、帝の地位を狙う公卿悪の妖気、謀反を企てる実悪の凄み、天下人と対抗する大盗賊の活躍、涼しい美貌で残忍な殺しをする色悪の魅力、転落の身の上から反社会的な生き方を選ぶ悪婆の艶などをどのように表現すべきか、演技はもちろん化粧や衣裳にもこだわって役を創造します。
また、悪の華が開く場面は「殺し場」「ゆすり場」「責め場」など罪を犯す行為の名で呼ばれる見せ場となり、舞台で使われる道具や装置には歌舞伎独特の美意識、その創造力を見ることができます。

このたびの展示では、江戸から今日まで、歌舞伎が創り出してきた悪をテーマに、作品の種類や代表的な役を中心に錦絵や道具、押隈や舞台写真等の所蔵資料をご覧いただきます。
なお、本展示は6館(国立劇場伝統芸能情報館、太田記念美術館、國學院大學博物館、ヴァニラ美術館、東洋文庫ミュージアム、国立演芸場)共通テーマ「多分野連携展示・悪」への参加企画展示となっています。

また、講座関連講座として2018年7月27日(金)午後5時より「第70回伝統芸能講座」が伝統芸能情報館3階レクチャー室にて開講され、「歌舞伎の悪 -舞台の創造―」のタイトルで、展示の資料を紹介しながら、代表的な悪の役々、悪を魅せるための化粧や衣裳・道具にみる歌舞伎の創造力について吉田教授が講演します。

本企画展示の詳細はこちらをご覧ください。