この記事の執筆は ”文学部”です

渡辺信二先生最終講義「老教授へ花束を」

2月9日の夕刻、文学部英語英米文学科の渡辺信二教授の最終講義が本学緑園のチャペルで行われました。先だってのコミュニケーション学科渡辺浪二先生の最終講義に続いて、文学部としては両渡辺教授のご退職を寂しい思いでお見送りしました。

この会では、最初に信二先生による「アメリカとアメリカ詩:アン・ブラドストリートを手がかりに」と題された小講義が行われました。アメリカ初の詩人である彼女の作品から信仰や夫婦観の問題などを取り上げ、さらに広くアメリカ文学全体を概観するという、これまでの長年にわたってのご研究を短い時間のなかに見事に凝縮されたご講義でした。

このあと、本学音楽学部の川本聡胤先生と文学部の冨樫剛先生によるギター伴奏のもと、渡辺ゼミの皆さんによって信二先生の創作詩が朗読されました。「花の精」から「今日この頃は」に至る五編の詩が学生の皆さんによる情趣のこもった朗読と両先生自ら作曲された旋律の伴奏によって鮮やかにテクストから立ち上がったようでした。

最後に信二先生と親交のある本学音楽学部の堀由紀子先生による流麗なピアノの演奏がチャペルを包み、この会に心地よい余韻をもたらしてくれました。閉会にあたっては可愛らしいお孫さんから信二先生への花束贈呈があり、相好を崩された信二先生のほほえましいお姿が見られました。従来の格式ばった最終講義ではなく、大勢の人たちの思いがこもった暖かみのある会になったように思います。

このあと信二先生をお送りする懇親の会が開かれました。教え子の皆さんや仲間が集い、こちらも楽しい歓談のひとときとなりました。

信二先生はフェリスに移られてわずか五年の短い歳月の間に、多方面にわたる様々な顔を見せてくださいました。ご専門のアメリカ詩のご研究はもちろんのこと、創作詩に、教育に、仲間との付き合いに、信念のある諸活動にと、それぞれの分野で示された情熱は、いつもわれわれに確かな指針を示してくださいました。信二先生の今後のますますのご活躍とご健康をお祈りしたいと思います。

英語英米文学科教授 由井哲哉