2017年3月13日

教職員が語る「プロジェクト演習」の魅力

2018年春に開講するFERRISって、どんな学び?

秋岡陽学長(以下:秋岡)フェリス女学院大学は2020年に学院創立150周年を迎えるにあたり、フェリスの伝統であるリベラル・アーツ教育をより強化する形にしていきたいと考え、今年4月、全学教養教育機構「CLA」を開設しました。4年間で21世紀を生き抜くために必要な知識や語学運用能力、課題を発見し、解決する方法などを学ぶことができるカリキュラムになっています。

谷知子教授(以下:谷)CLAを始動するにあたり新設したのが、FERRIS(実践教養探求課程)です。FERRISには具体的に社会の課題に取り組む4つの「プロジェクト演習」を設け、2018年春から開講します。CLAの所定の科目の履修とどれかひとつの演習を修了することで、3年次3月に「実践教養探求課程修了証」が発行される仕組みです。

秋岡2年次から3年次の2年間を中心に展開します。

FERRISは人材養成型プログラムです。ここでの学びを通じてフェリスらしいリーダーを育成したいと思っています。私がフェリスらしいリーダーとして紹介をしたい方は、テレビ東京のアナウンサー大江麻理子さんと、NPO法人「かものはしプロジェクト」共同代表の村田早耶香さんです。周囲の信頼を得て、着実に一歩一歩キャリアを形成され、時代を明るく照らすような活躍をなさっています。まさに「新しい時代を切り拓く女性」だと感じています。

学部を超えた「プロジェクト演習」で経験してほしいこと

「プロジェクト演習」はすべて課題解決型PBL(Project-Based Learning)の少人数制のゼミになっています。実社会の問題に取り組むことで、社会貢献へとつなげるのが目的です。

永井択課長(以下:永井)「プロジェクト演習」はどれも社会と結びつく内容で、とても興味深いと思いました。

どのように社会と結びつくのか、ここで、みなさんの「プロジェクト演習」について、改めてお話をしていただけたらと思います。

土屋広次郎教授(以下:土屋)僕は「横浜と音楽」をテーマに演習を行います。最初に音楽とは何かをみんなでディスカッションして、音楽を使った社会貢献を考えてもらいます。目標は横浜で演奏会を開催すること。学生には演奏会のテーマ、場所探しと先方への打診、演奏者との交渉などをやってもらいます。他学部の学生も参加するので、音楽への新鮮な意見が聞けるのではないかと楽しみにしています。

佐藤輝教授(以下:佐藤)学生自ら集客方法を考えるという点が面白いですよね。

土屋学生が中心なので、集客できず、開催できなかったという結果でもいいと思います。何がいけなかったのか、どうすればよかったのか。失敗から学ぶこともたくさんあります。

そうですね、プロジェクト演習は正解が用意されているわけではない課題に取り組むので、貴重な学びとなります。また、成果が目に見えるという点も魅力です。

佐藤珍しいといえば、学長自ら演習を行うのも新しい試みですよね。

秋岡僕が担当するのは「フェリス女学院150年史」の編集作業に参加してもらうプロジェクトです。過去に出版業界で編集に関わっていたので、知識や経験を伝えながら、チームで何かを作る楽しさを味わってほしいです。

どうしたら面白い本になるか、という構成を考えるのが難しいところですね。

秋岡出版社の方に来てもらい、話を聞く予定です。学生は現場で働く人の意見を聞く機会も少ないし、社会人と一緒に作業を行うことも滅多にありません。今回の演習で積極的に取り入れていきたいと思います。

佐藤僕の演習では、横浜市の水源地でもある山梨県道志村を活性化させるためにはどうしたらいいかがテーマです。実は、FERRIS+の開講前からゼミでやってみたいと考えていたので、一年早くスタートしています。

どうやって進めたのですか?

佐藤まずは学生を連れて道志村に行き、村の様子を観察するところから始め、村を元気にし、若者が移り住みたくなるにはどうしたらいいのかを考えてもらいました。

土屋少子高齢化が進んでいるから、若い学生のアイデアを聞くことができるのは、村にとっても貴重な機会ですよね。

佐藤その通りです。学生らしい自由な発想がたくさん出ました。製品化には至っていませんが、道志村の水を使った化粧品を作ってアピールしたらどうか、などは役場の男性にはなかなかない発想です(笑)。

佐藤先生はどこまで学生のサポートに入りましたか?

佐藤大まかな進行管理と行き詰っているなと感じた時に助言しました。実際、演習を通じて何度かプレゼンを行い、学生同士が意見交換をするなかでコミュニケーションも深まり、異なる意見を調整する能力も高まったように感じます。谷先生の演習はどうですか?

私の演習では、『百人一首』を題材にした和菓子の製作に取り組みます。題材とする和歌を選び、和歌の意味や主題について検討したうえで、どのようなデザインにするのか、魅力的な和歌の説明をする商品ちらし、しおりの製作を検討します。さらに、宣伝や広告の新たなプランを考案し、販売促進戦略を考え、デパート等でのイベントも企画してみたいと思います。

土屋どういう商品が消費者に求められているのか。市場調査も重要ですね。

そうです。学生には、「努力が高く評価されるのは学生時代までで、社会に出たら、まずは結果や数字が問われます」と話しています。自分が作るものが社会でどれくらいの価値があるのか、客観的に物事や自分を評価し、判断できる能力を養ってほしいと思います。ここから、成長が始まると考えていますので。

佐藤どの演習にも共通して求められるのは、発想の転換と企画力でしょうか。

専門分野においては、教員の方が高い知見を持っていますが、こうしたプロジェクトにおいては、学生のみずみずしい発想や企画に圧倒されることも多いので、今からわくわくしています。

永井社会に出たとき、何が課題でどう解決したらいいのか。そういう視点はとても重要です。演習を通じて、問題解決力が養われることを期待しています。

将来、社会に出て役に立つ力を演習を通じて身に着ける

永井今の学生は視野が狭いといわれていますが、「プロジェクト演習」では、社会人や他学科の人たちと交流の機会がもてるので、コミュニケーション能力が養われると思います。

土屋インターネットの普及で特定の人としか交流しないという人が多いですからね。

永井社会に出たらそれは通用しません。だからこそさまざまな人と接する演習で、価値観の違いを知ったり、他者への働きかけを学んだりすることが重要です。

失敗する経験も積んでほしいです。

永井そうですね。学生は失敗を恐れるあまり、就職活動でも正解を求めて行動しがちです。でも社会には正解がない、曖昧な部分も多く存在しています。学生時代に正解のない学びを経験できることは貴重です。

佐藤「社会に出る前の体勢づくり、準備期間」と考えて、やったことのないことに挑戦してほしいです。知らない世界を知ることは視野を広げることにつながりますから。

永井学部関係なく参加できるのもFERRISの魅力だと思います。修了証発行後は、就職課でもどういうことを学び、どういう力が身についたなど、就職活動の「自己分析」でフォローする予定です。

FERRIS始動に向け教職員から学生へメッセージ

秋岡チームで何かを作ることの難しさ、物ができていく楽しさを共に味わいましょう。

フェリス生の感性を活かし、『百人一首』を現在にリメイクするプロジェクトを今から楽しみにしています。

土屋学生らしいパワフルな意見を待っています。“わくわくプロジェクト?を始動させましょう。

佐藤演習を通じ、自分の魅力や可能性を再発見しましょう。

永井辛さや大変さがあるから、楽しさや面白さも存在します。FERRISの学びで生きる力を高めてください。

TOPへ戻る