大西比呂志教授が『伊沢多喜男 知られざる官僚政治家』を出版しました

『伊沢多喜男 知られざる官僚政治家』

出版社:朔北社
発行日:2019年3月20日
著 者:大西 比呂志(国際交流学部 国際交流学科 教授)

本書は、内務省の剛腕官僚の伊沢多喜男の生涯をたどることを通じて、中央地方をあわせて近代日本政治・行政の具体的な様相を描いている。
伊沢多喜男は明治、大正、昭和の三代にわたり各県知事、警視総監、貴族院議員、台湾総督、東京市長、枢密顧問官を歴任しているが、その過程で、のちに「日本の黒幕」と呼ばれるような政治力を手中に収め、発揮するようになった。
本書は、伊沢の生涯を日本の近代史の動きと関連付けて辿っているが、伊沢は内務省をバックに、立憲民政党との関わりが深く、政治に強い影響力を持っていた。変動する現実に巧みに適応し乗り越えてきた官僚政治家伊沢であるが、昭和初期政党政治が終わった後には、激動する政治状況との関係は微妙に変調を来す。近衛新体制の時期、更に敗戦後には伊沢と時代は一段と不協和音を奏でる。伊沢は官僚政治家としての長い経歴のなかで現実感覚を基底に持ちつつ常に反骨少数派の立場を貫ぬいてきた。
本書は人間伊沢多喜男と近代日本政治史との関わりを描いているのであるが、伊沢を通して日本近代史上の内務省の大きな力、それを担った官僚たちの存在を改めて確認することができる。

(出版社HPより)