Ferris Alumni Gallery#15
幅広い選択肢を持つ学び
芸術の分析に生かす
津久井 めぐみ
アーティゾン美術館
文学部コミュニケーション学科 2008年卒業
Category
心理コミュニケーション学科/専門職
2024/12/9
卒業後のキャリアについて教えてください
フェリスを卒業後、芸術分野を深く学ぶため大学院へ進学し、大学院在学中にドイツ(デュッセルドルフ大学)への交換留学を経験しました。帰国後、アパレル業界に一度就職しましたが、その後、芸術文化振興に力を入れる化学メーカーに転職。特に能の公演など日本文化のサポート活動に携わり、芸術文化の裏側を支える仕組みを学びました。さらに芸術を専門的に学びたいと思い、今度はロンドンの大学でアート関連のビジネスコースを受講。そのままヨーロッパに残り、フランスでは日仏合弁の企業立ち上げにも参加するなど、多様な視点で芸術に関わる機会を積みました。帰国後はすみだ北斎美術館で広報として芸術分野でのキャリアをスタートさせ、現在はアーティゾン美術館で広報やデジタルマーケティングを担当し、美術の魅力を広く伝える役割を担っています。
現在の仕事内容を教えてください
現在は美術館の広報担当として、展覧会のポスターやチラシ制作をはじめ、メディア対応やプレスリリースの準備、Webサイト運営などを行っています。広報にとどまらず、SNSデータやGoogleアナリティクスを用いたデジタルマーケティング分析も担当し、特に口コミやキーワードの抽出・解析を通じて、美術館の評価や来場者の意見を効果的に活用しています。美術館内では各部門が専門性を持って分業しており、ITチームや学芸員、運営課と連携しながら、デジタル技術を活かした美術館の運営に貢献しています。フェリスで学んだデータ分析のスキルが活かされており、芸術を多角的に広めることができる環境にやりがいを感じています。
大学時代の印象に残っている経験を教えてください
大学時代は、髙田明典先生のゼミで、物語構造分析を応用した美術の分析を学びました。従来の美術史と異なり、データを用いた理論的なアプローチにより、広告や映画、ゲームなど多様なメディアの分析も可能になる手法を学べたことが大きな収穫でした。また、在学中にはドイツ語のインテンシブ・コースを受講し、その後ドイツに留学する機会を得て、異文化の美術観や歴史に触れると同時に、現地で友人もできるなど、貴重な経験ができました。大学内では少人数制の授業が多く、先生方との距離が近いため、学内外問わず多くのことを吸収できたことが印象深いです。特に、自由で幅広い選択肢が用意されていたフェリスの環境は、今でも役立っています。
高校生へのメッセージをお願いします
高校生の皆さんには、今、焦らず様々なことに挑戦し、自分が好きなことを見つけてほしいです。好きなことややりたいことは、大学生活の中で少しずつ見つかるものだと思います。また、好きなことが見つかっても、必ずしもそれを仕事にする必要はありません。私自身、芸術を学んで関心を持ちながらも、仕事として直接結びつけるまでには試行錯誤がありました。今は自分の好きを追求しながら、働き方や生き方も多様な形で選べる時代です。大学では、好きなことを見つけ、それが仕事でなくとも人生を豊かにするものとして、両立させる考え方も育まれます。フェリスは少人数制で、先生との距離も近いため、安心して色々なことに挑戦し、やりたいことを探す場にしてほしいと思います。
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
My Career
- 01学生時代
学外では東京都写真美術館のアルバイトや横浜トリエンナーレのボランティア活動など、実践的な経験を重ねました。
- 022年目
化学メーカーに転職。ここで日本文化支援事業に携わり、能の公演サポートや文化活動の裏側を知りました。この経験が、芸術と社会を結びつけるキャリアの基盤となりました。
- 037年目
すみだ北斎美術館で広報職に就き、直接美術業界に携わる喜びとともに、芸術を支えるための実務的な知識を深める機会となりました。
- 04今後の目標
現在は美術の魅力を多くの人々に伝える役割を担っています。将来的には、これらの活動を論文としてまとめ、アカデミックな分野で発信することも目指しています。
現在に生きる
フェリスの学び
- 学生時代の経験
- 課題をデータ解析によって明らかにする
- 身についた力
- 海外の人々と臆せずやり取りする姿勢
- 仕事で活きた場面
- トライ&エラーを繰り返すとき
※所属・仕事内容は取材当時のものです。
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