この記事の執筆は ”文学部”です

日本語日本文学科が国文学会でこまつ座観劇会を行いました!

2017年11月11日(土)13時より、紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAにおいて国文学会の2017年度第1回観劇会を行いました。鑑賞したのは、第72回文化庁芸術祭参加のこまつ座第120回記念公演『きらめく星座』。井上ひさし作、そして演出は2017年度国文学会大会でご講演いただいた栗山民也氏です。実は今回、栗山氏とこまつ座のご厚意で観劇会に先立ち、11月4日(土)にゲネプロを見学させていただくというダブル企画での実施となりました。

作品の背景は昭和15年(1940)の晩秋から翌16年の初冬まで。場所は浅草、「オデオン堂」というレコード店を営み、ジャズを愛する小笠原家。従軍看護師、脱走兵、防共護国団などなど、戦時色を表す言葉が飛び交いつつも、終始にこやかでなごやかで、したたかに生きる庶民の姿。しかし、そうしたささやかな幸福を破壊する足音がしだいに近く聞こえる様子が丁寧に展開していきます。ラストシーンでは、個性が際立つ人々が防毒面をつけて幕は降りました。人間の普通の生活や才能や希望をすべて奪うものは何か。他人事ではない、終わったことではない、今を生きる私たちの問題として考えさせられました。

こまつ座代表取締役・井上麻矢氏から観劇会に参加した全員に今公演を特集する、こまつ座120回記念特別号『the座』を配付していただきました。栗山氏が演出について語るページ、作品に登場する昭和初期の流行音楽、浅草と戦火のこと等、情報満載の一冊で、参加者は休憩時間に熟読していました。戯曲や音楽が時代を映すこと、そして人間にとって大事な問題を提示し、忘れてはならない歴史を伝えてくれるものであること、そうした可能性を無限にもつものであることを知る機会となったでしょう。

文学部日本語日本文学科教授 吉田弥生

終演後に劇場ロビーで。前列左から二人目が井上麻矢氏。
『the座』