この記事の執筆は ”文学部”です

英語英米文学科高橋和久客員教授によるイギリス小説研究ワークショップ

ワークショップの様子

7月31日(水)2限に英語英米文学科客員教授の高橋和久先生を講師にお招きし、イギリス小説研究ワークショップをおこないました。今回は本学の専任・非常勤教員および大学院生が対象ということで、6月の講演会「Sherlock Holmesの短編をめぐって」の内容を引き継ぎつつも、より専門性の高い話題・問題を扱いました。

 

・19世紀のイギリスでは社会の都市化およびそれに伴う人口移動の増加が見られたこと、こうして自分の過去を棄て新しい土地で新しい人格として生きる人々が増えたこと、つまり意識的・無意識的な自己成型(自分に関するある種の嘘もしくはフィクションを生きること)があたりまえとなったこと

・このような背景があったからこそ、変装・アイデンティティの問題を扱う小説が1860年代に流行し、またその後「ホームズもの」のような隠された真理を暴く探偵小説があらわれたのではないか?

・そもそも小説とは、通常見ることも知ることもできない他人の生活を覗きたい、というある意味いかがわしい読者の欲求に応える娯楽と考えるべきではないか?

・さらに現代で言えば、TVドラマも映画もインターネット上のニュースも同じでは?

このような専門性の高い、しかし専門研究の枠を超える問題について考え、思いをはせる、実に濃い90分でした。

文学部英語英米文学科教授 冨樫 剛