この記事の執筆は ”ボランティアセンター”です

防災シンポジウム「減災教育のあり方と大学の役割〜子どもから高齢者まで誰一人取り残さない〜」を主催

2019年12月16日、ボランティアセンターでは、本学緑園キャンパスにて、防災シンポジウム「減災教育のあり方と大学の役割〜子どもから高齢者まで誰一人取り残さない〜」を開催しました。

第一部では、本学国際交流学部の大西比呂志教授が「横浜と関東大震災~フェリス女学院150年史資料『関東大震災・女学生の記録』から」と題した基調講演を行いました。大西教授は、関東大震災で横浜がどのような震災被害を受けたか、当時のフェリスの生徒による体験談を元にした記録集を編著しており、当時の横浜における震災被害について話されました。

第二部では、及川幸彦氏(東京大学大学院教育学研究科附属海洋教育センター主幹研究員)から「東日本大震災からの教育の再生と復興―仙台行動枠組みとSDGsを踏まえて」と題して、「仙台防災枠組み (2015-2030)」やESD(Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育)」の観点から、また、ご自身の被災体験と震災復興の経験から、減災教育の重要性についてご指摘されました。
行政の立場からは、江原顕氏(横浜市健康福祉局地域福祉保健部福祉保健課担当課長)から「横浜市の災害時要援護者支援」と題して、災害時の避難に配慮が必要となる高齢者や障がい者に対する、地域の共助による防災・減災の取り組みについて発表して頂きました。「東日本大震災の時に65歳以上の高齢者の死者数は全体の約6割、障がい者の死亡率は被災者全体の死亡率の2倍」とし、災害時要援護者支援の重要性が指摘された上で、横浜市の取り組みについて紹介して頂きました。
松岡広路氏(神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授)からは、「被災地に寄り添った防災・減災教育―相互交流による生きた学び―」と題して、「兵庫県枠組み(HFA:Hyogo Framework for Action)」の取り組みについて報告されました。また、「2003年に神戸市では、『協働と参画の街づくり』を大切にし、市民が協働で『減災』について取り組んでいる」と学生を中心とした地域主体のプロジェクトが紹介され「被災者とボランティア・外部者が共同して復興を進め、そのコラボ(協働)によるプロジェクトの実施が大切である」と指摘されました。

シンポジウムに参加した学生からは「減災という言葉も初めて聞いたので、しっかり理解して自分も心がけようと思いました」「今後、もし自分が被災した場合、自分の身は自分で守る、ということを意識して行動しようと思います」「地域の実情に合った取り組みは、現地の人達にしか分からないが、被災地だけで復興することは、簡単なことではないと感じました」「大きな災害時は行政も被災しているため、十分な支援が難しい場合もある、と現場の生の声がきけ、自分自身で身を守ることの大切さを知った」「共助・公助をもとに一人一人が支え合い、助け合うことは、SDGsの延長で、このような社会(街)づくりを目指したい」という感想が寄せられました。

国際機関にて提唱された SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)では、「人間中心(people-centered)」「誰一人取り残さない(no one will be left behind)」を掲げており、女性や子どもの人権・保健・教育、環境のみではなく、防災も重要な課題としています。本シンポジウムでは、「兵庫県枠組み(HFA)」から「仙台防災枠組み」の変遷について知識及び見地を深めました。また、横浜市の震災の経験を事例として、改めて、防災及び減災に関する取り組みについて再考する機会となりました。

(写真左から)松岡広路氏、江原顕氏、及川幸彦氏

 

災害によって、現地の伝統文化や地域のコミュニティーが崩壊します。今後、ボランティアセンターでは、被災地と協働で、現地の伝統文化を含めた復興を念頭に置きながら、引き続き学生を主体としたプロジェクトを実施します。