この記事の執筆は ”文学部”です

英語英米文学科の授業紹介(英語圏の映画と映像1)

英語英米文学科では、授業の様子を定期的にこのブログでお伝えしていこうと思っています。リレー講義のような形で、交代で執筆していく予定ですので、それぞれの先生がどんな授業をされているかを知っていただく良い機会になるかと思います。第1回目は関口洋平先生の授業「英語圏の映画と映像1」の紹介です。

* * * * *

新学期が始まり、学生たちがキャンパスに戻ってきました。私は去年の秋にフェリスに着任したので、対面の形式で授業を行うのはこれがはじめてです。学生と同じ空気を共有しながら授業を進められるのは、教員にとっても幸せなことですね。キャンパスには春を感じさせる花もそこかしこに咲いていて、毎日気持ちよく過ごしています。

とはいえ、新型コロナウイルスの感染者が再び増加しているなか、対面授業に不安を感じる学生も少なくありません。今学期、フェリスでは大半の授業がハイブリッド型となっており、個々の事情や希望にあわせて対面授業・遠隔授業の形式を選べるようになっています。

今回はそんなハイブリッド型のクラスの模様をお伝えしつつ、私が担当している「英語圏の映画と映像1」という授業を紹介します。「英語圏の映画と映像1」はたいへん人気が高いクラスで、120名程度が受講しています。そのうち遠隔授業を選択しているのは、現時点で30-40名ほどでしょうか。

ハイブリッド授業では対面授業を行いつつ、その様子をZoomで同時配信します。機器のトラブルなどもありましたが、スタッフにも助けられ、授業は今のところ予定通りに進んでいます。

先日の授業ではチャップリンの『モダン・タイムス』を題材とし、映画研究の様々なアプローチについて学びました。皆さんは映画を視聴するとき、どんなことに注目しながら見ていますか? キャラクターに注目するという方や、映画のあらすじを中心に考えるという方が多いかもしれません。けれども、映画というのはより多様な要素から構成されています――監督の芸術的なビジョン、俳優の演技、音響や音楽、プロダクションの事情、技術的な制約、文化・社会的な背景などなど。授業では『モダン・タイムス』を例にとりながら、これらの諸要素の特徴を考えました。

なかでも特に強調したのは、視覚的な分析のアプローチです。小説と違って映画という芸術には視覚的な要素が多く含まれていますので、キャラクターやストーリーだけに注目するのではなく、映像として映画を分析することが重要ですし、それが面白いところでもあります。

私の授業では大人数のクラスであっても必ずディスカッションの時間を作り、学生の意見を聞きながら授業を進めるようにしています。今回は『モダン・タイムス』の一部を授業のなかで視聴したあと、そのシーンを視覚的に分析し、意見を交換しました。遠隔参加の学生も、Zoomのブレークアウトルーム機能を使ってディスカッションを行いました。映画の最初と最後のシーンにおける視覚的・音楽的な要素の相違点、チャップリンが描く労働者の視覚的な特徴、資本主義社会における機械と人間の対比など、鋭い意見がたくさん挙がり、とても充実した議論になりました。

授業後に提出してもらったリアクション・ペーパーには、「他の学生と意見を交換することで、自分が映画を見たときに意識していなかったことを発見できて新鮮だった」という声や、「これまで映画をぼんやりと見ていたけれど、一つ一つのシーンに様々な意味が込められているのがわかった。この授業のなかで学んだことを活かして映画を見るとより楽しめそう」といった声が挙がりました。この授業を通じてより映画を好きになってもらえれば、教師冥利に尽きるというものです。

英語英米文学科助教 関口洋平