バリアフリー通信 vol.18

バリフリの春休み

みなさんこんにちは。バリアフリー推進室(バリフリ)です。2017年度が始まり、バリフリにも新たな仲間が加わりました。今年度もたくさんの活動をしていきたいと思います。今回のバリフリ通信vol.18では春休みの活動を紹介させていただきます。

ぜひご覧ください!

3月8日、高田馬場にある日本点字図書館(以下、日点)への見学会を行いました。今回の見学会も、いつもお世話になっている鶴見大学情報バリアフリー推進会のみなさんと一緒です。

当日は、日点の職員の方にガイドしていただきながら、館内を巡りました。日点は国や自治体の施設ではなく、民間の社会福祉施設です。その起源は、故本間一夫氏が個人で創立した「日本盲人図書館」だそうです。利用にあたって料金はかからず、郵送による貸し出しも行っているため、全国から利用可能です。

日点では、点字図書だけではなく、デイジーという国際規格に基づいた録音図書も所蔵しています。私たちは、録音に使われているスタジオや、貸出用のCDに音声データのダビングを行っている現場を見学しました。職員の方によると、録音図書はすぐに図書資料ができるわけではなく、対象となる本の選定から完成まで数か月かかるようです。これは、一つの図書資料に対して、原則一人の朗読ボランティアの方が録音を担当されること、音源化する本の選定に時間がかかることなどから、完成に時間を要してしまうとのことでした。

今回は特別に、日点の地下書庫も見学させていただきました。書庫内には、大学の図書館と同じように、可動式の書棚がずらりと並んでいました。同じタイトルの本でも、一般の本では1冊にまとめられているのに対して、点字の本では図書資料が何冊にも分かれて膨大なページになることがあります。特に目を引いたのは、点字版英和“小辞典”で、館内に置かれた本棚を丸々一つ埋め尽くしていました!

見学会を終えて、「何かを知ること・学ぶこと・楽しむこと、それを誰もができること」について、改めて考えさせられました。これはバリフリの活動目的と共通しているため、今後のサポートにも何か活かせるのではと思います。最後になりますが、ご協力いただいた日本点字図書館職員の方々、ならびに鶴見大学情報バリアフリー推進会のみなさん、どうもありがとうございました。

(文:小川 南)

ハリーポッターの点字版です。

日本点字図書館前で
鶴見大学のみなさんと記念写真!

3月15日よりバリフリ学生スタッフ勉強会を行いました。今回は3日間にわたって開催し、この日は初日でした。初日にはバリフリの歴史や「障害者差別解消法」について学び、フェリス女学院大学の卒業生である車椅子ユーザーの高橋さんにお越し頂き、お話を伺いました。

私は、車椅子を利用している方が、どのような障がいをかかえている方なのか、またどのような生活を送っているのかなど、あまり知識がありませんでした。高橋さんの日常生活で困ったことなどのお話を伺う中で、もっと私達に出来ることがあるのではないかと感じました。また、車椅子を利用する方は必ずしも全く歩くことができないというわけではないことも知りました。自分でできることは自分で行いたいという前向きな姿勢を尊重するためにも、まずは私達が車椅子を利用している方々について理解を深めることが大切だと考えました。

お話を伺う中で特に印象に残ったことは多目的トイレについてです。駅など、最近は様々なところで見かける多目的トイレは、広く使いやすいことが特徴です。そのため、着替えをしたり、荷物を置いてお化粧をしたりしやすい場所です。しかし、高橋さんは本当に利用したい時にこのような場面に遭遇し利用できず困ったことがたくさんあると仰っていました。多目的トイレには、本当に必要としている方がいます。それを心から実感するとともに、すべての方が快適に過ごせるように日頃から知識を持っておく必要があると思いました。

私は、今回のお話を踏まえ、これから様々な方と関わる中で困っている方には手を差し伸べられる存在でありたいと思いました。そして、お話をしてくださった高橋さんの前向きな姿勢に、私も自分に出来ることは挑戦してみようという気持ちになりました。フェリス女学院大学に素敵な卒業生がいらっしゃることを誇りに思います。

(文:S.G)

お話をお聞きし、質問もたくさん
させていただきました。

高橋さん貴重なお時間を
ありがとうございました!

3月23日バリフリ学生スタッフ勉強会2日目では視覚障がいについて学び、移動サポートやクロックポジション(※)などの体験をしました。そして卒業生の畝本さんの「視力0.03の私が見る世界」の講演を聞きました。

人はものの情報の8~9割を、視覚から得ているとされています。つまり、私たちはほとんど視覚に頼って、ものを識別しています。そんな中、畝本さんは他人にできることが自分にはできないという悩みがあったそうです。差別や排除があった中、それでも「みんなと一緒がいい」という思いで過ごしてきたそうです。さらに、付添人と空港などに行くと、畝本さんではなく、付添人に何か配慮することはあるかと訊かれた経験があるとおっしゃっていました。その時、畝本さんは見えている人と同じように自分を扱ってほしいと思ったそうです。国連障害者権利条約締結時のスローガン「Nothing about us without us」のように私のことは私が決めたいという言葉が印象的でした。このお話を聞いて、周囲が配慮をしているつもりでも、本人は腫物のように扱われている気分になることもあり、配慮をする際は、まず本人と向き合うことが重要だと感じました。

アメリカやカンボジアへ行き様々な人種や障がいのある人と暮らす経験もされ、そういった経験から「人と比べなくてもいいこと」「自分は自分でいい」と考えるようになったそうです。また開発途上国の勉強をしたいとバングラデシュでも障害当事者団体として活動されています。こういった経験から「みんなと違ってもいい。違うからこそできることがある」と前向きに過ごされています。

今回の畝本さんのお話を聞いて見える見えない、聴こえる聴こえないに関わらず、全員が同じ立ち位置で社会の中で暮らしていくには、何が必要か考えることを忘れてはいけないと感じました。

※視覚障がいの方に対して、物の位置を時計の短針に例えて伝える方法。「3時の方向に○○があります」など。

(文 池 茉莉)

講演には学生スタッフだけでなく
先生や職員の方々にも参加いただきました。

畝本さん素敵なお話を
ありがとうございました!

3月27日はバリフリ学生スタッフ勉強会最終日でした。当事者の体験も踏まえた、聴覚障がいについて学び、全3回の振り返りをしました。

聴覚障がいには大きく分けて、ろう者・難聴者・中途失聴者の3種類あることがわかりました。どのように音が聞きづらいのか、いつ症状が出たのかによって分類されます。聴覚障がいの方が聞き取りを補助する機器は様々で、補聴器にも種類があり、人工内耳や補聴援助システムを利用していることも学びました。また、聴力レベルをデシベルという単位で表すことと、そのデシベル値が障がい者手帳をもらえるかどうかの基準になっていると初めて知りました。

以上のことや今までの勉強会を踏まえて、障がい者の方々だけが努力するのではなく、健常者、障がい者の括りがない、全ての人の意識による環境づくりが必要です。よって私たちバリフリスタッフはその意識づくりも含めて「バリアフリー=誰もが過ごしやすい環境」社会を作っていく必要があると話し合いました。

現在行っている活動は、パソコンテイク(文字通訳)・ランチタイム手話勉強会・バリフリキャンパスマップ制作・文字の白黒反転作業・ヘルプマーク啓発運動です。どれも、「全ての人が快適に過ごせるための環境づくり」です。「私には関係がない」と思うのではなく、まずは少しでも多くのフェリス生が自分自身のこと・相手のことを考えられるよう「For Others」の共生が広まることを願って活動していきたいと思います。

(文:鈴木 珠友)



いかがでしたでしょうか?バリフリの春休みはたくさん勉強し、学生スタッフ一人ひとりが様々なことを感じる機会になりました。今後の活動に活かせるようスタッフ一同2017年度も精進してまいりたいと思います。次回のバリフリ通信もどうぞお楽しみに!

フェリス女学院大学 バリアフリー推進室
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