バリアフリー通信 vol.19

2017年度前期の活動報告

夏も終わり2017年度後期が始まりました。2017年度に入り、入学式スクリーンテイク、新入生勧誘、キリスト教講演会スクリーンテイクなどバリフリは例年通り様々な活動を行っています。今回は前期の活動の中から、3つの活動を報告させていただきます。

ぜひご覧ください!

6月4日、神奈川県中途失聴・難聴者協会※の講演会を見学させていただきました。この講演会では、3名の方が、幼い頃や学生時代から現在に至るまでのご自身の体験を話されました。

登壇された方々は、年齢も、聴力も、聞こえづらくなった時期もさまざまでしたが、共通して10代や20代の時に、聴覚障がいがあるがゆえの悩みを感じたことがあったそうです。友達に気を使ってしまう、授業についていけない、必要な情報を得にくい…。それは単に「聞こえづらさ」だけから生まれるものではなく、見た目だけでは判りにくい障がいであること、難聴者・中途失聴者はろう者でもなく聴者でもないことなども関係しているようでした。会場では、参加者の方々が発表者のお話にうなずいている姿がたくさん見られ、とても印象的でした。

講演会では、参加者向けに情報保障が提供され、会場前方のスクリーンに、パソコンによる要約筆記が映し出されていました。さすがはプロの要約筆記、大変分かりやすく読みやすかったです。またその横では、手話通訳が行われていました。私はバリフリの手話勉強会にも参加していますが、通訳の方々の手話表現はぜひ参考にしたいと思うものばかりでした。そして登壇者のマイクから、補聴器にマイクの音だけが届けられるヒアリング(磁気)ループシステムも用意されていました。この講演会場には(磁気)ループシステムが常設されているそうです。

今回は当事者の方々から直接お話を伺えて、良い経験となったと思います。神奈川県中途失聴・難聴者協会の皆さんありがとうございました。

※神奈川県中途失聴・難聴者協会について http://jinnan.s500.xrea.com/

(文:小川 南)

6月3日~4日に鶴見大学からお声掛けをいただき、第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会のスタッフとしてお手伝いをさせていただきました。大会会場と駅の間にスタッフが立ち、道案内や視覚障がいの方の誘導等を行いました。私にとってはバリアフリー推進室スタッフとして初めての学外活動でした。

今回、視覚障がいの方の誘導に関する指導を受けることができるということで参加したいと思ったのですが、それにはある理由があります。私が登下校時に使用する駅では、白杖を持った方を見かけることがあります。その駅は改札口の近くに大きな柱が数本立っているため、その方がすれ違う人とぶつかったり、ひどい時には口論に巻き込まれたり、といったトラブルを見かけることが多くありました。そのため、白杖を持った方が困っている時にどうすればいいのか少しでも勉強ができたらと思ったのです。

大会一週間前には、歩行訓練士の方から誘導方法のトレーニングを受けました。視覚障がいのある方に関する説明を受けた上で、二人一組になって一人がアイマスクをし、もう一人が誘導するという形で歩行の練習を行いました。トレーニングでは、階段や段差は直前になってから存在を伝えること(逆に戸惑わせてしまうため)、腕に掴まってもらっている状態で手すりをつかんで欲しい時はその腕の方の手で手すりの場所を伝える、狭い道で一列になるときの手の動かし方など、指導を受ける前では確実に気づかなかった気配りを沢山学ぶことができました。

当日は私の担当した場所が駅と会場の中間地点だったこともあり、道案内がメインでした。付き添いのいらっしゃる参加者の方も多く、誘導をすることはほとんどありませんでしたが、誘導方法を知っているのと知らないのとでは、視覚障がいのある方に接する時の気持ちが随分違うように感じました。この大会スタッフに参加した後、登下校時に使用する駅でのトラブルはまだ見ていませんが、電車やバスに乗る時や外で歩いている時などに、白杖の方によく気が付くようになったように思います。また、別の駅でのことですが、視覚障害のある方の切符を買うお手伝いをすることがありました。以前なら声をかけることもできなかったので、できることが増えて嬉しく思います。これからもバリアフリー推進室の活動を通して、私ができることを見つけていきたいです。

(文:平山 真由子)


鶴見大学のみなさんと集合写真

7月4日に、フェリス女学院大学で毎年行われるキリスト教講演会があり、バリアフリー推進室のスタッフは、スクリーンテイク(講演内容をパソコンで打ち、スクリーンに投影する情報保障)を行いました。講演を聴く方に、より分かりやすく講演を聴いていただくためです。

4月下旬頃から、私を含め新スタッフの1年生と先輩方とでパソコンテイクの練習を始めました。私はパソコンを一人で打つこともままならない状態でのスタートでしたので、この約2か月半は戸惑いの連続でした。聞き取り切れずに打てないことはもちろん、タイプミスや変換ミスも連発させてばかりでした。またそれ以上に、ペアとの連携が大切だということを痛感する日々でした。ペアの打つタイミング、速度を知って、自分がどのように打っているのかも知り、それらを合わせて一つの文章にしなければなりません。その点においても私は、ペアと同じ部分を打ってしまったり、ペアが先に言葉をスクリーンに上げるところを、自分が先走って上げてしまったりしていました。

本番は初めてということもあり、とても焦ってしまいました。講演ですので原稿通りに朗読されるわけではありません。講演する方が付け加えて話された言葉も、取りこぼさず打つ必要があります。それもなかなか上手くできず難しかったです。またペアの交代※をする場面がありますが、その交代時も、打ち込んでいる文章の区切りが上手くできなかったため次回の課題となりました。今後さらに練習を重ねていきたいです。

本番ならではの空気感を知ることができたことはよい経験になりました。特に、見せる相手がいる、ということを実感できたことが一番大きな収穫でした。大きなスクリーンに自分の打つ言葉が映し出されたのを見て、自分の打つ言葉への責任感やこの活動をしていることの重さを感じました。これからもバリアフリー推進室では様々な活動をしていきますが、私は常に「誰かのために活動する」という気持ちを忘れずに取り組んでいきたいと思います。

※バリフリでは情報保障の質を保つために2人~3人一組のペアを組み、5分ずつ交代で打ち込んでいます。

(文:S.T)

新スタッフはこの日がスクリーンテイクデビューでした

講演終了後、学長との記念撮影


いかがでしたでしょうか?次回は夏休みの活動報告を予定しています。
夏のバリフリもお楽しみに!

フェリス女学院大学 バリアフリー推進室
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