フェリス女学院大学の学修支援についての方針

学生・父母等保証人の皆様

フェリス女学院大学は、4月22日(水)よりWeb会議システム等を利用した遠隔授業を開始し、現在3週目に入りました。はじめは学生・教員ともに様々な不安や戸惑いがございましたが、おかげさまで大きなトラブルもなく実施できております。これを受け、本学はさらなるきめ細かい学修支援体制を整える段階に入ったことを認識し、皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。

これまでの取り組み

本学では3月末の段階で遠隔授業とすることを決定し、授業開始までに様々な対応を行ってまいりました。
新入生に対しては、学生証をはじめ、学生生活に関わる書類・資料等および学生ポータルサイトの利用方法に関する文書をお送りし、大学と学生との双方向のコンタクトが取りやすいようにいたしました。

また、全学生を対象に、PC・スマートフォン・タブレット端末の所有状況やオンライン環境に関するアンケート調査を実施し、その結果をもとに遠隔授業実施の可能性を検討いたしました。これらの機器を所有していない、あるいはオンライン環境が十分に整っていない学生全員に対して、PC・Wi-Fiルーター・ヘッドセット等を無償貸与し、個別の相談には電話やメールで対応し、遠隔授業を安心して受講するための環境整備の支援を行っております。さらに、学修のために必要なOffice365を全学生に無償で配布し、セキュリティーが向上したZoomの正規アカウントも教員分購入いたしました。

学生のみならず、授業を行うすべての教員に対しても、Web会議システムを利用する授業の講習会を10回近く開催し、円滑な授業開始を目指しました。そして授業開始直前には、個々の学生指導を行うアカデミック・アドバイザー教員と担当の学生との間で、数回にわたる通信状態のチェックを行い、さらなる支援が必要な学生の状況確認とその対応を行ったうえで、授業開始日を迎えました。

もちろん、すべてがうまくいっているわけではございません。音楽学部で行われる実技レッスンや合唱・合奏などの授業については、一か所に集まることや大学の施設の使用を必須とするため、外出自粛要請の下では遠隔授業であっても実施が困難なものがあることなど、今後、対応を検討していかなければならない課題もございます。しかし、授業によっては集中力や発言が増えるなど、思わぬプラスの効果も出ております。これからも教員一同、対面授業と遜色のない授業を行うために、さまざまな工夫をほどこしてまいります。

また、図書館は現在閉館中ではありますが、卒業年次生・大学院生に対して無償で本を自宅に送り届けるサポートの受付を開始しました。一人1回10冊で30冊まで貸し出します。発送は5月18日以降となります。人手に限りがありますので、すぐに学生全員に届けることはできませんが、順次、対象を1~3年次生に拡大していく予定です。

他学よりも比較的早い段階でこうしたスムーズな授業運営が可能になったのは、学生・保証人の皆様をはじめ、本学の教育に携わるすべての教職員のご理解と協力のおかげだと考えております。あらためて深謝申し上げます。

今後の学修支援

遠隔授業に対するサポートは、皆様のご意見をふまえ、引き続き拡充してまいります。今後、本学がより力を入れるべきは、誰一人経済的理由で学業を断念せざるを得ない学生を出さないことだと認識しています。そのために、国の奨学金、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金に加え、本学独自の奨学金をフルに活用していきます。また、アルバイトなどがなくなり、日々の生活に困る方もおられると思いますので、大学の短期貸付金を大幅に拡充し、安心して生活が送れるように最大限の援助を準備しています。詳しくは、フェリス女学院大学の緊急時経済的支援策のご案内をお読みください。

他学では、学生に対して遠隔授業支援金等の名目で一律に経済的支援を行うなどの動きがあります。また本学学生による、キャンパス閉鎖に伴う施設設備費の返還または医療機関への寄付を求める署名活動も行われています。とくに後者については、本学のFor Othersの精神に沿うものであり、素晴らしい提案だと受け止めております。しかし、施設設備費の大半は、校舎や図書等の資料、ITサービスを提供するためのシステム等、諸々の施設設備を構築、維持管理していくために必要な経費となっています。今ある諸施設は、皆さんの諸先輩方の施設設備費で作られたものです。つまり、施設設備費とは、諸先輩方から引継ぎ、後輩たちに引き渡していく財産を、フェリスに在籍する学生で分担して負担していただくためのものです。コロナ禍が収束した際には、新しく図書館棟に完成したラーニングコモンズをはじめ、キャンパスの諸施設を十分に活用していただくべく、現在も清掃や修繕などメンテナンスを継続しております。

小規模大学に分類される本学では、人的・財政的リソースに関しては大規模大学と同様な支援は困難な面もございますが、本学にふさわしい方法で、一人ひとりの学生にしっかりと向き合い、小規模大学ならではの、必要な学生に確実に届く支援を今まで以上に進めていきたいと考えます。ほんとうに困っている学生に対して最大限の支援を行うことこそ、For Othersという本学の教育理念にかなうものであると考えております。

このコロナ禍および不況が長期化することを見据えて、遠隔授業のさらなる向上と皆さんの学修環境の改善のために役立てて参ります。そして、将来にわたり経済的理由による退学者を一人も出さない決意で、奨学金・短期貸付金制度を拡充してまいりますので、どうかご理解のほど、心からお願い申し上げます。

2020年5月8日
フェリス女学院大学
学長 荒井真