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メディア研究とは

文学部 コミュニケーション学科
髙田 明典教授

メディアとは、魂と魂をつなげるための手段です。複数の魂がお互いに連絡しあって、共感したり反目したり衝突したりしながら「ともにふるえる(共振する)」という現象を取り扱います。共振という概念が、ここではとても重要となります。理解しあう、わかりあうことばかりが共振ではありません。嫌悪や論争や反目の中にさえ共振は存在します。その仕組みを研究したり、その影響や効果を予測したり、また、その実現を企図したりする方法の習得が、この分野での学習の主たる目的となります。

メディア研究の分野では、コミュニケーション論や言語論ばかりではなく、アート論、通信理論や情報処理論、果ては、哲学の知識や技術までもが必要とされます。良く言えば総合的、悪く言うとつまみぐい的な分野です。この分野は、従来の学問分野とは少々異なり目的指向型の構成となっているので、既存の学問分野に分けて考えるとたくさんの領域にまたがっているようにも見えますが、その目的は前述したとおり単純なものです。

目的は単純ですが、それをうまくできるようになるのは、結構大変です。まず、自身がメディアリテラシーを充分に身につけなくてはなりません。メディアリテラシーとは、様々な媒体を通しての読み書き能力のことです。様々な媒体としては、紙媒体、テレビやラジオ、デジタル通信やインターネット、おしゃべりなどがあります。それらを通して得られる情報を効率良く処理し、その意味を的確に把握することが重要となります。さらには、それらの媒体を通して自分の魂を表現することも、とても重要です。言葉や記号はあるルールにしたがって構成されなければ、その意味を的確に伝達することができません。また、あるルールにしたがって構成されている言葉や記号であっても、その背後に隠された意図や真意が存在している場合があります。さらには、良からぬ意図をもって接近してきたり、不正な手段で情報を操作しようとする人間をみきわめて撃退するための技術の習得も必要になります。いわゆるネットワークセキュリティの技術や知識は今後ますます重要になってくると思われますが、それさえもメディアリテラシーの基礎技術です。つまり、自らメディアの優れた使い手となることが、まず要求されるということです。

メディア研究は、その次の段階に位置しているものであるといえます。複数の魂が連絡しあう場所において発生している様々な現象を観察し、それらをよりよい方向へと導くことを考えます。たとえば携帯電話や電子メールやインターネットでのチャットなどが、私たちの価値観や考え方にどのような影響をおよぼすのか、それは良いことなのかそれとも悪いことなのか、そして、それらをより良い方向に向かわせるためには何が必要なのかなどについて考えるというのが、この分野の研究です。また、テレビ番組やテレビゲームが子供に与える影響を研究したり、ヒットした映画の背景に存在している価値観を探り出したりするというのも、この分野の研究にくくることができます。さらには、コミックやアニメや小説などの既存の表現分野や、デジタルアートやメディアアートと呼ばれる新しい表現分野において、魂はどう表現され伝達されるのかということを明らかにすることも、この研究分野の範囲です。

また、メディア研究は、分析だけではなく、制作をも含みます。ちなみに私のゼミでは、ゲーム制作で卒業制作とすることもできます(図1、図2:2013年度の学生作品『スマホ用コミュニケーションスキルトレーニングゲーム』の例)。CGイラスト、映像、CGコミックなどの指導もしています(図3※ゼミのホームページに私のサンプル作品が置いてありますhttp://tkd.saloon.jp/megasen1.pdf)。「tkdゼミ」で検索してゼミのページに跳び、コラム(column)のページを見てみてください。他にも論文とか、エッセイとか、いろいろあります。

図1

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図2

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図3

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