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「室内楽」授業紹介

音楽学部 演奏学科
堀 由紀子教授

「室内楽」授業紹介

演奏学科は少人数の学科なので、小回りが利くことの良さを生かして、さまざまな室内楽やアンサンブルの教育に力を入れています。

室内楽とは、独奏、合唱、協奏曲、交響曲などと並ぶクラシック音楽の重要なジャンルの一つで、元はと言えば大ホールではなく、文字通り普通の家の室内(昔のヨーロッパならサロンなど)で何人かの奏者が集まって一緒に演奏することを楽しむための音楽です。

主にピアノと弦・管楽器の編成によるトリオからクインテットを中心とした室内楽の授業は、合計で3クラス開講されていますが、各自の時間割やニーズに合わせてクラスを選べるようになっています。新学期が始まると、まずは履修者それぞれの専攻楽器に応じて、全員が必ず参加できるようにグループを組むのと同時に、各グループがその学期に勉強する曲を決めます。不足する楽器については、音楽系の大学を卒業してすでに演奏活動を始めた人たちが、助演者(講座副手)として参加してくれます。

授業は週に1回、演習形式で行われ、2~3週に一度、自分の属するグループの演奏順が回ってくるので、教員による指導を受けると同時に、クラスの仲間たちで感想や意見を言い合ったりします。授業の最終週には、公開のコンサートの形で演奏を披露します。

室内楽やアンサンブル関連の授業は、たくさんあり、室内楽という名前のついた科目以外にも、ピアノ・デュオ、共演芸術(歌曲共演を含む)、ヴォーカルアンサンブル、フルートアンサンブル、管楽・弦楽アンサンブルの他に、声楽や旋律楽器を専攻する学生とオルガンやチェンバロが共演できるバロックアンサンブルの授業もあります。小編成のアンサンブルは、みなとみらいや山手地域を中心とする諸施設などから多くの演奏依頼を受けており、かつ非常に高い評判を得ています。

室内楽の魅力は、複数の人間がそれぞれ作品について考え、自分はこう感じているよ、と音で語り、互いの音(考え)を注意深く聴き合い、刺激し合いながら、協力して一つの音楽を作り上げていくところです。解釈の食い違いや個人の好みを乗り越えて、それまでには考えられなかった高い次元にまで行き着くことも多々あるのです。まさに世の中の縮図を見るようですが、音楽という共通の美しい目標に向かい、それが達成できた時の喜びは想像以上に大きいのです。

演奏学科にはこのほかに「室内楽の夕べ」という授業がありますが、この授業は、室内楽のオーディションを受けて合格した学生たちが、演奏曲についての研究レポートを書くとともに、複数の教員から指導を受けて演奏の準備をし、コンサートに出演することが履修の中心となるユニークな形式をとっています。室内楽の授業内で組んでいる仲間だけでなく、気の合う仲間同士でも自由に組んで参加できるので、「オーケストラ協演の夕べ」と並んで、毎年のように盛況をみせています。

(2017年7月26日)