Ferris Life 学生生活/キャリア/グローバル

学生支援センター

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学生の保健管理、学生相談及び障がい学生支援を企画推進する機関として学内に設置されています。学生の心身両面での健康保持増進をはかり、学生生活が充実するよう支援するとともに、障がいの有無に関わらず、学生が等しく学びことができるよう支援することを目指しています。 

バリアフリー通信

バリアフリー通信 Vol.25 2020・2021年度
  1. オンラインでの学生スタッフ活動
  2. コロナ禍でのサポート活動
  3. 電子データ化作業
  4. サポートを受けながら過ごした4年間

vol.23

バリアフリー通信 vol.25 2020・2021年度

コロナ禍でのバリフリの活動

バリフリ通信、すっかりご無沙汰になってしまいました。(申し訳ございません。)
2020年度~2021年度はコロナ禍でバリフリも目まぐるしい日々を過ごしました。そんな中、学生スタッフは模索しながらも日々の活動や支援についてできることを一つずつ行ってくれました。学生スタッフと支援を受けた学生の声を紹介します。ぜひご覧ください。

オンラインでの学生スタッフ活動

コロナ禍ということで対面での活動が制限され、遠隔でできる活動が求められるようになりました。そこで、多くの新たな試みがなされました。

一つ目は、captiOnlineを使用した遠隔でのパソコンテイクです。パソコンテイクとは、講演会等で行う、耳が不自由な人へ向けて話の内容をその場でパソコンに打ち込み、文字として表示する情報保障です。以前は、IPtalkを用いて有線で行っていたのですが、無線LANを使ってweb上でパソコンテイクを行うことのできるcaptiOnlineを用いることによって、離れた場所で行うことが可能になりました。音声の明瞭さや通信環境によるタイムラグなどの問題はありましたが、場所にとらわれないで行えることは魅力的に感じました。

二つ目は、音声認識機能を用いた翻訳文字通訳アプリのUDトークの利用です。UDトークとは、音声認識機能を活用した情報保障で、話者の内容をリアルタイムで文字通訳が可能です。一方で、完璧に認識できるわけではないので、誤字・脱字等では修正するといった補助が必要になります。実際に、本学主催の就職講座の際に用いたのですが、誤字・脱字の他タイムラグ等の課題がありましたが、リアルタイムで字幕を作成できるメリットは大きいと感じました。また、基本は字幕の修正が主な作業となるので、スタッフの人数が少なくパソコンテイクが難しい際に活用していけたらいいのではないかと思いました。

三つ目は、学生スタッフミーティングのオンライン開催です。
昼休みにZoomを用いて、ミーティングをしたり、パソコンテイクの練習をしたりしました。どのスタッフも参加できるよう週ごとに異なる曜日で行いました。

四つ目は、キリスト教講演会や大学祭の学校案内の動画への字幕付けです。
オンライン授業の形態がとられてから行うようになった活動で、YouTube動画に字幕付けをしたり、Vrewというソフトに動画をダウンロードして字幕付けしたりしました。

今年度の活動は、遠隔での活動がメインとなり、誰も経験のないことばかりで手探りの状態から始まりました。今までの活動を継続するのか、新しい活動に切り替えていくのかなど試行錯誤する中ではありましたが、それにより自分たちの活動の必要性や意義を見つめ直す機会になったのではないかと思います。私自身もまた、対面・遠隔での活動の両方を経験でき、多くの発見と学びがありました。
まだまだ元の形態での活動は難しい環境ですが、今後の活動がさらに良いものになるように引き続き励んでいきたいと思います。

(文:Y.Y)

パソコンテイクの様子

入学式にて遠隔でのパソコンテイクの様子

コロナ禍でのサポート活動

私は今年度の前期、視覚障がい学生の授業サポートを行いました。今まで障がいを持つ方のサポートをしたことのない私がなぜこの活動をしようと思ったのかというと、それはあるアイドルの方の存在がきっかけでした。緊急事態宣言が出され、家の中で過ごす時間が増えたことで私はYouTubeを見る時間が増えていました。そこで出会ったのが、あるアイドルの方の存在。その方はアイドルとしての活動だけでなく、手話を独学で勉強しそれを紹介したり、番組に出て障がいを持つ方々のことを学び伝えようとしていたのです。私はそんな姿に影響され、私にも何かできることはないかと、大学に掲示されていたポスターで知ったオンライン手話勉強会に参加しました。そこからこのバリフリの活動や授業サポートのことを知りました。多くの不安もありましたが、スポーツ実習(世界の舞踊)の授業サポート募集をみて、この活動なら今までやってきたことを生かして私にもサポートできるかもしれないと勇気を出して応募を決めました。

いざサポートをしてみると、先生が教える体の動きを口頭で説明することは思っていたよりも難しく、言語化の大変さを痛感しました。これをこうやって動かして、と説明される動きは目が見える私たちは何にも難しいことはないのですが、視覚障がいの方々はこれを言葉だけで理解し、そのうえで身体で表現するという、なんてすごいことをやっているのかと、ただただ驚きと尊敬の念を抱いていました。そのうえ一度聞いた説明でほとんど覚えてしまい、常に凛と踊っている姿をみて私ももっと力になりたいと思い、上手く伝わる方法を試行錯誤しながら誠心誠意サポートしようと決めました。

ただコロナ禍でのサポートは、どこまで近づいたり直接触れて説明していいのか、と戸惑う場面もありました。私自身がダンスやバレエを習ってきた経験と伝わりやすさを考えて、違っている部分があればなるべく直接触れながら「ここをこう動かす」と伝えるつもりでいました。しかしそういった心がけもコロナ禍で不安もありましたが、視覚障がい学生の許可やバリフリの職員の方の指導もあり、感染対策をしながら順調に進めることができ、また先生が用意してくれた人体模型(私たちは骨子さんと名付けました)を使いながら体の動きを共有していきました。

最初は上手くサポートができるのか、そして何よりも障がいを持つ学生と良い関係を築くことができるのかと不安でいっぱいでしたが、その不安も一切なくなるほど授業を通して良い関係を築くことができましたし、この授業で扱ったフラダンス、よさこいの両方の振り付けも私の拙いながらの説明を受け取ってくれて、それぞれその踊りの良さを活かした表現ができるようになっていました。私は個人的にこの学生の踊りがすごく好きだなあと思うほどです。最終授業日の発表会で踊っている姿をみて、このサポートをしてよかったなと思いましたし、何よりも多くのことを学ぶ機会となりました。ほんの一部かもしれないけど、視覚障がいを持つ人々が生活の中で感じることを想像する大切さや、そのうえで私はどうサポートすればよいのか、と多くのことを考えるきっかけとなりました。この活動が終わった後も、学内で会ったら話をしたり、一緒に遊びに行ったりとその学生さんとは今も交流を続けています。この縁は何よりも活動の中で得た大きな出会いでしたし、この経験で他の学生や、何か助けを必要としている人に出会ったらサポートをしようと思うことができました。コロナ禍でのサポートは悩みながらのものではありましたが、そもそもこの経験はコロナ禍だったからこそ出会えたものでしたし、それは自分の中でも大きな出会いであったと思います。これからも、どんな状況下であろうと立ち止まることなく、自分の心が動いたとき、それに身を任せて常に前に進んでいきたいと思います。

(文:M.A)

電子データ化作業

バリアフリー推進室では、障がいをもつ学生が、障がいをもたない学生と等しく学ぶことができるよう、学生スタッフが情報保障や教室移動の補助などのサポートを行なっています。視覚障がい学生への情報保障の一つである「電子データ化作業」は、対面で行われる直接的なサポートとは異なり、在宅での作業がメインです。
今回は、この「電子データ化作業」について紹介します。

「電子データ化作業」には、主に「テキストデータ化」と「楽譜データ化」があります。「テキストデータ化作業」は、視覚障がい学生が資料を読むことができるよう、サポートするものです。原本をスキャンして読み取り、文章データの校正作業を行います。校正作業では、スキャンの際に発生した文字の誤認識や不要な改行など、見落としのないよう注意しています。
また、文章の他に、図表のテキスト化も行います。特に、複雑なグラフは情報量が多いため、テキスト化には時間を要しますが、常に丁寧な作業を心がけています。

「楽譜データ化作業」では、音楽学部に所属する視覚障がい学生が、授業やレッスンで使用する楽譜を読むことができるよう、サポートします。MuseScoreという楽譜制作ソフトを使用して楽譜を電子化し、音が出る状態にすることで、楽譜に書かれた情報を視覚障がい学生に正しく伝えます。楽譜の原本をスキャンして電子化する方法もありますが、音や記号の誤認識が多発してしまうため、学生スタッフが一から入力し、楽譜を完成させます。音を打ち込んでいる途中にも、間違っている部分がないか、繰り返し再生して細かくチェックします。
私は、楽譜制作フトを使うのが初めてだったため、使い方を覚えるのに時間がかかりました。しかし、回数を重ねるごとに入力のスピードも速くなり、効率化を重視しながら作業を進められるようになりました。

電子データ化を担当する学生スタッフは、障がい学生と直に接する機会はほとんどありませんが、対面でのサポートと変わらず、責任を持って作業にあたっています。
この2年間は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学内での活動が制限されることも多くありましたが、このような状況下だからこそ、対面形式以外のサポートについて、深く考えることができました。
多様なサポートのかたちを知り、今置かれている環境の中で自分ができることは何かを考えることは、とても大切なことだと感じます。

(文:Y.N)

サポートを受けながら過ごした4年間

大学に入学してからの4年間、移動や授業のサポートを受けることを通じて多くの人と出会い、多くのことを学ぶことができました。入学した当初は抵抗や申し訳なさがありましたが、サポートを受けていく中で、不安な時は頼ってもよいということを学びました。

移動サポートでは、自分の状況や不安なところをどのように伝えればよいかを学ぶとともに、目的の場所に行くための道順や注意すべきところを一緒に確認していただき、学内で、一人で安全に移動できる場所を少しずつ増やしていくことができました。

授業においては、板書や映像の解説、字幕の読み上げをしていただくことで、自分が得ていた情報がいかに少なかったかを知るとともに、今まで得ることができなかった情報を補い、より理解を深めることができました。また、授業で使用するレジュメやテキストなどをテキストデータにしていただいた他、紙媒体の楽譜をソフトでデータ化していただきました。これにより、予習や復習、分からない部分の確認などをすることができ、より学びを深めることができました。昨年はオンライン授業が主体となったため、サポートしていただくことが可能なのか、どのように依頼をすればよいか、とても不安でした。しかし、ZoomやLINE通話を通して映像や板書の解説をしていただいたことで、遠隔授業においても理解を深めることができ、離れていてもサポートを受けることが可能だと実感しました。

さらに、サポートを受けることを通じて、多くの人と出会い、友人をつくることができました。そして、サポートが必要なことについてどのように伝えればよいかを学ぶことができました。私にとってサポートを受けるということは、安心して充実した学生生活を送るために必要なことであるとともに、学びと出会いの場を広げることができるとても貴重な機会でした。そして、それは決して恥ずかしいことではなく、理解を深め、世界を広げるきっかけとなると感じました。

コロナ禍に入り、今までとは違う難しさもありますが、このような時だからこそ、新たなサポートの形が生まれ、定着していくのではないかと感じています。そして、どのような状況であっても、勇気を出して依頼することが、充実した学生生活と、新たな出会いにつながるのではないかと考えます。

(文:Y.N)
バリアフリー通信 Vol.24 2019年度
  1. Supporters' Forum 2019 at Seijo University
  2. 神奈川県共生社会実現フォーラム

バリアフリー通信 Vol.24

バリアフリー通信 vol.24 2019年度

 2019年度の活動~学外へ発信しました~

2019年度は学内のサポート活動はもちろん学外へバリフリの活動を発信することにも力を入れてきました。学生スタッフたちは日ごろサポートをしている中で感じたこと、利用学生とサポーターの関係性など意見交換をし発信することで見えてきた課題や気づきがあったようです。ぜひご覧ください。

Supporters' Forum 2019 at Seijyo University

私達は11月30日にSupporters' Forum 2019 at Seijyo Universityに参加しました。 まずは、参加者、参加校全員で集まり、開会式を行った後、それぞれの教室に移動し、ポスターセッションを行いました。私達バリフリもポスター発表をしました。
ポスターを作成するにあたって、バリフリでは、作成前にミーティングを行い、意見交換をしました。そこで出た意見をまとめ、ポスターが完成しました。当日は、多くの方に興味を持ってもらい、私達の活動を多く発信できたように思います。そして、ポスター発表の後半では、私達は他の団体の発表を聞きに行くことが出来ました。私はバリアフリーに関してサポートを行っている団体の話を聞きに行きました。1番印象に残ったことは、他大学では支援を受ける人もそうですが、サポーターの人数が本学よりはるかに多いことです。なぜこんなに多くのサポーターが集まるか疑問に思い尋ねました。すると、その団体に所属しようと思ったきっかけが、友達でもあり、支援を受ける人でもある人の存在が大きいと言っていました。私達もサポーターとして壁を作ることはせず、友人といったような比較的に近い関係を求めて活動してきました。しかし、サポーターの人数を増やすことに頭を悩ませてきました。これらのお話を聞いてもっと多くの方法でサポーターの人数を増やしていけるのではと考えました。

そこで、私は、サポートについての講習会やノートテイクやパソコンテイクの講習会を全学生対象に学期に1回程度から始めていくとなにか変わるのではないかと思いました。本学のバリアフリー推進室では、サポーターの募集に関して毎年何かと対策を練るのですが、なかなか人数を思うように集めることが出来ていない状況です。上記に示した通り、まずは本学学生にバリフリのことについて知ってもらうことが重要だと思います。4月に入学してくる新入生だけでなく、在学生に知ってもらうことで知り合いから知り合いへと徐々に認知されていくのではないかと考えます。私達バリフリスタッフの練習も兼ねて、体験会等の企画もしていきたいです。それは、パソコンテイクやノートテイクもそうですが、車いすのサポートやアイマスクをした人のサポートなど友達同士で楽しくサポート体験できるものから企画し、バリフリについて知ってもらうことはいいのではないかと思っています。

今回、このサポーターズフォーラムに参加して、多くのことを学ぶことが出来、新たな発見もありました。この経験を今後、バリフリで活かしていきたいと思います。

(文:岡野 玲奈)

ポスター発表

ポスターのデザインも好評でした

ポスター発表

多くの方に発表を聞いていただきました

神奈川県共生社会実現フォーラム

12月15日、神奈川県共生社会実現フォーラムに参加しました。これは共生社会の実現を目指す団体や企業が集まり、展示やポスター発表を行うという企画です。
バリアフリー推進室としてこの企画に参加したのは"外部へ活動の発信をする"という大きな目的がありました。今までは校内での活動が中心でしたが2019年度からは発信も始めようとSupporters' Forum 2019 at Seijo University、そしてこの共生社会実現フォーラムでポスター発表に参加しました。

私はポスターの制作と、当日の発表を担当しました。制作では慣れない作業に戸惑うこともありましたが、ポスター発表に参加してよかったと思ったのは、自分たちの活動理念を改めて意識できたことと、今の活動の問題点や今後の展望について考えられたことです。ポスター制作のためにみんなで意見を出し合ったり、事前に発表練習や、来場者の方から質問が来ることを見越した想定質問の練習を行ったりする中で、自然と活動理念や今の活動について考えることが出来ました。

当日参加してみて印象に残っていることは2つあります。1つはやはり、障がいを抱えてサポートを必要としている方の多さです。来場者の方がポスター発表を見て声をかけてくれることが多くありましたが「私が学生のときこういう団体が欲しかった」と話してくださる方が何人もいらっしゃいました。また、そのように声をかけてくださる方の多くが、見た目では障がいを持っているとわからない方が多かったので、私たちが普段気づかないだけで、サポートを必要としている方はたくさんいるのだと改めて感じました。
2つ目はほかの企業・団体の取り組みを見て感じた、ニーズの把握の重要性です。どこの企業や団体の取り組みも、しっかり利用者に意見を聞くことでニーズを把握し、的確にそのニーズに応えた活動をしていると感じました。私たちもサポートをルーティン化してしまうのではなく、利用学生のニーズをしっかり聞いた上で活動していくことが重要であると思います。

今回のフォーラムへの参加で、私たちの活動を発信するということは、他の参加団体や来場者の方から受け取れるものがあるのだと気づくことができました。2020年度も積極的に外部への発信を行い、同時にたくさんのものを吸収していきたいです。

(文:河野 有紗)

県庁前にて記念写真

県庁前にて記念写真

質問の様子

来場者の方からたくさん質問もいただきました

いかがでしたでしょうか。バリフリをより良いものにしていこうと学生スタッフたちは日々向上心を持って活動しています。学生スタッフたちの活動をこれからも見守っていただけましたら嬉しいです。次回のバリフリ通信もお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.23 2018年度
  1. 学生スタッフ勉強会
  2. 日本点字図書館・ふれる博物館見学会

Vol.23

バリアフリー通信 vol.23 2018年度

2018年度春休みの活動

2019年度が始まり梅雨の季節になってきました。バリフリでは今年度も学生スタッフがサポートや活動に忙しい毎日を送っています。今回のバリフリ通信では2018年度後半、春休みの活動について紹介させていただきます。ぜひご覧ください。

学生スタッフ勉強会

春休みに学生スタッフ勉強会を実施しました。
最初にサイレントゲームを行い、音声・筆記用具を使わずにジェスチャーで「趣味について」話しました。普段の会話と比べて言葉なしで伝えることや理解することの難しさに気がつきました。次に、紙とペンを使って「アルバイトについて」1分間で話しました。1分間はとても短く感じ、自分が思っていたよりも情報が多く書けないことや箇条書きの方が伝えやすいことに気がつきました。聴覚障がいといっても様々な種類があり、聞こえ方、コミュニケーションの取り方など十人十色であり、支援方法も十人十色だということを学びました。聴覚障がい者とひとくくりにするのではなく、その人が社会でどのようにしたら住みやすくなるのか考えなければならないと思いました。

次に情報保障について学びました。情報保障とは、聞こえない、聞こえにくい学生のための「音」の情報を文字媒体にして伝えることです。種類は手書きテイクとパソコンテイクの2種類があります。手書きテイクのポイントは「早く・正しく・読みやすく」が大切です。実際にやってみましたが、内容を正確に読み取り、要点をつかみ、言葉を選び、要約することが難しかったです。パソコンテイクのポイントも手書きテイクと同様です。最初は、2文字の単語をペアと交互に打つ練習から始めました。単語が3文字4文字と長くなり、さらに文章になっていくとどんどん難しくなっていきました。相手が打ち終わるのを待つのではなく、次に打つ人が頃合いを見て積極的に入力権を奪うことが大切だとわかりました。7月にキリスト教講演会があり、私は初めて公の場でパソコンテイクを行うので、練習を重ねていきたいです。

最後に車いす講習を受けました。学内で車いす体験をしてみて、路面のわずかな凹凸が体に響くことや教室の入り口やエレベーター内が狭いことに気がつきました。この体験を活かして、実際に移動サポートをする際は、車いすを動かすときや段差があるときは先に声かけをしようと思いました。
私がバリアフリー推進室学生スタッフになったきっかけは、入学式やキリスト教講演会でパソコンテイクをしている姿がかっこよくて、憧れたからです。また、学内でサポートをしている姿を見てバリフリの活動に興味を持ちました。今回の勉強会で得た新たな知識や気づきを生かし、今後のバリフリの活動でもさらに経験を積んでいきたいと思います。

(文:平本加奈)

車いす講習の一コマ

車いす講習の一コマ。気付いた点をメモしています

日本点字図書館・ふれる博物館見学会

3月15日に鶴見大学の学生と一緒に、東京都にある日本点字博物館・ふれる博物館の見学会を行いました。点字は1825年にフランスで考案され、1890年に日本のかな組織に訳されたそうで、とても古い歴史を持っていることに驚きました。日本点字図書館では点字図書と音声化された図書の貸し出しを行っています。音声化のための録音ブースや書庫の見学をしながら、たくさんのお話を聞かせていただきました。点字本というとどのような本があるのだろうと思っていましたが、日本文学はもちろん、例えばハリーポッターシリーズなど最近話題となった作品まで多岐にわたり、その種類の豊富さがとても印象に残っています。私は読書をすることが好きですが、この日本点字図書館見学を通して、自分が普段どれだけ目に頼って情報を得ているか実感しました。映画を観ることも読書をすることも目を通して行っていることなのだと今まで意識したことがありませんでした。作品を点字に訳したり、音声で録音してくださる方々、そしてこの図書館でそれを利用者の方に繋げていくことで視覚障がいがあっても本からの知識や感動を得られ、みんなで一緒に楽しむことができるというのは本当に素敵なことだと感じました。私自身、きっとバリアフリー推進室に所属していなければここを訪れる機会がなかったかもしれません。普段入れないようなところまで見学させていただけて、貴重な体験でした。

ふれる博物館は、一般的な博物館とは異なり、実際に展示作品に触れて楽しむ博物館です。そのため視覚障がいのある方でも、そうではない方も作品を一緒に楽しむことができます。私が特に印象深い作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を石膏で立体にした作品です。人物の髪型、仕草など今まで気づけなかった新たな発見があり、とても楽しむことができました。絵画はどうしても言葉では伝えづらいと思っていたので、このように立体化するというアイデアがあることに感動しました。

鶴見大学の学生たちとはなかなかお会いできる機会が少ないのですが、こうして交流を持ち続けられていることを嬉しく思います。また学外へ出ての見学会は普段の活動とは気分も変わり、遠足のようで楽しいのでまた機会があればぜひ参加したいです。日本点字図書館・ふれる博物館の職員のみなさま、鶴見大学のみなさま、ありがとうございました。

(文:伊丹茉雪)

集合写真

鶴見大学と日本点字図書館前で集合写真

体験の様子

レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』の立体作品を手で触っています

いかがでしたでしょうか?次回は2019年度の活動を紹介したいと思います。学生スタッフも増え、活発になってきたバリフリです。今後ともバリフリをよろしくお願いいたします!

バリアフリー通信 Vol.22 2018年度
  1. バリフリ10周年イベント~OGと現役生との交流会~
  2. ライトセンター見学会
  3. 学生スタッフが制作しました!

Vol.22

バリアフリー通信 vol.22 2018年度

バリフリ10周年を迎えました!

こんにちは。バリフリです。バリフリは今年2018年に10周年を迎えました。この10年間でたくさんの学生がバリフリに関わってくれました。3月にはバリフリ10周年イベントとしてOGと現役生が集まり交流を行いました。その様子と2018年度前半のバリフリの活動を紹介させていただきます。ぜひご覧ください。

バリフリ10周年イベント~OGと現役生との交流会~

先日、私達はバリアフリー推進室10周年の節目に今まで活躍された先輩方とともに「バリフリ10周年イベント」を開催しました。このイベントでは、歴代の先輩方の活動を知ることが出来た他、私達現役生の活動についても紹介することの出来る機会でした。発表では、先輩方が熱心に聞いてくださったので、私達もバリフリの今を知ってほしいと現在の活動を一つひとつ紹介することが出来ました。また、発表の後には、先輩方から「頑張ってくれているね。」「これからも頑張ってね。」といった温かいお言葉を頂き、活動のために行ったさまざまな努力が実ったように感じ、とても嬉しく思いました。一方、先輩方の活動を知るうえで、私達もまだまだこれから頑張らないといけないといった今後の課題にも気付くことが出来ました。

今後の活動がさらに良いものに、良い方向になるよう今回の「バリフリ10周年イベント」で感じたことを忘れないよう、これからの活動に取り組んでいきたいと思います。そしてこのような節目のイベントが、これからもずっと続き、先輩方と現役生の絆がさらに深いものになればと思います。

(文:S.G)

集合写真

スライド観賞

スライドでバリフリ10年を振り返りました。

談笑中の様子

ライトセンター見学会

9月に私たちは二俣川にあるライトセンターの見学会に参加しました。ライトセンターでは、視覚障がいの方を支援する為の様々な活動が行われています。例えば、晴眼者用の本を点字本にしたり、音声としてCDに吹き込んだりする活動があります。見学会では点字を打つ工程や、音声を吹き込む為のスタジオを見学しました。このような活動は、ボランティアの方々で行われているそうです。バリフリの活動ではパソコンテイクなどを行っていますが、このような支援方法は知らなかったので勉強になりました。

また施設自体も視覚障がいの方の為の工夫がありました。特に扉がシャッター式のロッカーは初めて見たので印象に残っています。扉が前に開かないので、視覚障がいの方でも、開きっぱなしになっている扉との衝突を防ぐことができるそうです。他の施設でも是非活用していくべきだと思いました。他にも、階段に音楽が流れていたり、人が近づくと音声案内をしてくれるセンサーがあったり、体育館では壁にクッションがついているなど、ここには書ききれないほど様々な工夫が施されていました。

最後に、この見学を通して今までは気がつかなかった、視覚障がいの方々の不便と感じたり危険と感じたりする点が、どんなところなのかを学ぶことができました。学んだことを今後のサポートできちんと活かしていきたいと思います。

(文:津田 優里香)

見学の様子

シャッター式のロッカー

シャッター式のロッカー。上に持ち上げて開けるタイプのものです。

ライトセンター前記念写真

学生スタッフが制作しました!

バリアフリー推進室では、今年度から視覚障がい学生が入学したことを受け、授業間の移動サポートやテキストデータ化などの他、学生スタッフでできることを行い校内のバリアフリー化に努めています。その一環として、指定席シールと点字ブロック上への駐停車禁止のポスターを制作しました。

指定席シールは、教室の出入りがしやすい席に貼り、障がいのある学生が授業時に利用することを伝えるものです。可愛らしいデザインを意識することで他の学生にとっても気持ちよく授業が受けられるように工夫しました。

ポスターは、点字ブロック上に車を停めることが多くあったため、視覚障がい学生がより安全に歩行できるよう作成しました。車での来校者は学生以外の方が多いため、シンプルかつ目を引くデザインと色遣いを目指しました。点字ブロックは歩道の中でも特に歩きやすい位置に設置されています。校内の利用者が配慮をし合うことで、障がいの有無に関わらず安全に通行できるようになることを伝えたいという気持ちを込めて作成しました。

障がいのある学生への支援としてだけでなく、学内の全ての人が快適に過ごせるようにすることを目標に、これからも活動していきたいです。

(文:平山 真由子)

指定席イラスト

駐停車禁止イラスト

いかがでしたでしょうか?バリフリはこれからもさらにパワーアップしつつ支援や活動をしっかり続けていきたいと思っています。次回のバリフリ通信もお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.21 2017年度
  1. PEPNet-Japanシンポジウムに参加して
  2.  Ferris Festival 2017 校内サポート
  3. アドヴェント夕礼拝 聖書手話朗読

Vol.21

バリアフリー通信 vol.21 2017年度

2017年度後期の活動報告

みなさん、こんにちは!暑かった夏も終わり、寒い日々が続いています。バリフリはこの秋から冬にかけて様々な活動を行いました。毎年クリスマスの時期になると、バリフリの3年生メンバーは引退し、世代交代をします。今年もこの世代交代の時期がやってきました。頼りになる先輩がいなくなってしまう寂しさと、初々しかった後輩がいつの間にか成長していることに喜びを感じる季節です。そんなバリフリメンバーの2017年度後期の活動報告をぜひご覧ください!

PEPNet-Japanシンポジウムに参加して

10月28日、29日に札幌学院大学にて開催された第13回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに参加しました。このシンポジウムを通して感じたことは大きく3つあります。
1つ目は支援を必要とする学生が多いことです。他大学の取組みを聞き、同年代にこれほど支援を必要としている人がいることを知りました。またサポートするスタッフも多く、フェリスと同規模の大学でもたくさんのサポートスタッフがいることに驚きました。充実した支援を行うためには、支援をする側の学生の確保や養成が必要だと感じました。

2つ目は、手話通訳とパソコンテイクについてです。今回のシンポジウムで初めてプロの手話通訳とパソコンテイクを見ました。手話を使う方は表情がとても豊かだなと感じました。またパソコンテイクの素早さと正確さに驚きました。話している内容とほとんどずれることなく表示されていて、私はまだまだスピードも正確さも足りないなと改めて感じました。実践事例コンテストで発表していた大学では、タイピングコンテストのようなものを実施していて、楽しみながら個人のスキルアップを目指しているというお話を聞き、そのような取り組みは面白いなと思いました。私は大学に入学するまではほとんどパソコンを使用したことがなく、いつもテイク練習のあと、うまくできなかったと申し訳なさを感じてしまうため、まずは自宅で個人練習をきちんとしてこうと改めて思いました。そしてもう一つ、今回、聴導犬を初めてみました。盲導犬は何度か街中で見たことがありますが、聴導犬は初めてでした。日本聴導犬協会のホームページによると2016年3月の時点で日本の聴導犬は65頭前後のようでまだまだ数が少ないようです。そのような貴重な聴導犬を見ることができて嬉しかったです。

最後に私が特に印象に残っていることは、分科会での「平等は公平・公正とイコールではない」というお話でした。支援はそれぞれに同じものが提供されるのではなく、本質(目的)を見ることが大切だとおっしゃっていました。私は大学生になり、バリアフリー推進室のスタッフになりましたが、それまでは支援などもしたことがなく、支援について無知でした。この講演を聞いて、今、自分が何のために活動しているのかをようやく気づくことができました。障がいのある方が、ただ授業に出るだけでなく、きちんと授業内容を理解して、他の学生と同じように講義を受けることができることの大切さを知りました。現在、フェリスには支援を必要とする学生はいませんが、もしこれから必要とする学生が入学した際、正直今の自分ではきちんとサポートできるのか、不安に思うこともあります。しかし、今回のシンポジウムに参加したことで、同年代の聴覚障がいの方を身近に感じ、刺激をたくさん受けました。私にとってこれからのバリフリの活動をさらに頑張りたいと思えるきっかけにもなりました。

(文:伊丹 茉雪)

Ferris Festival 2017校内サポート

今年の大学祭は私にとって初めての大学祭でしたが、バリアフリー推進室のメンバー全員で様々な計画を立て、また打ち合わせを重ねて臨んだこともあり、とても楽しく学ぶことの多い2日間となりました。今回は、私達が大学祭当日に行ったこと、そしてそれを行うにあたっての事前準備についてご紹介させて頂きたいと思います。はじめに、私達バリアフリー推進室では、大学祭にお越し下さった、車イスユーザー、ベビーカーユーザー、視覚障がいの方、その他の誘導サポートを2日間にわたって行って参りました。安全にそして的確なサポートができるよう、様々な場面を想定した誘導サポートを繰り返しメンバー全員で確認してきたこともあってか、当日は協力し合いスムーズにお手伝いすることができたのではないかと感じています。サポートをさせて頂く度に、ご来場下さった皆様から、「ありがとう!」「助かります!」と声をかけて頂きこの2日間、心があたたかくなるような、素敵な時間を過ごすことができました。

また私達はこの日のためにバリアフリーマップを作成しました。夏休みを利用し、実際に車イスを用いて、不便なところがないか、どこのルートを使うと目的の場所に行きやすいかなど調査をしたマップになります。このマップは大学祭用に学外の方がわかりやすいように作成したマップで、大学祭当日は、様々な方が受け取って下さり「素敵なマップね!」と言って頂けたことがとっても嬉しかったので印象に残っています。2日間の大学祭では、普段私達の行っていた活動が誰かの役に立てていると実感できるものとなりました。これからもこの気持ちを忘れず活動に励みたいです。

(文:S.G)

移動サポート講習の様子

大学祭前に実施した移動サポート講習の様子。
実際に車イスに乗って校内を周りました。

マップ配布の様子

紺のパーカーを着て、お客さんにバリアフリーマップを手渡ししました。

横断幕設置の様子

エレベーター利用ができますといった大きな横断幕も新たに作成しました。

アドヴェント夕礼拝 聖書手話朗読

バリフリでは「ランチタイム手話勉強会」を、週一回お昼休みに開催しています。簡単な日常表現を中心に、気軽に手話に触れられる会です。この勉強会の成果を発揮できたのが、12月4日(月)に行われた、アドヴェント夕礼拝です。この礼拝は毎年クリスマスの4週間前、アドヴェント(待降節)のはじまりに行われます。今年も、バリフリスタッフ&ランチタイム手話勉強会メンバーで、聖書手話朗読にチャレンジしました。

今年は礼拝のはじめに、招きのことばとして旧約聖書のイザヤ書60章1~2節を手話朗読しました。

私たちが毎週学んでいる日常会話とは異なり、聖書に書かれていることばは難しく、手話表現も独特です。練習をする時も、「これはどういう意味だろう?」と考えながら手話表現を覚えていきました。手話を用いて聖書を表現することはキリスト教の信仰に基づく、フェリスならではの機会だと思います。おかげさまで、今年も無事に大きな役目を終えられました。初めて手話朗読に参加する学生ばかりでしたが、ランチタイム手話勉強会で基礎が固められて、抽象的な聖書のことばも視覚的にわかりやすく表せられたと思います。これからも手話の勉強を続けて、さらに表現を磨いていきたいです。

(文:小川 南)

手話の様子

バリフリお揃いのパーカーを着て1人ずつ丁寧に手話で表現しました。

チャペル外のツリー

終了後にはチャペル外のツリーが点灯されました。

いかがでしたでしょうか?後期の活動が終わると、試験や春休みに入りますが、2018年度に向けてバリフリもさらにパワーアップしていきたいと思います。次回のバリフリ通信もお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.20 2017年度
  1. 外部出張テイク
  2. 手話交流会
  3. 合同合宿
  4. 緑園キャンパス新バリアフリーマップ

Vol.20

バリアフリー通信 vol.20 2017年度

バリフリ今年の夏も頑張りました!

みなさん、こんにちは!バリフリ通信も今回で20回目となりました。記念すべき20回目は2017年度の夏休みの活動を紹介します。今年の夏も暑い中、たくさんの活動を行い、たくさんの得るものがありました。ぜひご覧ください!

外部出張テイク

私たちは、8月5日に開発教育協会DEAR主催の「第35回開発教育全国研究集会」で、パソコンテイクによる情報保障を行ないました。昨年の経験を生かし、約1ヶ月前からの練習では、発話者のタイミングとほぼ同時に文字が表示されるようにスピード(短文)を意識したり、テイクを行うペアとの連携を強化させるために本番と近い環境を想定し、登壇者の動画サイトを使った練習などをして取り組んできました。

当日は、聴覚障がいの方が一人とその他大勢の方が会場にいました。皆さんパソコンテイクは見慣れないものだったようで、発話者も私たちとうまく連携できるようゆっくり話してくれるなど工夫をしてくださいましたが、なかなか厳しい面もありました。途中で話す速度が早くなってしまったり、私たちも誤字脱字が目立ち、訂正するのがやっとの事でなかなか綺麗な文章を表示できなかったりしました。聴覚障がいの方にテイクの感想をお聞きしたのですが、「前回よりは改善されたがまだまだ文字の出るタイミングが遅く、周りと時差を感じてしまうので話の流れに付いていけない」と話してくださいました。私たちの課題は、無駄な動きをせず連携を強化していくことだと思います。さらには、情報保障の存在や聴覚障がいの方に寄り添った配慮を、テイクを行う側だけでなく、より多くの方に知っていただくことが大切だと思いました。そのため、フェリスには現在テイクを必要としている学生は在学していませんが、キリスト教講演会や式典があれば活動の場を設けさせていただいているので、テイクの役割・意味を含めた周知活動ができたらいいと考えました。また、今回のように聴覚障がいの方から実際に感想を聞くことはとても貴重なことなので、行なっている側からはわからない、客観的な意見が本当の情報保障の意味に繋がってくることから、フェリス生にもテイクを見たアンケートが取れたらいいなと考えることもできました。今後もより向上していけるよう頑張っていきたいと思います。

(文:鈴木 珠友)

休憩中の笑顔の一コマ

休憩中の笑顔の一コマ。本番が始まると表情も切り替わります。

手話交流会

8月25日に手話交流会が開催されました。バリアフリー推進室では週に1回「ランチタイム手話勉強会」が行なわれています。4月からこの勉強会に参加している私にとって、「手話交流会」は初の実践の場となりました。交流会はフェリス女学院大学の食堂で横浜市役所の手話サークルの方と他大学の学生合計19名で行ないました。

交流会はまず1グループ4人に分かれて手話と筆談で自己紹介をしました。つぎに「サイレントゲーム」をしました。このゲームは2人1組になり、一方が出題者もう一方が回答者となって行います。回答者の手元には色や形の違う積み木やオモチャの車があり、出題者の手元にはそれらが並べてあるお題となる図があります。ゲームのルールは1つ。言葉を発することと手話を使用することはNG。出題者はジェスチャーだけでお題の図を回答者に正確に伝えなくてはいけません。そして回答者はそのジェスチャーだけで、図の通りに完成させます。このゲーム、一見簡単そうですが実際にやると本当に難しいです!答え合わせの時間になるとチームによって歓喜や驚嘆の声が上がり、盛り上がりました。子どもから大人まで楽しめる面白いゲームなのでまた機会があればやりたいです。最後はご飯を食べながらみんなで自由に楽しくお話しをしました。

この交流会を終えて、もっと手話を勉強したい!と強く思いました。自己紹介が伝わった時、覚えたての手話が伝わった時は嬉しかったです。しかし、まだ分からない、知らない手話が多いので、もどかしい思いもしました。「手話はコミュニケーション手段であり独立した言語である。」とよく耳にしますがそれを今回実感しました。手話は語学と同じように一朝一夕では覚えられないため、繰り返し長く続ける必要があり、覚えるだけでなくそれを使うことも大切なのだと思いました。これからバリフリスタッフとして活動していく上で、良い経験ができました。参加してくださった皆様、交流会を指揮してくださった市役所の手話サークルの方々、ありがとうございました!

(文:林垣 菜美)

サイレントゲーム中の様子

サイレントゲーム中。身振り手振りで必死に伝えようとしています。

乾杯の様子

19名みんなで乾杯!

集合写真

多くの方にご参加いただきありがとうございました!

合同合宿

9月11日・12日の2日間、私たちフェリスのバリアフリー推進室の学生スタッフ6名と鶴見大学情報バリアフリー推進会の学生10名で、三浦海岸にあるマホロバマインズにて合同合宿を行いました。

1日目はお互いの活動紹介とパソコンテイク練習、フェリスからコミュニケーション支援・会話の見える化アプリUDトークの紹介をしました。パソコンテイク練習では、鶴見大学のテイク方法と私たちの方法の相違点を見つけ、他の選択肢があること、効率的にパソコンテイクを行う方法を考え直すいい機会になり、新しい発見が多々ありました。例えば、交代の際にフェリスの場合はタイムを計って知らせるタイムキーパーがいるのに対し、鶴見大学の場合はパソコンでタイマーを設定し、赤くチカチカと光るのを目印に交代していること。またフェリスは話者の言葉をなるべく全てをテイクするのに対し、鶴見大学は要約し必要な情報をテイクしていることです。これらはそれぞれの大学の伝統だったり、やり易い方法だったりするのでどちらが正しいとは言えませんが、今回自分たちのパソコンテイクを客観視することで改善点などが見えたと思います。UDトークの紹介では今年度からフェリスに導入した、音声認識技術を使うことにより、リアルタイムで字幕を作成できるアプリであること、プロジェクターに映し出すことができるため講演会などでも使える点などを発表し、実際に鶴見大学の学生にも利用していただきました。他の言語でも使える点や健常者にとっても便利な点に鶴見大学の学生たちも驚きの声を上げていました。

2日目は鶴見大学側からデジタル版バリアフリーマップ作成ワークショップをしていただきました。Googleマップを使って任意の場所にマーカーを打ち、場所と場所を線で結ぶということを体験しました。また、その応用として最寄駅から緑園キャンパスや山手キャンパスまでの健常者経路と車椅子利用者経路を色分けして線で結んだり、それぞれの場所にリンクを貼るということもやってみました。バリアフリー推進室では配布用の大学案内のマップを作成することもあるので、今回のワークショップで学んだことを今後最大限に活用していきたいと思います。今回の合宿は私たちにとって新しい知識を得る大変有意義な時間であり、また楽しい体験でもありました。

(文:R.O)

活動紹介中の様子

お互いの大学の活動紹介中。参加者全員真剣な表情です。

鶴見大学のみなさんと集合写真

鶴見大学のみなさんと集合写真

夕飯の写真

夕飯も豪華!三浦ならではの食事でした!

緑園キャンパス新バリアフリーマップ

緑園キャンパスのバリアフリーマップが完成しました!バリアフリーマップはフェリス女学院大学緑園キャンパスの各建物のドア幅や種類など、車イスで移動する際に必要な情報や、AEDと多目的トイレ、保健室の位置などを示したマップです。エレベーターやAEDなどはカラーイラスト化してわかりやすく表示しています。

特に力を入れたところはエレベーターや教室のドア幅の表示方法です。車イスで通ることのできる幅(約90cm)を青、幅が狭いところ(約80cm)を赤と設定し、マップに色をつけて示しています。手続きや履修相談などで利用することの多い総務課や学生課、教務課がある1号館、今年改装されたCLA棟の国際交流ラウンジや国際センター資料コーナー、丸善がある4号館、音楽学部の授業が行われる5号館など各建物のエレベーターやドアにそれぞれの色がついています。他にもグリーンホールがある8号館、キダ―ホールや図書館、グラウンドなど緑園キャンパスにある建物の各階のエレベーターやドアにも色分けをしています。ドア幅の測定は夏季休暇中にバリアフリー推進室の学生スタッフが実際に車イスで緑園キャンパスを移動し、ひとつひとつのエレベーターやドアを測定しました!集めた情報を学生スタッフがパソコンを使い打ち込み、マップの編集をしています。車イスで移動する際の参考になるように、スロープの位置や各建物で異なるドアやエレベーターの幅と、教室のドアはドアノブ付きであるかスライド式であるか明記しております。

マップはCLA棟2階バリアフリー推進室の前に設置予定です。昨年完成した山手キャンパスのバリアフリーマップもございますので、ぜひご利用ください。(配布は学内のみです。ご入用の方はお問い合わせください。)緑園都市の豊かな自然に囲まれたキャンパスとチャペル、校内に咲く鮮やかなアンネのバラを掲載した表紙にも注目です!

(文:池 茉莉)

エレベーター計測の様子

メジャーでエレベーターの幅を計測しています。

車いす移動の様子

夏の暑い中、キャンパスを車イスで周りました。

バリアフリーマップの表紙

完成したバリアフリーマップの表紙です!

いかがでしたでしょうか?2017年度も残り半分、これからもバリフリの活動は続いていきます。今後もバリフリをどうぞよろしくお願いいたします!

バリアフリー通信 Vol.19 2017年度
  1. 神奈川県中途失聴・難聴者協会講演会見学
  2. 第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会スタッフ
  3. キリスト教講演会スクリーンテイク

Vol.19

バリアフリー通信 vol.19 2017年度

2017年度前期の活動報告

夏も終わり2017年度後期が始まりました。2017年度に入り、入学式スクリーンテイク、新入生勧誘、キリスト教講演会スクリーンテイクなどバリフリは例年通り様々な活動を行っています。今回は前期の活動の中から、3つの活動を報告させていただきます。ぜひご覧ください!

神奈川県中途失聴・難聴者協会講演会見学

6月4日、神奈川県中途失聴・難聴者協会※の講演会を見学させていただきました。この講演会では、3名の方が、幼い頃や学生時代から現在に至るまでのご自身の体験を話されました。

登壇された方々は、年齢も、聴力も、聞こえづらくなった時期もさまざまでしたが、共通して10代や20代の時に、聴覚障がいがあるがゆえの悩みを感じたことがあったそうです。友達に気を使ってしまう、授業についていけない、必要な情報を得にくい...。それは単に「聞こえづらさ」だけから生まれるものではなく、見た目だけでは判りにくい障がいであること、難聴者・中途失聴者はろう者でもなく聴者でもないことなども関係しているようでした。会場では、参加者の方々が発表者のお話にうなずいている姿がたくさん見られ、とても印象的でした。

講演会では、参加者向けに情報保障が提供され、会場前方のスクリーンに、パソコンによる要約筆記が映し出されていました。さすがはプロの要約筆記、大変分かりやすく読みやすかったです。またその横では、手話通訳が行われていました。私はバリフリの手話勉強会にも参加していますが、通訳の方々の手話表現はぜひ参考にしたいと思うものばかりでした。そして登壇者のマイクから、補聴器にマイクの音だけが届けられるヒアリング(磁気)ループシステムも用意されていました。この講演会場には(磁気)ループシステムが常設されているそうです。

今回は当事者の方々から直接お話を伺えて、良い経験となったと思います。神奈川県中途失聴・難聴者協会の皆さんありがとうございました。

※神奈川県中途失聴・難聴者協会について http://jinnan.s500.xrea.com/

(文:小川 南)

第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会スタッフ

6月3日~4日に鶴見大学からお声掛けをいただき、第26回視覚障害リハビリテーション研究発表大会のスタッフとしてお手伝いをさせていただきました。大会会場と駅の間にスタッフが立ち、道案内や視覚障がいの方の誘導等を行いました。私にとってはバリアフリー推進室スタッフとして初めての学外活動でした。

今回、視覚障がいの方の誘導に関する指導を受けることができるということで参加したいと思ったのですが、それにはある理由があります。私が登下校時に使用する駅では、白杖を持った方を見かけることがあります。その駅は改札口の近くに大きな柱が数本立っているため、その方がすれ違う人とぶつかったり、ひどい時には口論に巻き込まれたり、といったトラブルを見かけることが多くありました。そのため、白杖を持った方が困っている時にどうすればいいのか少しでも勉強ができたらと思ったのです。

大会一週間前には、歩行訓練士の方から誘導方法のトレーニングを受けました。視覚障がいのある方に関する説明を受けた上で、二人一組になって一人がアイマスクをし、もう一人が誘導するという形で歩行の練習を行いました。トレーニングでは、階段や段差は直前になってから存在を伝えること(逆に戸惑わせてしまうため)、腕に掴まってもらっている状態で手すりをつかんで欲しい時はその腕の方の手で手すりの場所を伝える、狭い道で一列になるときの手の動かし方など、指導を受ける前では確実に気づかなかった気配りを沢山学ぶことができました。

当日は私の担当した場所が駅と会場の中間地点だったこともあり、道案内がメインでした。付き添いのいらっしゃる参加者の方も多く、誘導をすることはほとんどありませんでしたが、誘導方法を知っているのと知らないのとでは、視覚障がいのある方に接する時の気持ちが随分違うように感じました。この大会スタッフに参加した後、登下校時に使用する駅でのトラブルはまだ見ていませんが、電車やバスに乗る時や外で歩いている時などに、白杖の方によく気が付くようになったように思います。また、別の駅でのことですが、視覚障害のある方の切符を買うお手伝いをすることがありました。以前なら声をかけることもできなかったので、できることが増えて嬉しく思います。これからもバリアフリー推進室の活動を通して、私ができることを見つけていきたいです。

(文:平山 真由子)

鶴見大学のみなさんと集合写真

鶴見大学のみなさんと集合写真

キリスト教講演会スクリーンテイク

7月4日に、フェリス女学院大学で毎年行われるキリスト教講演会があり、バリアフリー推進室のスタッフは、スクリーンテイク(講演内容をパソコンで打ち、スクリーンに投影する情報保障)を行いました。講演を聴く方に、より分かりやすく講演を聴いていただくためです。

4月下旬頃から、私を含め新スタッフの1年生と先輩方とでパソコンテイクの練習を始めました。私はパソコンを一人で打つこともままならない状態でのスタートでしたので、この約2か月半は戸惑いの連続でした。聞き取り切れずに打てないことはもちろん、タイプミスや変換ミスも連発させてばかりでした。またそれ以上に、ペアとの連携が大切だということを痛感する日々でした。ペアの打つタイミング、速度を知って、自分がどのように打っているのかも知り、それらを合わせて一つの文章にしなければなりません。その点においても私は、ペアと同じ部分を打ってしまったり、ペアが先に言葉をスクリーンに上げるところを、自分が先走って上げてしまったりしていました。

本番は初めてということもあり、とても焦ってしまいました。講演ですので原稿通りに朗読されるわけではありません。講演する方が付け加えて話された言葉も、取りこぼさず打つ必要があります。それもなかなか上手くできず難しかったです。またペアの交代※をする場面がありますが、その交代時も、打ち込んでいる文章の区切りが上手くできなかったため次回の課題となりました。今後さらに練習を重ねていきたいです。

本番ならではの空気感を知ることができたことはよい経験になりました。特に、見せる相手がいる、ということを実感できたことが一番大きな収穫でした。大きなスクリーンに自分の打つ言葉が映し出されたのを見て、自分の打つ言葉への責任感やこの活動をしていることの重さを感じました。これからもバリアフリー推進室では様々な活動をしていきますが、私は常に「誰かのために活動する」という気持ちを忘れずに取り組んでいきたいと思います。

※バリフリでは情報保障の質を保つために2人~3人一組のペアを組み、5分ずつ交代で打ち込んでいます。

(文:S.T)

スクリーンテイクの様子

新スタッフはこの日がスクリーンテイクデビューでした

学長との記念撮影

講演終了後、学長との記念撮影

いかがでしたでしょうか?次回は夏休みの活動報告を予定しています。
夏のバリフリもお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.18 2017年度
  1. 鶴見大学との日本点字図書館の見学
  2. 学生スタッフ勉強会

Vol.18

バリアフリー通信 vol.18 2017年度

バリフリの春休み

みなさんこんにちは。バリアフリー推進室(バリフリ)です。2017年度が始まり、バリフリにも新たな仲間が加わりました。今年度もたくさんの活動をしていきたいと思います。今回のバリフリ通信vol.18では春休みの活動を紹介させていただきます。ぜひご覧ください!

鶴見大学との日本点字図書館の見学

3月8日、高田馬場にある日本点字図書館(以下、日点)への見学会を行いました。今回の見学会も、いつもお世話になっている鶴見大学情報バリアフリー推進会のみなさんと一緒です。

当日は、日点の職員の方にガイドしていただきながら、館内を巡りました。日点は国や自治体の施設ではなく、民間の社会福祉施設です。その起源は、故本間一夫氏が個人で創立した「日本盲人図書館」だそうです。利用にあたって料金はかからず、郵送による貸し出しも行っているため、全国から利用可能です。

日点では、点字図書だけではなく、デイジーという国際規格に基づいた録音図書も所蔵しています。私たちは、録音に使われているスタジオや、貸出用のCDに音声データのダビングを行っている現場を見学しました。職員の方によると、録音図書はすぐに図書資料ができるわけではなく、対象となる本の選定から完成まで数か月かかるようです。これは、一つの図書資料に対して、原則一人の朗読ボランティアの方が録音を担当されること、音源化する本の選定に時間がかかることなどから、完成に時間を要してしまうとのことでした。

今回は特別に、日点の地下書庫も見学させていただきました。書庫内には、大学の図書館と同じように、可動式の書棚がずらりと並んでいました。同じタイトルの本でも、一般の本では1冊にまとめられているのに対して、点字の本では図書資料が何冊にも分かれて膨大なページになることがあります。特に目を引いたのは、点字版英和"小辞典"で、館内に置かれた本棚を丸々一つ埋め尽くしていました!

見学会を終えて、「何かを知ること・学ぶこと・楽しむこと、それを誰もができること」について、改めて考えさせられました。これはバリフリの活動目的と共通しているため、今後のサポートにも何か活かせるのではと思います。最後になりますが、ご協力いただいた日本点字図書館職員の方々、ならびに鶴見大学情報バリアフリー推進会のみなさん、どうもありがとうございました。

(文:小川 南)

ハリーポッターの点字版

ハリーポッターの点字版です。

鶴見大学のみなさんと記念写真

日本点字図書館前で
鶴見大学のみなさんと記念写真!

学生スタッフ勉強会

3月15日よりバリフリ学生スタッフ勉強会を行いました。今回は3日間にわたって開催し、この日は初日でした。初日にはバリフリの歴史や「障害者差別解消法」について学び、フェリス女学院大学の卒業生である車椅子ユーザーの高橋さんにお越し頂き、お話を伺いました。

私は、車椅子を利用している方が、どのような障がいをかかえている方なのか、またどのような生活を送っているのかなど、あまり知識がありませんでした。高橋さんの日常生活で困ったことなどのお話を伺う中で、もっと私達に出来ることがあるのではないかと感じました。また、車椅子を利用する方は必ずしも全く歩くことができないというわけではないことも知りました。自分でできることは自分で行いたいという前向きな姿勢を尊重するためにも、まずは私達が車椅子を利用している方々について理解を深めることが大切だと考えました。

お話を伺う中で特に印象に残ったことは多目的トイレについてです。駅など、最近は様々なところで見かける多目的トイレは、広く使いやすいことが特徴です。そのため、着替えをしたり、荷物を置いてお化粧をしたりしやすい場所です。しかし、高橋さんは本当に利用したい時にこのような場面に遭遇し利用できず困ったことがたくさんあると仰っていました。多目的トイレには、本当に必要としている方がいます。それを心から実感するとともに、すべての方が快適に過ごせるように日頃から知識を持っておく必要があると思いました。

私は、今回のお話を踏まえ、これから様々な方と関わる中で困っている方には手を差し伸べられる存在でありたいと思いました。そして、お話をしてくださった高橋さんの前向きな姿勢に、私も自分に出来ることは挑戦してみようという気持ちになりました。フェリス女学院大学に素敵な卒業生がいらっしゃることを誇りに思います。

(文:S.G)

勉強会の様子

お話をお聞きし、質問もたくさん
させていただきました。

高橋さんと記念撮影

高橋さん貴重なお時間を
ありがとうございました!

3月23日バリフリ学生スタッフ勉強会2日目では視覚障がいについて学び、移動サポートやクロックポジション(※)などの体験をしました。そして卒業生の畝本さんの「視力0.03の私が見る世界」の講演を聞きました。

人はものの情報の8~9割を、視覚から得ているとされています。つまり、私たちはほとんど視覚に頼って、ものを識別しています。そんな中、畝本さんは他人にできることが自分にはできないという悩みがあったそうです。差別や排除があった中、それでも「みんなと一緒がいい」という思いで過ごしてきたそうです。さらに、付添人と空港などに行くと、畝本さんではなく、付添人に何か配慮することはあるかと訊かれた経験があるとおっしゃっていました。その時、畝本さんは見えている人と同じように自分を扱ってほしいと思ったそうです。国連障害者権利条約締結時のスローガン「Nothing about us without us」のように私のことは私が決めたいという言葉が印象的でした。このお話を聞いて、周囲が配慮をしているつもりでも、本人は腫物のように扱われている気分になることもあり、配慮をする際は、まず本人と向き合うことが重要だと感じました。

アメリカやカンボジアへ行き様々な人種や障がいのある人と暮らす経験もされ、そういった経験から「人と比べなくてもいいこと」「自分は自分でいい」と考えるようになったそうです。また開発途上国の勉強をしたいとバングラデシュでも障害当事者団体として活動されています。こういった経験から「みんなと違ってもいい。違うからこそできることがある」と前向きに過ごされています。

今回の畝本さんのお話を聞いて見える見えない、聴こえる聴こえないに関わらず、全員が同じ立ち位置で社会の中で暮らしていくには、何が必要か考えることを忘れてはいけないと感じました。

※視覚障がいの方に対して、物の位置を時計の短針に例えて伝える方法。「3時の方向に○○があります」など。

(文 池 茉莉)

講演の様子

講演には学生スタッフだけでなく
先生や職員の方々にも参加いただきました。

畝本さんと記念写真

畝本さん素敵なお話を
ありがとうございました!

3月27日はバリフリ学生スタッフ勉強会最終日でした。当事者の体験も踏まえた、聴覚障がいについて学び、全3回の振り返りをしました。

聴覚障がいには大きく分けて、ろう者・難聴者・中途失聴者の3種類あることがわかりました。どのように音が聞きづらいのか、いつ症状が出たのかによって分類されます。聴覚障がいの方が聞き取りを補助する機器は様々で、補聴器にも種類があり、人工内耳や補聴援助システムを利用していることも学びました。また、聴力レベルをデシベルという単位で表すことと、そのデシベル値が障がい者手帳をもらえるかどうかの基準になっていると初めて知りました。

以上のことや今までの勉強会を踏まえて、障がい者の方々だけが努力するのではなく、健常者、障がい者の括りがない、全ての人の意識による環境づくりが必要です。よって私たちバリフリスタッフはその意識づくりも含めて「バリアフリー=誰もが過ごしやすい環境」社会を作っていく必要があると話し合いました。

現在行っている活動は、パソコンテイク(文字通訳)・ランチタイム手話勉強会・バリフリキャンパスマップ制作・文字の白黒反転作業・ヘルプマーク啓発運動です。どれも、「全ての人が快適に過ごせるための環境づくり」です。「私には関係がない」と思うのではなく、まずは少しでも多くのフェリス生が自分自身のこと・相手のことを考えられるよう「For Others」の共生が広まることを願って活動していきたいと思います。

(文:鈴木 珠友)

いかがでしたでしょうか?バリフリの春休みはたくさん勉強し、学生スタッフ一人ひとりが様々なことを感じる機会になりました。今後の活動に活かせるようスタッフ一同2017年度も精進してまいりたいと思います。次回のバリフリ通信もどうぞお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.17 2016年度
  1. アドヴェント夕礼拝聖書手話朗読
  2. クリスマス礼拝スクリーンテイク

Vol.17

バリアフリー通信 vol.17 2016年度

クリスマスにバリフリがやって来た!?

2017年になりました。今年もどうぞよろしくお願いいたします。バリフリは昨年12月15日より公式Facebookを開設しました。日々の様子やバリフリ通信の更新情報などをお知らせしています。

アカウント名:フェリス女学院大学 バリアフリー推進室
https://www.facebook.com/FerrisBarrierfree
こちらもご覧いただけると嬉しいです。

今回のバリフリ通信vol.17はクリスマス特集です。昨年のクリスマスシーズンもバリフリは大活躍しました。学生からの報告をぜひご覧ください!

アドヴェント夕礼拝聖書手話朗読

バリフリでは週一回「ランチタイム手話勉強会」を開催しています。指文字や季節の手話などを楽しく学んでいます。実は、私が初めてバリフリを訪ねたきっかけはこの手話勉強会でした。「少しでも多くの方に対して発信する力を身に付け、コミュニケーションを図れるようになりたい!」と思い参加するようになりました。初めは一人で手話を学びに行って大丈夫かととても不安でしたが、皆さん温かく迎え入れてくださり、今では毎週勉強するのが楽しみです。誰でも気軽に参加できる笑いが絶えない手話会なので、ご興味のある方は是非いらしてください。

毎週コツコツ楽しく学んでいる成果を発揮できたのが、昨年11月28日に開催されたアドヴェント夕礼拝※における手話の聖書朗読でした。フェリスにとって大切な宗教行事に、手話で関わることができ光栄でした。聖書を理解し、自分の手の動きとリンクさせながら思いを込めて行い、とても良い経験になりました。今後も手話を通して、コミュニケーションの幅を広げ、バリアフリーに繋がる力になれたらと思っています。

(文:鈴木 珠友)

私は一昨年からバリアフリー推進室で手話を始め、それから毎週勉強会に参加していましたが、これまで手話でのバリアフリー活動は特に行っていませんでした。今回アドヴェント夕礼拝で聖書朗読という形で手話をする場が持てたことは、とても良い刺激となりました。何より、宗教ならではの手話表現をすることが新鮮でした。それぞれが忙しい中、こまめな練習や確認をして本番を迎え、当日は朗読をする人と手話をする人に別れて4人で手話朗読を行いました。初めて人前で行う手話は緊張で少し表現が固くなってしまい、悔しいところもありましたが、こういった活動をもとにメンバー皆のスキルを上げて、バリアフリー推進室のサポート領域を広げていけたらと思います。

(文:手島 吏絵)

※アドヴェント夕礼拝の詳細はこちらをご覧ください。

朗読の様子

招きのことば イザヤ書 11章1節以下を手話で朗読しました。

クリスマス礼拝スクリーンテイク

本学では、毎年クリスマスの時期になると、クリスマス礼拝が山手キャンパスのフェリスホールで行われます。今年度は2016年12月14日でした。聖歌隊の素敵な歌声と共に祈りの時を持ちます。私たちバリアフリー推進室の学生スタッフも、この礼拝に、スクリーンテイク(音声をパソコンにテキスト入力し、それをスクリーン上に映し出す要約筆記)担当として参加しました。3年生はこの行事で引退のため、後輩へとバトンを受け渡す、集大成の行事でもあります。

今回の礼拝では、外部講師の方をお招きし、貴重なお話を伺うこともできました。テイク中は、聞き慣れない言葉がいくつかあり、スタッフ全員が最後まで集中し講師の方のお話しに耳を傾けていました。4月から今まで培ってきた技術や経験を思い出しながらテイクをし、その甲斐もあって、大きな失敗もなく終わることができました。終わった瞬間の、達成感と安堵感は今でも忘れられません。

今後の活動は、現1、2年生が中心となって行われます。これからも、フェリスのバリアフリー推進室をよろしくお願いします。

(文:E.S)

スクリーンテイクの様子

パソコンに向かって全神経を注いでいます。

3年生のみなさん

3年生のみなさんお疲れさまでした!

いかがでしたでしょうか? 2017年4月からはバリフリのお部屋がリニューアルします。次回のバリフリ通信では春の活動とともに新しいバリアフリー推進室をご紹介したいと思います。どうぞお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.16 2016年度
  1. 山手キャンパスバリアフリーマップを作成しました!
  2. FERRIS FESTIVAL 2016校内サポート

Vol.16

バリアフリー通信 vol.16 2016年度

食欲の秋、読書の秋、バリフリの秋

早いもので今年も終わろうとしています。バリフリにとっては活動がたくさんあり、走り続けてきた1年でした。今回のバリフリ通信では夏から秋にかけての活動を紹介します。ぜひご覧下さい!

山手キャンパスバリアフリーマップを作りました!

私たちバリアフリー推進室は普段は緑園キャンパスで活動をしていますが、山手キャンパスにもバリアフリーを広めていこうという学生スタッフの言葉から、山手キャンパスのバリアフリーマップをみんなで作成することになりました。

夏休みに入ってからそれぞれ役割分担をして、山手キャンパスへ向かいました。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、山手キャンパス周辺は坂がとても多いのです。実際に、車イスを押しながら坂道を登ったり降りたりを繰り返し、校舎と校舎の間の道で危険なところはないかなど、隈無く調査しました。調査した結果を後日データ化して、地図上に危険な場所やAEDの設置場所、保健室、多目的トイレの位置などを掲載し、誰でも安心して山手キャンパスに来ていただけるよう工夫しました。普段からパソコンを使って、情報保障活動を行っているのでパソコン操作には慣れていますが、バリアフリーマップをデータ化する際、どのようにしたらわかりやすくなるか悪戦苦闘しました。それでもスタッフみんなで協力し、バリアフリーマップを完成させることができました。協力してくださった方々にお礼の気持ちを込めて完成したバリアフリーマップを直接届けに行った際には、みなさんに喜んでいただけてとても嬉しかったです。

今後も、誰もが安心して大学生活を送れるよう、既存の活動だけでなく新たな活動もしていきたいと思っています。バリアフリー推進室の活動は、学生の言葉から始まります。これから入学する方も、バリアフリー推進活動に関してやってみたいことがあれば、ぜひお話を聞かせてください。すぐに実現できるかもしれません。一緒に活動できることを楽しみにしています。

(文:木村奈々子)

バリアフリーマップ表紙

(学内のみでの配布とさせていただいています。ご入用の方はお問い合わせください。)

FERRIS FESTIVAL 2016 校内サポート

11月5日、6日の2日間にわたりFERRIS FESTIVAL 2016が開催されました。実はこの大学祭の中で、私たちバリアフリー推進室(バリフリ)が、来場者の方を対象としたサポートを毎年行っていることはご存知でしょうか? バリフリの主な活動は、サポートを必要とする学生に向けたものです。しかし大学祭では車いすやベビーカー、視覚障がいのある方にもお楽しみいただけるよう、「バリアフリーマップの配布」、「階段や段差のないルートのご案内」を毎年行っています。今年の大学祭では、サポートをしているということが一目でわかるよう、横断幕を新たに用意しました。この横断幕のおかげで、昨年よりも来場者の方が気軽にバリフリスタッフに声を掛けてくださったように思います。また鶴見大学情報バリアフリー推進会の学生にもお手伝いに来ていただき、安定したサポート体制を組むことができました。緑園キャンパス構内は階段や坂が多い構造になっており、正門の目の前にも21段の階段があります。車いすやベビーカーで来場された方には、エレベータの場所や階段のないルートのご案内、お身体の不自由な方には車いすの貸出、また、車いすのタイヤの空気入れなど様々なサポートを行いました。

おかげさまで、今年の大学祭も無事に終えることができました。2日間、サポートをさせていただいた多くの来場者の方々が、笑顔で帰られていたことが、とても印象深かったです。「おかげで楽しめたよ」や、たくさんの「ありがとう」の言葉をいただき、私たちにとっても今後の活動の励みになりました!

来年も大学祭での校内サポートを引き続き実施する予定です。みなさまのご来場をお待ちしております。そして何かお困りのことがありましたら、ぜひバリフリスタッフまでお声掛けください。

(文:小川南)

校内サポートの様子

いかがでしたでしょうか?次回のバリフリ通信vol.17は年明けになりますがクリスマス特集を掲載予定です。どうぞお楽しみに!そしてみなさん良いお年をお迎えください!

バリアフリー通信 Vol.15 2016年度
  1. 外部出張テイク!
  2. 鶴見大学&フェリス女学院大学合同合宿
  3. 第12回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム参加

Vol.15

バリアフリー通信 vol.15 2016年度

バリフリ初めてづくしの夏休み

みなさん、こんにちは。今年の夏もとても暑かったですね。
バリフリは夏休みにさまざまな活動を行いました。
特に外部出張テイクと合同合宿は学生にとって初めての経験でした。普段見たり、聞いたり、感じたりすることのできない経験を、この夏、五感をたくさん使って得ることができました。それぞれの活動内容を紹介します。ぜひご覧ください!

外部出張テイク!

みなさん、夏休みの思い出はたくさん作れましたか?私たちはこの夏休み、たくさんの活動をしてきましたが、その一つとして、8月6日に開催された開発教育協会DEARが主催する「第34回開発教育全国研究集会」で、鶴見大学情報バリアフリー推進会と合同でパソコンテイクによる情報保障を行いました。この日のために1ヶ月前からYou Tubeなどを使い連携入力やタイピングの練習を行ってきました。

学外で行う初めてのパソコンテイクだったこともあり、普段とはまた違う緊張感で臨むことができました。そして、今回は聴覚障がいの方が実際にいらっしゃったため、私たちのテイクについて、改行の数や字の大きさ、文を上げる速度などアドバイスをいただくことができました。

現在、フェリスには授業等でパソコンテイクを実際に必要としている人はいません。しかし、この活動を続けることでいつか誰かの役に立てると考えています。バリアフリー活動に興味のある方、関わりたいと思っている方、ぜひ一度バリアフリー推進室に来てみてください!大きな理由は無くても大丈夫。みなさんも、私たちと一緒に誰かのために活動してみませんか?

(文:木村奈々子)

本番中の様子

本番中の様子。みんな集中しています!

終了後のひととき

終了後のひととき。お疲れさまでした!

鶴見大学&フェリス女学院大学合同合宿

9月13日から9月14日の2日間、鶴見大学情報バリアフリー推進会のみなさんとともに、初めての合同合宿を行いました。この合宿は、両大学のバリアフリーにかかわる学生の交流と障がいを持つ学生への支援のスキルアップを目的としたものです。フェリスの学生のみではできないトレーニングも行うことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。

同じような活動をしている団体でも、支援の仕方には多くの違いがあります。例えば、パソコンテイクでも連携入力する人数、誤字を訂正する人がいるかいないか、練習方法など、細かいところですが違いがありました。他の大学の同じような組織がどのような活動をしているか知ることは、今後私たちが行っていく支援の改善につながるものだと感じています。

練習の様子

パソコンテイク練習の様子

鶴見大学のみなさんと記念撮影

鶴見大学のみなさんと恒例の記念撮影

2日目には、座間市の「要約筆記と手話 ひまわり会」代表、PCかながわ事務局の戸田良江さんによる講演と手話講座が行われました。聴覚障がいを持つご家族と暮らしており、ご自身も中途難聴である戸田さんから「家のチャイムが聴こえないため、光で知らせるものを使用している」「あんまの振動を目覚まし代わりにしたり、雨戸を閉めずに太陽の光で起きたりしている」といったお話を伺い、私たちが想像できなかった聴覚障がいの方の実際の生活を知ることが出来ました。さらに、「道を歩いている時、後ろから自転車が来ても分からないので怖い」「声をかけられても聴こえないので無視されたと思われることが不安」といったお話からは、私たちが配慮することで解決できる聴覚障がいの方の不安もあるのではと感じました。

また、実際に手話を言語としている方から手話を学ぶことで、私たちが今後、日常で手話を使う場面を強く意識することができ、より集中して学ぶことができました。

(文:島崎結衣)

手話講座の様子

手話講座の様子

戸田さんと昼食

講演終了後、講師の戸田さんと昼食。
貴重なお時間をありがとうございました!

第12回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム

9月8日から9日にかけて、第12回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムが筑波技術大学にて開催されました。これは全国の大学の聴覚障がい学生支援における事例検討やワークショップなどを行う毎年恒例のシンポジウムです。私たちは一日目の「音声認識技術を活用した情報保障」と「軽度・中等度難聴および中途失聴学生への合理的配慮」のセミナーに参加しました。

音声認識技術というのは、人が発した言葉をコンピューターが認識し、文字に変換する技術です。現在、話題になっている音声認識技術が「UDトーク」です。(詳しくはホームページ  をご覧ください。)「音声認識技術を活用した情報保障」のセミナーに参加したことで、この技術が、日々進歩していることがわかりました。しかし、100%コンピューターが認識できるわけではなく、誤字脱字が表示され、意味が通じないこともあります。そういった場合は、修正者を介して訂正したり、リスピーク方式※で言い直しをして修正したりと、多少の補助は必要です。しかし、リアルタイムで字幕を作成できるメリットは大きく、アメリカではこのリスピーク方式が一般的となっており、情報保障の環境が整っている印象を受けました。情報保障を受ける側、支援する側だけでなく、その場にいる参加者の配慮があれば、さらに音声認識は有効に機能します。その配慮が、音声認識技術をはじめ、情報保障の環境においての肝だと感じます。周囲が情報保障に対して理解を深め、意識することができれば、その時が、情報保障が一般化したと言うことができるのではないかと感じました。
(※リスピーク方式とは話者の話を復唱し言い直しをすること。リスピークする人は専用のマイクを持っているため、音声がよりクリアになり文字の認識率があがる。)

「軽度・中等度難聴および中途失聴学生への合理的配慮」のセミナーでは、軽度・中等度難聴者の聴こえ具合への周囲の認識の低さが問題にあると学びました。少数での会話はできたとしても、広い教室や複数名でのミーティングになると、聴こえにくくなる。その事実がまだ多くの人に理解されていないことが現状です。軽度・中等度難聴者への理解、日常生活を送るにあたり、どんな困難があるかなどを知り、発信していくことがこれからの課題になるのではないかと感じました。

学内でサポートを行う場合には、軽度・中等度難聴の学生の聴こえ具合に応じて、耳の代わりとなる。何か不都合があれば何度も話し、意志の疎通を行う。そうすることで、彼らが支障なく学ぶことのできる環境が整うと思います。

(文:池茉莉)

シンポジウム記念写真

たくさんの情報を得た1日でした!

いかがでしたでしょうか?
夏休みが終わりましたが、バリアフリー推進室はまた新たなプロジェクトに向けて動いています。このバリフリ通信やフェリスブログで随時お知らせしますので、どうぞお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.14 2016年度
  1. パラリンピックとFor Others
  2. 山手キャンパスバリアフリー調査

Vol.14

バリアフリー通信 vol.14 2016年度

バリアフリーな大学を目指して

みなさんこんにちは。2016年度が始まりあっという間に8月も終わろうとしています。
今年度のバリフリは、新たな取組みをたくさん行っています。今回は2016年度前半の活動を少しだけ紹介します。
ぜひご覧ください!

パラリンピックとFor Others

フェリス女学院大学では今年度前期に総合課題科目(全学生が履修できる共通科目)で、国際交流学部和田教授が担当する「他者との共生:For Others~パラリンピックから見える他者~」という授業を開講しています。パラリンピック選手や東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の方々、義肢装具士などのゲストスピーカーによるコラボレート授業です。

4月22日(金)バリアフリー推進室学生スタッフは、和田教授からの依頼により、ゲストスピーカーをお招きするにあたって、事前に教室のドアや段差、広さ、多目的トイレの場所などを実際に車イスに乗って確認しました。これまでのバリフリの活動は、支援対象が学生であり、障がいのある学生が他の学生と同じように授業を受けたり、学生生活を送れるようキャンパスのバリアフリー化について考えてきました。今回のように、先生、ゲストスピーカーの方がバリアなく授業を進められるように整備するのは初めての経験で、いつもとは異なる視点での気づきが数多くありました。

例えば、教室によっては教卓に段差があるところもあります。そのため前列の机を端に寄せ車イスのゲストスピーカーの方が話しながら動き回れるように整備したり、ふだん、学生は使用しない講師控室の部屋へは車イスでも入れるかなどの調査もしました。また、実際に授業にも参加しました。

教室の様子

2016年はリオ・デ・ジャネイロでオリンピック・パラリンピックが開催されます。2020年には東京での開催が決まりました。パラリンピックとは障がい者スポーツのオリンピックのことで、1948年ロンドンオリンピックの開会式と同日に病院で行われたストークマンデビル競技会が起源とされています。語源はParaplegia(下半身マヒ)+Olympicとされていましたが、その後Parallel(平行)+Olympic「もう一つのオリンピック」と解釈されるようになりました。選手は聴覚障がいを除く身体障がい者と一部の知的障がい者が対象となります。パラリンピックも少しずつメディアで取り上げられるようになりましたが、まだまだオリンピックと同等ではないのも事実です。今回バリフリは、パラリンピック・スポーツという視点から、「障がい」「バリアフリー」を考える機会をいただきました。

私たちは障がいという言葉を聞いたり、障がいのある人を目の前にするとつい身構えてしまいます。どう接したらいいのだろうか、触れていいものなのか、などと考えてしまいます。しかし、それは相手を「障がいのある人」として見ているからではないでしょうか。障がいのある人の前に「ひとりの人」として接していくこと、それがバリアフリーへの一歩だと感じます。これは本学の教育理念であるFor Othersにもつながってきます。9月に開幕するパラリンピックでは、一人ひとりの選手がどんな物語を描き、どんな挑戦をしていくのか、選手たちの輝く姿とその裏にある環境や背景がどのようなものか、様々な視点を持ちながら応援していきたいと思います。

山手キャンパスバリアフリー調査

5月20日(金)山手キャンパスにてバリアフリー調査を行いました。この調査は、車椅子での移動ルート、エレベーター設置場所、段差等で危険な箇所など、ふだんあまり気にすることのない部分を中心に、学生スタッフ5名で行いました。

調査では、車椅子に実際に乗り、通行が可能か確認したり、通れない部分はメジャーで段差や幅を計測しました。また、階段の上り下りや坂道の移動がとても大変な場所もあり、実際に車椅子に乗ってみて体験することで、これまで気づかなかった部分に気づくことができました。

車イスでの調査

実際に車イスに乗って調査!

段差などの計測の様子

段差やドアの幅を計測しています

山手の図書館では、資料探しに使うパソコンは、車椅子に乗ったままでも使用することができるため、不自由はないと思います。車椅子では通れない部分もありましたが、資料を探す際には職員の方がサポートしてくれるということが確認できました。 調査後に改善策を全員で考えました。例えば、段差が高く、車椅子でどうしても通れない部分は、簡易式のスロープを用いることによって改善する等、少しの工夫で改善できる部分もあると思います。 山手キャンパスは、立地上の問題が多数あり、私達だけですぐに解決できないという現状もありますが、少しでも快適にそして安全に移動できるよう、今回の調査が学内のバリアフリー化につながればと思います。現状維持ではなく、よりよいものを目指して、これからも活動していきたいと思います。

(文:川上 真生)

調査終了後の様子

調査終了後に山手のカフェにて

この夏も様々な活動を行う予定です。初の試みもいくつかあります!
次回のバリフリ通信vol.15もお楽しみに!

バリアフリー通信 Vol.13 2015年度
  1. クリスマス礼拝スクリーンテイク
  2. 第11回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム
  3. 手書きノートテイク講座
  4. 第2回鶴見大学との連携入力合同練習会

Vol.13

バリアフリー通信 vol.13 2015年度

2015年度バリフリ活動紹介②

新入生のみなさまご入学おめでとうございます!フェリス女学院大学で充実した4年間を過ごしてくださいね。

私たちバリアフリー推進室(通称:バリフリ)のスタッフは、病気やケガなども含めて、障がいをもつ学生と、障がいをもたない学生が平等に学生生活を送れるように、ノートテイクや移動補助などのサポートを行っています。 また、この「バリフリ通信」を通し、バリフリの活動内容などの情報発信を行っています。
バリフリの活動に興味のある方は、バリアフリー推進室までお越しください。

また、学生生活や授業などで困難を感じている方もぜひ相談していただけたらと思います。

それでは昨年度のバリフリ活動紹介後半編をご紹介します。前半編はvol.12をご覧ください。

クリスマス礼拝スクリーンテイク

12月16日(水)、クリスマス礼拝にてスクリーンテイクを行いました。

バリアフリー推進室ではクリスマス礼拝に向けて、11月から週3回テイク練習をしてきました。そのうち火曜日と木曜日は、本番に近い形に慣れるために宗教センターや登壇者の方々のご協力で、昼休みのチャペルサービスでスクリーンテイクを行いました。この練習を通して発言者ごとの話し方の違いや、要点のつかみ方の難しさを私は実感しました。

12月のクリスマス礼拝からバリアフリー推進室は1年生、2年生テイカーを中心とした新体制になり、私は初めてテイカーを担当することになりました。礼拝当日を振り返ると「他のテイカ―にタイピングが追いつかない」、「誤字が多い」等々、私個人の技術不足を感じる場面がありました。その一方で、先輩方や同期のテイカーと助け合い、上手くチームワークが働いたテイクだったと思います。クリスマス礼拝でのスクリーンテイクを通して得たものを、今後の活動につなげていきたいです。

(文:小川 南)

テイク終了後に記念撮影

テイク終了後に記念撮影!お疲れさまでした!

PEPNet-Japanシンポジウム

昨年の12月19日(土)、20日(日)の二日間にわたって第11回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムが福岡県春日市にて開催されました。これは、全国で連携している大学や機関の協力によって全国の聴覚障害学生への支援を行うこと目的として2004年に発足したPEPNet-Japanによって開かれたものです。

シンポジウムの2日目、私はPCノートテイクの分科会に参加しました。PCノートテイクとは、音声を文字にしてパソコンなどの画面に打ち出すことで、聴覚障害を持つ人に周囲で話されている言葉や音を伝える支援方法のことです。このような音声の文字化によって支援を行う人のことをノートテイカーと呼んだりもします。分科会は、実際に行われた講義でノートテイクされた文章と教授が話した内容とを見比べることから始まりました。この結果、よりよいノートテイクを行うために有益な意見を多く得ることができました。この分科会には支援を行う人だけでなく、実際に支援を受けたことのある聴覚障害学生や、聴覚障害のある学生に向けて授業を行ったことのある教員も参加していたため、支援を受ける側だからこそ感じるノートテイクの問題点や、教える立場の人の意見も知ることができ、大変勉強になりました。今後はこの分科会で得た知識や経験を活かし、より丁寧で正確なノートテイクを行っていきたいと思います。

また、このシンポジウムでは、障害者差別解消法についての説明がありました。これは今年の4月から施行されたもので、障害の有無によって生じる差別の解消を目的として制定されたものです。この法律の施行に伴い、障害をもつ人への差別的取り扱いの禁止と聴覚障害学生に対して、全国の私立大学は出来得る限りの配慮をすることの努力義務が求められることになりました。法律は難しい文章で書かれていましたが、具体的な例を交えた説明を聞くことにより自分なりに理解することができました。これからよりよい支援を行っていくために微力ながら私も努力していきたいと思います。

(文:島崎 結衣)

私はバリアフリー推進室に入ってみたものの、本格的に情報保障をしたことがなく、今回のシンポジウムは勉強を兼ねていました。

シンポジウムで特に印象的だったのは手話です。開会式が始まる直前、少しずつ話し声が静まっていく中、あちらこちらで手話が飛び交っていました。それは音を持っていないのにも関わらず大きな存在感がありました。あとで気付いたことですが、手話を扱う人は表情で会話していました。手で形や指文字を作りながら、嬉しい、悲しい、困る、などその手話にどんな意味があるのかを顔でも表しており、故に音が無くてもにぎやかに感じたのでしょう。私も覚えたての手話を使って何度か会話をしてみましたが、これが中々読み取れず苦戦。しかし相手は皆一様に伝えようと何度も何度も同じ手話を繰り返してくれました。相手に伝わるように、大きくゆっくりと。シンポジウムで出会った方に「手話を小さくしてしまったら伝わらない。相手に見えやすいように考えることが必要だ。」と教わりました。手話とは思いやりの言葉なのかもしれません。 シンポジウムに参加して、今まで勉強してきた手話は日本中で会話できる"手段"なのだと気づきました。そしてもっと手話を勉強して手話を扱う人々ともっと会話したい。そう思う大きなきっかけになりました。

一方で日ごろ街中を歩いていても、めったに手話と出会わないことを寂しく思います。駅やデパートのサービスカウンターでは筆談器具が設置されていたりしますが、「手話できます」という看板は見たことがありません。 かくいう私も福岡のシンポジウムから帰って以後まったくと言っていいほど手話を使う機会がなく、日に日に単語を忘れていく自分に焦りすら感じています。「言葉とは使わなければ忘れ行くもの。」これはどんな言語にも言えることです。使う人がいなければ言語は消えてしまいます。近年はスマホアプリの普及に伴い、筆談に近い形での情報保障が容易になってきました。確かに文字を伝えられれば正確に情報が伝わるため便利です。しかし手話は情報保障以上に人の『気持ち』を伝えます。前述のように顔全体を使う手話は喜怒哀楽も言葉に乗せています。これは文字ありきのやり方だけでは補いきれない点です。筆談と手話どちらか一方を優先するのではなく、どちらも素晴らしい利点のあるツールとしてこれからも普及させていくべきだと私は考えています。

(文:藏田 香織)

福岡空港にてお疲れさま会

シンポジウム終了後、
福岡空港にてお疲れさま会!

シンポジウム記念写真

とても濃い2日間でした!

手書きノートテイク講座

2月25日(木)、バリアフリー推進室設立時の先輩がバリフリに来て「手書きノートテイク」を教えてくださいました。

ノートテイクは、私たちが行う情報保障の内のひとつの手段です。情報保障とは、「全ての人が同質・同量の情報を得てその場に参加できるようにすること」が基本です。テレビの字幕放送なども情報保障の一つです。

私たちが普段行っている「パソコンテイク」は、パソコンを使用して音を文字に起こします。けれども、今回教わったのは、音を紙とペンを使用して文字に起こす「手書きノートテイク」という作業なのです。 これが、難しいのです。
パソコンテイクと手書きノートテイクでは文字に起こせる分量が異なります。パソコンテイクと比べ、手書きノートテイクでは文字に起こせる数が格段に少ないです。
また、私たちはデジタル化した社会で暮らしているため文字をペンで書く機会が減っています。そのため漢字がすぐ出てこないのです。漢字の書き取りの勉強をしなければ、と思った瞬間でした。

今はパソコンテイクをする機会が多く、手書きノートテイクをする機会がまったくありません。しかし、いつ、どんな時に必要になるのか分からないのでこれから練習をしていきたいと思います。

(文:E.S)

テイク中の手元

手書きテイクの様子

初めての手書きテイクに挑戦中!

第2回鶴見大学との連携入力合同練習会

3月9日(水)に『第2回フェリス女学院大学&鶴見大学 連係入力合同練習および情報収集保障活動情報交換会』が行われました。

フェリスが有線でノートテイクをするのに対し、鶴見大学は無線LANを使っていました。交換会が行われた教室では、鶴見大学の皆さんは一か所にまとまらず、散らばってパソコンに向かっていました。無線LANを使うことでノートテイクができる場所が広がるというお話を聞き、印象深かったです。交換会中は鶴見大学の皆さんがお話しされる言葉を打ち、スクリーンに映していました。合同でノートテイクを行った際、鶴見大学の皆さんはテイクが早く、技術の高さを見ることができ、よい刺激になりました。

点字学習支援システム「点字といっしょ!」を使った点字学習では、アカウントを作り、スマートフォン内で点字学習をしました。出題されるクイズに答えていく形式なので、初心者でも継続的に点字を勉強できるのではないかと思いました。その他、總持寺諸堂拝観や精進料理をいただき、とても濃厚な一日でした。この情報交換会を経て、私も正確な情報保障ができるように、努力をしていきたいです。

(文:池 茉莉)

連携テイク練習中

無線LANでの連携テイク練習中!

精進料理

總持寺拝観後、精進料理を頂きました!

鶴見大学のみなさんと記念写真

鶴見大学のみなさん、ありがとうございました。
今後もどうぞよろしくお願いいたします!!

2016年度も様々な活動を行う予定です。自分のできる範囲で、身近なところから変えていくキャンパスのバリアフリー推進にぜひご参加ください。2号館2階のバリアフリー推進室でいつでもお待ちしています♪

バリアフリー通信 Vol.12 2015年度
  1. 前期キリスト教講演会スクリーンテイク
  2. 鶴見大学との合同パソコンテイク練習会
  3. Ferris Festival 2015 校内サポート
  4. ランチタイム手話勉強会&「点字を学ぼう!」勉強会

Vol.12

バリアフリー通信 vol.12 2015年度

2015年度バリフリ活動紹介①

みなさんこんにちは!バリアフリー推進室(通称:バリフリ)です!バリフリでは障がいを持つ学生が障がいを持たない学生と等しく学び、学生生活を送るために、すべての教職員と学生がそれぞれの立場で協力しながらバリアフリーを推進するサポート体制を実現します。主な活動は授業や学生生活のサポートとキャンパスのバリアフリー化です。これらの活動は学生が主となって動いています。
2015年度バリアフリー推進室は1年生を含む新たな仲間が加わりキャンパスのバリアフリーを目指してみんなで活動しています。

今回は2015年度前半の活動
1:前期キリスト教講演会スクリーンテイク
2:鶴見大学との合同パソコンテイク練習会
3:Ferris Festival 2015 校内サポート
4:ランチタイム手話勉強会&「点字を学ぼう!」勉強会

の4つをご紹介します!
キリスト教講演会スクリーンテイクはバリフリの活動を知ってもらう一つの機会です。また聴覚障がいのある方だけでなく潜在的なニーズにも応えられるように、そして誰にとってもわかりやすいようにバリフリが設立された当初からずっと続けています。その他にも昨年度から交流させていただいている鶴見大学さんとの合同練習、毎年恒例の大学祭での校内サポート、お昼休みに実施している手話勉強会、今年度初の試みである点字勉強会と様々な活動を行ってきました。
それでは、ピチピチの1年生と頼れる先輩2年生からの報告をぜひご覧ください☆

1:前期キリスト教講演会スクリーンテイク

7月2日(木)に行われたキリスト教講演会でスクリーンテイク(vol.4 注ⅰ参照)を行いました。

キリスト教講演会の様子

初めて公の場でパソコンテイクをするにあたり、私は上手くできるかと不安でした。タイピングの速さに自信があるわけではなかったのでどうすればいいのだろうと戸惑い、練習の過程でも読み上げられた文章を正確に打つことができず思うようにいきませんでした。スクリーンに確かな情報を映すこと、タイプミスや年号や人名など話のキーワードの聞き漏らしには十分気をつけるなど、たくさんのことを考えていて当日は緊張しながら臨みました。先輩方に任せっきりなミスだらけのパソコンテイクでしたが、今回のキリスト教講演会での反省点から得たものはとても多かったように思います。日頃の練習の重要さを知り、同時に打つペアの方とのタイミングを合わせること、チーム全体の連携がパソコンテイクの向上の第一歩だと感じました。今回のキリスト教講演会で学んだことを次回に活かし、これから様々な場所で行われるパソコンテイクをよりよいものにするために日々練習を重ねていきたいと思います。

(文:池 茉莉)

みんなで記念撮影

2:鶴見大学との合同パソコンテイク練習

8月5日(水)、バリアフリー推進室による鶴見大学の学生との合同パソコンテイク練習会がフェリスにて行われました。
パソコンテイクにはIPtalkというソフトウェアを利用します。初めに7月にフェリスで行われたキリスト教講演会でのスクリーンテイクのビデオを見て、実際のテイクがどのように行われるのかを確認しました。
その後、一人入力や連携入力の実演をしてIPtalkの機能や動作を復習し、練習会の後半では鶴見大学の学生とペアを組み、連携入力の練習をしました。
終了後の懇親会では、練習での反省点や課題点を話し合い、その中では、一人一人の入力スキルや、連携入力での息の合わせ方、テイクに使用する機器の接続方法などが課題として上がりました。
バリアフリー推進室は学内での活動が多いため、今回の合同練習会は日頃の活動を振り返る良い機会となりました。練習会を通して得たことを今後の活動に活かしていきたいです。
鶴見大学の皆さん、ありがとうございました!

(文:小川 南)

練習会の様子

鶴見大学のみなさんと集合写真

鶴見大学のみなさんと集合写真☆

3:Ferris Festival 2015 校内サポート

10月31日(土)・11月1日(日)に大学祭が開催されました。毎年バリアフリー推進室では、大学祭でサポートを必要としている方のお手伝いをしています。嬉しいことにフェリスの大学祭には、お子さんがたくさん遊びに来てくださいます。ですが、キャンパス内は坂や階段が多く、ベビーカーや車椅子をご利用の方はとても大変です。(もちろんベビーカー置き場を設置しています!)ベビーカーや車椅子を押しながらでも大学祭を楽しく過ごしていただけるように、なるべく楽な道を案内したり車椅子の方の移動をサポートする活動を行っています。例年通り、今年も親子で参加された方が多く見られました。これからも、もっとたくさんの方が来場しやすい環境にしていこうと思っています。今年来られなかった方も、来年の大学祭でみなさまのご来場をお待ちしております。

(文:木村 奈々子)

校内サポートの様子

バリアフリー推進室のポスター

4:ランチタイム手話勉強会&「点字を学ぼう!」勉強会

バリアフリー推進室では毎週水曜日のお昼休みに点字勉強会、毎週金曜日のお昼休みに手話勉強会を行っています。

私が手話や点字を始めたのは、「誰かの役に立ちたい」というような立派な目的ではなく、"語学習得"という感覚でした。また、お話しようと思った目の前の人が、もしハンディを持っていても、気遣いなくお喋りしたいという思いもありました。手話も点字も、言語のひとつなのです。語学習得となると余計に難しく感じますが、特に手話は手遊びをしているみたいで楽しいです。初めは挨拶から覚えて、次に自己紹介。語彙が増えてきたら簡単な質問をやり取りしていきます。表情や体を使うので、普通の外国語をやるより覚えやすいかもしれません。

点字は、覚えて書くことは簡単でも、読み取りはとってもむずかしいということに驚きました。目で見ればすぐに分かるのですが、指先の感覚だけではなかなか読めません。自分がいかに視覚情報に頼っているのかを知りました。練習の一環で、教室やトイレ表示などの点字テープを作ったりもします。

きっかけは全く違うところからでしたが、何かを楽しみながらもキャンパスのバリアフリーに貢献出来たらいいなと思います。

(文:手島 吏絵)

点字器で点字を打つ様子

点字器で点字を打っています☆

いかがでしたでしょうか?
バリアフリー推進室では年間を通して様々な活動を行っています。2015年度後半もたくさんのイベントがあります。次回のバリフリ通信の更新もお楽しみに・・・♪

バリアフリー通信 Vol.11 2012年度
  1. 1年間の振り返り
  2. シンポジウムの参加報告

Vol.11

バリアフリー通信 vol.11 2012年度

振り返りと新年度へ向けて

みなさん、こんにちは。
寒かった冬も過ぎ去り、もうすっかり桜のきれいな春になりましたね。
今回は私たちの2012年度の活動報告をしたいと思います!

1:バリアフリー推進室 1年間の振り返り

今年度の活動ではスタッフが1、2年生主体となって活動したこともあり、経験不足からのミスや課題が多く見つけられました。しかし、活動が終わるごとに必ず反省会を開き、良かった点や悪かった点、それぞれが思った事を話し合う場を設けたことで、次の活動につなげることができたと思います。今年度の活動として、具体的に3つの活動を取り上げたいと思います。

(1)各講演会ノートテイク
学内でのスクリーンテイク実施は入学式、キリスト教講演会(前期・後期)、Ferris Festivalでの朝岡聡アナウンサー講演会、クリスマス礼拝でした。スクリーンテイクでは扱う機器が多いため、様々なトラブルが発生します。学生スタッフ全員がそういった不意のトラブルに対処できるよう、理解を深める必要があると感じました。また、オリジナルのマニュアル冊子も活用していきたいと思います。

(2)バリアフリーマップ作り
5月に行った学内マップ作りでは、何度も試行錯誤を重ね、実際に利用者の意見も参考にした良いものが出来上がりました。フェリスのキャンパスは広くはありませんが立地上の問題が数多くあります。フェリスに来校された方全員が気持ちよくキャンパス内での時間を過ごしていただくためのサポートになればと思います。

(3)シンポジウムへの参加
今年は日程が合わず、学外でのノートテイクに参加することが難しく、とても残念でした。かわりに、12月に愛媛県で行われたPEP-net(日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク)の日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに学生スタッフ3名が参加し、手話が共通語の空間、多数の利用者がいるスクリーンテイクや移動サポート、他大学でのバリアフリーへの取り組みを学びました。この貴重な経験をフェリスに還元できるよう只今模索中です。

また、学内では、現在特定の利用者が居ない中でのノートテイク、利用者の少ないサポート活動をする上での意識の問題もあります。誰のためにするのか、何のためにするのかを見失わず、責任を持って活動するために、バリアフリー推進室ではこれからも講習会やスタッフ同士での共有の場を大切にしていきます。

(文:中村萌恵)

2:シンポジウムの参加報告

12月1、2日、愛媛大学で行われた『第8回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム』に、バリアフリー推進室学生スタッフ3人で参加しました。

1日目は主に愛媛大学の学生スタッフ主催でオリエンテーションを行い、多くの学生と交流を深め、他大学の活動について情報収集をすることができました。参加者の学生の多くは健聴者であると思っていた私たちの予想とは異なり、難聴者またはろう者の方が多く、コミュニケーションを手話でとっていました。そのため手話ができない私たちはコミュニケーションを取るのにとても苦労をしたと同時に、焦りを感じました。手話ができないことで難聴者やろう者の方たちとの間に溝を感じ、普段難聴者やろう者の方たちがどのような気持ちで社会を生きているのかを考えるようになりました。しかしそんな中でも伝えようとする気持ちを持って向き合えば、手話が完璧にできなくても話をすることが出来ました。私たちはその橋渡しをするために、このシンポジウムに参加しているのだと再確認することができました。

シンポジウム記念写真

2日目は大学内で約2時間の分科会に参加しました。3人それぞれが別の分科会に参加し、少しでも多くの情報を集めることに努めました。その中で私は手書き・パソコンによる要約筆記についての分科会に参加しました。実際に手書き・パソコンで要約筆記のデモを行ったり、他大学で行っている要約筆記の現状についての発表を聞きました。何より支援を受けている難聴者・ろう者の方たち自身の意見を聞けたのが一番の大きな収穫でした。私たちの活動において、伝える情報を要約してもいいのか、してほしくないのか、文末をどのようにした方がいいのか等、私たちが日頃疑問に思っていることを直接質問することができました。

今回のシンポジウムでは、自分たちがいかに勉強不足で、実力不足であったかを実感したと同時にもっと勉強したい!と強く感じる機会にもなり、私たちにとってとても有意義な時間となりました。このシンポジウムに参加して学んだ様々なことを今後に活かし、より良い活動につなげていきたいと思います。

(文:石井結)

以上、今年1年間の振り返りとシンポジウムの報告でした。いかがでしたでしょうか。今回学んだことを活かして、新年度も頑張って活動していきたいと思います。興味をもってくださった方は、ぜひバリアフリー推進室までお気軽にいらしてください。バリアフリー推進室は2号館2階ボランティアセンターのお隣にあります。いつでもバリフリスタッフがお待ちしています。

(編集:川浪由樹子)
(更新日:2013年4月15日)

バリアフリー通信 Vol.10 2012年度
  1. キリスト教講演会(前期)でのスクリーンテイク
  2. 「全ての方に優しい大学へ」大学祭での活動

Vol.10

バリアフリー通信 vol.10 2012年度

よりバリアフリーな大学に!

こんにちは! 段々と寒くなってきましたね。もうすぐ1年が終わると思うと、とても早く感じます。
今年度もバリフリスタッフは、様々な活動を行いました。
そんなバリフリスタッフの活動をご報告したいと思います。

1:キリスト教講演会(前期)でのスクリーンテイク

今年度も、昨年度に引き続きキリスト教講演会(前期)でスクリーンテイク(vol.4 注ⅰ参照)を実施しました。今回の講演会は、バリアフリー推進室学生スタッフとして活動する新入生たちにとっては初めてのスクリーンテイクとなりました。そのため、昼休みや授業の空き時間等を使い、先輩方も交えながら本番に向けて練習をしました。話を聞きながら早く文字を打つことは、初めのころと比べて上達しましたが、やはり連携して文を打っていくことは難しいと感じました。たとえば、ペアの人と同じ文を打ってしまったり、語尾が統一されていなかったりということがありました。また、聞き漏らしてしまい先輩に助けてもらうことも多くありました。今回気づいたことは今後の課題として、また練習を重ねていきたいと思います。

講演会の様子

スクリーンテイクの様子

今年度のスクリーンテイクは、会場の一番前で実施させていただきました。そのことが、これまでバリアフリー推進室の存在は知っていてもどのようなことをしているのかよくわからない、と思っていた学生に知っていただく機会になったと思います。実際にスクリーンテイクをしている姿を見て、少しでもバリアフリーについて考え、興味を持ってくださる方がいらっしゃると嬉しいと思います。

みんなで記念撮影

(文:小田奈津子)

2:「全ての方に優しい大学へ」大学祭での活動

ⅰ.2012年度バリアフリーマップ

ことの初めは5月頃、昨年度のマップを元に、(1)校舎で改善された箇所の改訂、(2)見やすさ重視を目的に「2012年度版バリアフリーマップ」を作成することになりました。本格的に活動し始めたのは6月頃からでした。学生スタッフの中に車イスユーザーがいることもあり、真の利用者の声を聴けることも幸いでした。手始めに各号館の教室の入り口や廊下を、メジャーを持って駆け回り、隅から隅まで計測しました。他にも車イスユーザー用のトイレや車イスで通る時に障害となる段差などのチェックをしました。私たち一年生は5月に校内で車イスの研修を行ったので、どのくらいの段差が障害となるのか大体の目安がついたのもよかったのかもしれません。

一通りキャンパス内の計測が終わると、次はマップのレイアウトを考え、必要な情報とそうでない情報の取捨選択をしました。前回のマップでは校舎が立体的に描かれていましたが、今回はシンプルに平面的な図を使い、マップが必要な人のためへの情報に限定して編集しました。そのためアイコン等を使いながらマップ上での情報量に気を付けています。

バリアフリーマップ

また、レイアウトの下書きをするたびになるべく多くのバリアフリースタッフにマップを見てもらい、意見をもらうようにしました。このようにして完成されたバリアフリーマップは、大学祭当日、車イスユーザーの来場者の方にはもちろん、ベビーカーを使っている方にも配られました。これからも、マップをはじめとした学内のバリアフリーに向けて、現状維持ではなく、より良いものを目指して日々活動していきたいと思います。

(文:石井結)

ⅱ.校内サポート

大学祭当日は、バリアフリー推進室オリジナルのピンクのウィンドブレーカーや青いポロシャツを着て正門前に常駐し、ベビーカーや車椅子でいらした方々に積極的に声をかけ、バリアフリーマップをお渡しすることができました。また、お渡ししたバリアフリーマップを使用して目的地までのルートを説明し、場合に応じて目的地までのご案内もしました。
大学祭当日にスムーズにサポートを行えるように、スタッフは事前に開かれた「車イス・ガイドヘルプ講習会」に参加し、車イスの押し方や視覚障がいのある方の案内の方法を学びました。さらにスタッフ同士で車イスを押したり、実際に車イスに乗ったりして校内を回り、ルートの確認をしました。この講習会のおかげで、初めて校内サポートに参加したスタッフも、焦らずに余裕を持ってサポートをすることができたのではないかと思っています。

校内サポートの様子

また、今年度はバリアフリー推進室がサポート提携をした明治学院大学から、2人の男子学生の協力を得ることができました。スケジュールの関係で2日目のみでしたが、積極的にサポートに参加していただき、バリフリスタッフと一緒にスタッフとして活動してもらうことができました。

明治学院大学の学生と記念撮影

活動の様子

事前の準備や講習会の大切さを再確認し、さらに今まで解決できなかった女子大ならではの問題である同性介助の課題なども、他大学とも協力してある程度は解決できたのではないかと思っています。今回の経験を活かし、来年度の活動につなげ、より良いサポートが行えるようにしていきたいと思います。

ⅲ.朝岡聡アナウンサーの講演でのスクリーンテイク

今年度も昨年度と同様に、大学祭の講演会でスクリーンテイクを行いました。今回はフリーアナウンサーの朝岡聡さんから、魅力的なコミュニケーションについてお話を伺い、さらに朝岡さんによるリコーダーの演奏をお聞きしました。

スクリーンテイクは4年生を中心に5名のスタッフで行いました。メインのテイカーは2名の4年生のみでしたが、補助に入っていた2年生のテイカーと一緒に安定したテイクを行うことができました。また訂正を行ったのも4年生であったため、スクリーンに投影された誤字も素早く訂正することができました。

5人という少人数体制のなかで、4年生の安定した質の高いテイクを見ることができ、後輩として見習うべき点がいくつもあったのではないかと思います。大学祭の1週間前に行った秋のキリスト教講演会のスクリーンテイクとは、また違った点で今後のテイクに活かせる部分が多くあったように思います。

5名のスタッフの写真

テイクで使用したPC

テイク中の様子

講演会終了後には、講演会にいらしていたお客様から声をかけていただくこともありました。お褒めの言葉をいただいたり、テイクに関する質問をいただいたりと、少なからず、バリアフリー推進室の活動に関心を持っていただけたのではないかと思いました。このような活動を通して、少しでも多くの方にバリアフリーに関心を寄せていただけたらと思っています。

(文:中田詩織)

以上が今年度のキリスト教講演会(前期)と大学祭での活動報告です。 いかがでしたでしょうか。
今後もこれら経験を活かし、バリアフリーの推進活動を頑張っていきたいと思います。

(編集:青山光葉)

(更新日:2012年11月28日)

バリアフリー通信 Vol.9 2012年度
  1. バリアフリー推進室とは?
  2. バリフリ初!学外研修合宿!!

Vol.9

バリアフリー通信 vol.9 2012年度

私たちといっしょに活動しませんか?

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。 これから4年間を過ごすフェリスで、どんなことを学んでいくのか、経験していくのか、期待と不安が入り混じった感情をお持ちなのでは...と思います。
振り返ると私も、同じような気持ちで入学式やオリエンテーションを過ごしていました。そんな時に出会ったのがバリアフリー推進室、そしてノートテイクでした。

......バリアフリーって?ノートテイクって?
聞きなれない言葉だと思います。

私たちは障がいをもつ学生の支援、そして学内のバリアフリー実現に向けて活動しています。「私には無縁そう...」と考えた方!少し視点を変えて考えれば、実は普段の生活と身近なことなんです。

今号では、バリアフリー推進室(通称:バリフリ)の自己紹介をしたいと思います。少しだけ、耳を貸してください。この春から、私たちといっしょに活動しませんか?

私たちバリアフリー推進室学生スタッフは、病気やケガなども含めて、障がいをもつ学生と、障がいをもたない学生が平等に学生生活を送れるように、ノートテイクや移動補助などのサポートを行っています。 また、この「バリフリ通信」を通し、バリフリの活動内容などの情報発信を行っています。ぜひチェックして下さいね。

では、私たちの活動をご紹介したいと思います。

1:バリアフリー推進室とは?

授業でのサポート

聞こえにくい学生の耳の代わりとして、授業中の音声、つまり先生の話す講義の内容や学生の発言などを聞き、文字に変えて利用学生に伝える「ノートテイク」(vol.1 注1参照)を行います。また、見えにくい学生の目の代わりとして、黒板に書いてある文字を伝える「板書サポート」を行います。このような活動を「情報保障」といいます。 さらに、怪我や病気などによって歩行が難しく、教室移動の際にサポートが必要な学生のために「移動補助」も行います。

入学式でのスクリーンテイク

新入生の皆様は覚えていらっしゃるでしょうか。入学式の際、ステージ隣のスクリーンに、式のお話の内容が映し出されていたと思います。これは、私たち学生スタッフが式中の音声を聞き、パソコンで打ち込んだものを映し出していたものです。これを「スクリーンテイク」(vol.4 注ⅰ参照)といいます。「スクリーンテイク」とは、前述の「ノートテイク」したものを、スクリーンに映し出すものです。

カイパー講堂

カイパー講堂

舞台裏での様子

舞台裏でのパソコンテイクの様子

大学祭でのスクリーンテイクと校内サポート

大学祭でも、毎年スクリーンテイクを実施しています。昨年は、テレビ朝日の飯村アナウンサーの講演会でテイクを行いました。
また、正門に常駐し「バリアフリーマップ」の配布や、移動補助などのサポートも行っています。「バリアフリーマップ」は、段差のないルートや多目的トイレなどが描かれたバリフリ特製のマップです。弱視の方も見やすい「白黒反転版」の地図も作製しています。(2012年度版の地図も作成予定です。興味のある方は参加してみませんか?)

東北支援遠隔テイク

2011年度は、被災地の聴覚障がい学生の支援のため、東北地方の学生の情報保障を行いました(vol.6 2:フェリスから東北へ!遠隔通信によるテイク!!・vol.7 2:東北とつながろう!続けています、遠隔通信テイク!!参照)。携帯電話を通して東北で行われている講義の音声をフェリスに届け、その内容をパソコンに打ち込み、インターネットを介し、東北で講義を受けている聴覚障がい学生のiPhoneに表示させます。これによって、フェリスにいながら宮城教育大学の講義をテイクすることができました。また、この取り組みは、新聞にも取り上げられました。(詳しくはバリフリまで!)

通訳の様子

フェリスでの通訳の様子

ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト

2011年度は、大学が学生の企画した取り組みを支援する「フェリスチャレンジ制度」を利用し、学内のバリアフリー意識を高めるため、"ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト"を実施しました(vol.8 1: ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト参照)。まずは、バリアフリーに対して興味を持ってもらうために、バリフリオリジナルの小冊子とボールペンを配布しました。小冊子ではガイドヘルプなどのサポートの仕方を解説し、ボールペンにはバリフリのロゴを加え、学生が使用しやすい外観を意識して作成しました。また、ガイドヘルプの体験イベントも企画しました。

オリジナルの小冊子とボールペン

オリジナルの小冊子とボールペン

私たち学生スタッフの活動は、基本的に学内のためのものですが、昨年度は学外でも出張テイクを行いました。この他にも、その場のニーズにあった様々な活動をしています。
バリフリに少しでも興味を持った方、何か疑問に思うことがあった方、ぜひバリフリに来てみて下さい!

(文:中田詩織)

2:バリフリ初!学外研修合宿!!

合宿のしおり。これも 学生が中心となり作成しました。 2012年3月15~16日、お天気に恵まれた江ノ島で、学生スタッフの研修合宿を実施しました。バリフリで初めてとなるこの合宿は、バリアフリー推進室のミッション"ALL FOR ALL"への理解を第一に、スタッフ間の交流や、新年度についての話し合いをすることを目的としました。4年生が企画の中心となって実施しました。 "ALL FOR ALL"というミッションは、2009年に作られました。「1人が誰かのために、誰かが1人のために行動を起こすのではなく、すべての学生、教職員が各々の感じているバリアを取り除くためにみんなが活躍する」という思いが込められています。 この理解のための講演会も実施しました。ゲストスピーカーとしてお招きした、NPO法人横浜市障害者自立支援センターの渋谷治巳さんは、自身も障がいを持ちながら、障がい者活動をしている方でした。 私にとって、このような活動をしている障がい者の方からお話を伺うのは初めてでしたが、渋谷さんの言葉は、その1つひとつが重く、説得力のあるものでした。「とにかく障がい者と関わって、一緒に考えてほしい」という言葉には、わかっていたはずなのだけれど、深く考えさせられるものでした。この言葉を今まで以上に、日常生活で心がけていきたいと思いました。

合宿のしおり

合宿のしおり。これも学生が中心となり作成しました

講師の渋谷さんと記念撮影

講師の渋谷さん(中央)と

そしてもう1つ、今回の合宿で行った事があります。ノートテイクで支援(vol.6 2:フェリスから東北へ!遠隔通信によるテイク!!参照)をした、宮城教育大学の学生との交流です。はるばる江ノ島まで来ていただき、東日本大震災の状況や、支援テイクを受けての感想を伺いました。

宮城教育大学の学生との交流の様子

宮城教育大学の学生との交流の様子

支援中は、電話やSNSでのやりとりからしか状況が把握できなかったのですが、実際にお会いして、当時の裏話などを聞くことができました。また、お互いの顔を見ながら情報交換できたことで、「この方々を支援してきた」という実感がわきました。さらに宮城教育大学の方々の笑顔を見られたことで、無事に支援ができたことへの安心感を覚えました。支援自体は2011年度いっぱいで終了しましたが、今後も交流を続けるとともに、遠隔でのノートテイク経験をもとに、できることがあればお手伝いをしたいと思っています。このように、他大学との交流が増えていくのは嬉しいものです。

また、新年度の活動についての話し合いも行いました。年々活動に磨きのかかっているバリフリの2012年度は、これまでと同様、啓発活動もしつつ、新しい挑戦も始まることでしょう。今後も、バリフリ通信で随時お伝えいたしますね(気になった学生の皆さん、バリフリに直接聞きにいらしてください!)。

2日間の合宿を通して、ミッションへの理解や学生スタッフ同士、またゲストにいらしてくださった方との絆をより深めることができました。私は大学卒業に伴い、バリアフリー推進室に関わることはありませんが、合宿で得たことを胸に、"ALL FOR ALL"の精神が、より多くの人に浸透しますように、またより多くの人が行動に移せますように、バリフリのさらなる活躍を願ってやみません。

(文:2011年度卒業生 吉弘彩乃)

いかがでしたでしょうか。
少しでもバリフリについて知っていただけたでしょうか。

少しでもバリフリに興味を持ってくださった方、気になることがあった方、ぜひバリアフリー推進室にいらして下さい!バリアフリー推進室は2号館2階、ボランティアセンターのお隣にあります。
私たちと一緒に楽しく活動しませんか?
スタッフ一同お待ちしています。

(編集:吉弘彩乃・中田詩織)

(更新日:2012年4月9日)

バリアフリー通信 Vol.8 2011年度
  1. ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト
  2. 初めての出張テイク!!

Vol.8

バリアフリー通信 vol.8 2011年度

~2012冬~

皆さん、こんにちは。
今回は、今年度バリアフリー推進室で取り組んだ活動のうち、先月のバリフリ通信vol.7には載せられなかった2つの活動についてご報告します。フェリスの学生は勿論のこと、たくさんの方にバリフリスタッフの活動を知っていただければ幸いです。

1: ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト

本学には、学生が企画した取り組みを大学が支援する「フェリスチャレンジプロジェクト」という制度があります。今年度は、バリアフリー推進室と連携し、学内のバリアフリーの徹底、および学内のバリアフリーに対する意識を高めることを目的にこの制度に参加しました。

「ALL FOR ALL バリアフリープロジェクト」と題し、一部の学生だけではなく、学生はもちろん教員や職員全体を巻き込んで、共にバリアフリーについて考える機会にしたいと思い活動しました。このALL FOR ALLという言葉には、バリアフリー推進室発足時から掲げている「一人が誰かのために・誰かが一人のためにではなく、それぞれが感じるバリアを取り除くためにみんなが活躍する」というメッセージが込められています。

バリアフリーという言葉から、敬遠される方もいらっしゃるかもしれません。フェリスチャレンジプロジェクトでは、そのような方にも興味をもっていただけるようにと考え、学生との出会いを作るために、まずオリジナルボールペンと冊子の配布を行いました。

オリジナルボールペン&冊子

オリジナルボールペン&冊子

このボールペンは、バリアフリー推進室で行っているノートテイク(vol.1 注1参照)の際に使用している、0.7mmの黒のボールペンを採用しました。濃いピンクを基調とした外観で、バリアフリー推進室のロゴも加え、学生が使いたくなるデザインを意識して作成しました。

ボールペンのロゴアップ

ボールペン

ボールペンのクリップには推進室のロゴをデザイン

冊子はガイドヘルプや車イス介助などのサポートの仕方について、声かけから手引きまですぐ実践できるように解説した、カードサイズのものを作成しました。お財布やパスケースに入れて携帯し、必要なときに取り出し、サポートを実践してもらいたいという思いからです。12月には、これらのグッズを配布し、ガイドヘルプの体験イベントを実施しました。

少しでも多くの方がバリアフリーについて興味を持ち、学内だけでなく学外でも実践する力を身につけていただきたいと思います。

冊子表紙

バリアフリーマップ一部

冊子中面

バリアフリーマップ全体

冊子背表紙

冊子「サポートガイド&バリアフリーマップ」

(文:三島菜摘)

2:初めての出張テイク!!

2011年7月に相模原市にある翠ヶ丘教会の集会ⅰで、そして11月には神奈川県民センターでの講演会ⅱでスクリーンテイク(vol.4 注ⅰ参照)をさせて頂きました。学外でこのような機会を頂いたのは今年が初めての事でした。

情報保障を利用される方が一般の方という事もあり、常に心がけている事ではありますが、情報の正確さを追求し、トラブルを含めミスなどがないようにと参加したスタッフ全員が心がけてテイクを行いました。どちらの講演会の内容も震災や原発についてだったため、地名や専門用語など聞き慣れない言葉が多く、テイク自体もとても難しいものでした。そのため私たちの間で漂う緊張感も、だんだんと高まっているように感じました。

休憩中には利用者の方とお話をすることができ、細かい要望を聞くことによって、利用者の方のニーズにこたえることができたのではないかと思います。学内での講演会ではこのような機会がほとんどないので、スタッフにとって有意義なものとなりました。また講演会にいらしていた多くの方から労いの言葉をかけて頂きました。

休憩中の様子

翠ヶ丘教会の集会 休憩中♪

学校から飛び出し、異なった環境で行ったテイクによって、たくさんの事を学ぶことができ、私たちバリフリスタッフにとって大変貴重な経験となりました。これからも積極的に学外でもテイクなどの活動を行い、さらに多くの事を学び、これからの活動につなげていきたいと考えています。

(文:川浪由樹子)

いかがでしたでしょうか。 どちらも私たちスタッフにとって初めての経験だったため、学ぶ事がとても多く、大変有意義なものとなりました。この経験をいかし、今後もいろいろな活動に挑戦していきたいと思います。

(編集:中田詩織)

ⅰ日本基督教団神奈川教区社会委員会主催「東日本大震災被災者支援集会」2011年7月18日
ⅱ日本基督教団神奈川教区核問題小委員会主催「放射能からこどもたちをどう守るのか ~福島と神奈川の「協働」にむけて~」2011年11月20日

(更新日:2012年2月14日)

バリアフリー通信 Vol.7 2011年度
  1. 「みんな楽しく!!」バリアフリーな大学祭
  2. 東北とつながろう!続けています、遠隔通信テイク!!

Vol.7

バリアフリー通信 vol.7 2011年度

みんなとつながる

あけましておめでとうございます! まだまだ寒い日が続いていますね。皆さん風邪をひかないように気をつけて下さいね。
さて、2012年が始まりました。昨年を振り返ると、人との"つながり"、"絆"の重要性を再確認した年になったのではないでしょうか。わたしたちバリフリスタッフの活動も"つながり"や"絆"を意識したものが多かったのではないかと思います。

今回は、そんなわたしたちの後期の活動をご報告したいと思います。

1:「みんな楽しく!!」バリアフリーな大学祭

ⅰ.校内サポート

今年度の大学祭では「校内サポート」と講演会での「スクリーンテイク」を行いました。
主にこちらでは「校内サポート」についてご報告したいと思います。
今年度も昨年度と同様に、バリアフリー推進室オリジナルの青いポロシャツやピンクのウィンドブレーカーを着用し、正門前に常駐しました。ベビーカーや車いすでいらした方々に積極的に声をかけ、「バリアフリーマップ」をお渡しし、場合に応じて目的地まで付き添うなどしました。「バリアフリーマップ」というのは、階段や段差がないルートが書かれたバリアフリー推進室独自のものです。今年度は見易さを重視し多目的トイレや喫煙所の場所を加え一枚にまとめました。
事前にスタッフの中で講習会を開きました。この講習会では、車いすの押し方や視覚障がいがある方のガイド方法を学び、実際にスタッフ同士で車いすを押しながら車いすの方でも通れるルートを歩きました。さらに車いすを押すだけではなく、車いすの方の気持ちを少しでも理解したいという思いから、実際にスタッフが車いすに乗るといった体験も行いました。
講習会後にはお互いに感想を述べ、とても有意義な時間になったのではないかと思っています。

大学祭当日、多くの車いすユーザーの方が足を運んでくださいました。来ていただいた方達が見せてくれた笑顔が嬉しく、私たちも元気をもらいました。
今後も「フェリスの大学祭に来て良かった」「また来年も行きたい」と来場者の方に思ってもらえること、そしてベビーカーや車いすの方が気軽に来られる大学祭にすることを私たちバリアフリースタッフの目標として頑張っていきたいです。

(文:大田沙那恵)

大学祭での記念写真

ⅱ.飯村真一アナウンサー講演会でのスクリーンテイク

今年度も、昨年度に引き続き大学祭の講演会でスクリーンテイク(vol.4 注ⅰ参照)を実施しました。今回はテレビ朝日アナウンサーの飯村真一さんにお越しいただき、就職活動についてのお話や、テレビ局でのアナウンサーのお仕事についてのお話等をお伺いしました。
今回は1週間前に秋のキリスト教講演会のスクリーンテイク、2週間後に外部での出張テイク、と、行事が重なり、十分に準備ができない中での本番となりましたが、全員4年生というテイカーメンバーで安定したテイクを行うことができました。事前に講演内容を把握することができなかったのも相まって厳しい状況でしたが、質の高いテイクをする先輩の姿は、後輩一同、本当に勉強になりました。
いつ、どんな状況であっても、情報保障を必要とされる方にこちらの事情は関係なく、常に一番良い形で情報を提供することが最も優先すべきことなのだと、スタッフ一同再確認しました。
しかし反省点がなかったわけではありません。PC設定のトラブルなどは十分に防ぐことができるものなので、次回に生かしていこうと思います。また、講演会前には大学祭実行委員会のご厚意により、お客様の前でスクリーンテイクの説明をする時間をいただくことができました。
大学祭という場でスクリーンテイクをする目的は大きく2つあります。1つは、聴覚だけで情報を受け取りづらい方への情報保障をすること、もう1つは、学内外にスクリーンテイクという形のバリアフリー活動を知っていただくことです。今回の講演会でのスクリーンテイクで少しでも多くの方に情報保障と、こういった活動を知っていただくことでバリアフリーへの関心を高めていただき、より良い社会を築くための一歩となることを願います。

(文:中村萌恵)

テイク中の様子

2:東北とつながろう!続けています、遠隔通信テイク!!

前学期から引き続き、少しでも東北地方の学生の力になりたいと思い、バリアフリー推進室では「モバイル型遠隔情報保障システム」(vol.6 2:フェリスから東北へ!遠隔通信によるテイク!!参照)を用い、東北地方の大学への情報保障を行いました。
聴覚に障がいのある学生は、講義の内容が聞こえにくく、得られる情報量が少なくなってしまいます。そのため、講義を受ける際にはノートテイク(vol.1 注1参照)などを利用し、先生のお話される内容や授業の様子である「音」の情報を、リアルタイムで「文字」の情報に変えて伝え、情報保障を行います。

今学期は、前学期での経験や反省点を生かしつつ、ノートテイクを行っています。たとえば、テイク30分前に集合し、テイク中の不具合を最小限に抑えるため、使用機器の設定や接続を確実にしています。また、残りの時間に授業で使用する資料を確認し、スムーズにテイクが行えるような状態にしてからテイクに臨んでいます。そのためか、現在までテイク中に大きなトラブルはありませんでした。しかし、生徒の発言やDVD・ビデオの音声などがはっきりと聞こえない場合もあるため、テイクの際に苦労しています。

前学期に引き続き、講義終了後には東北の大学のサポート学生、聴覚障がい学生と電話での対話を続けています。対話をすることで、その日のテイクに対する学生の感想などを聞くことができ、それを次回のテイクへ生かすことができます。支援の中で、学生の感想やテイクメンバーの反省を生かしながら、さらに利用学生に合った支援ができるように最善を尽くしていきたいと思っています。

(文:尾崎麻由)

テイク中のメンバー

いかがだったでしょうか。
わたしたちは、大学祭や遠隔通信テイクを通してたくさんの方とつながることが出来たのではないかと思っています。この"つながり"を大切にし、今後の活動に生かしていきたいと思います。

(編集:中田詩織)

(更新日 2012年1月10日)

バリアフリー通信 Vol.6 2011年度
  1. 春のキリスト教講演会でのスクリーンテイク
  2. フェリスから東北へ!遠隔通信によるテイク!!

Vol.6

バリアフリー通信 vol.6 2011年度

私たちにできること

こんにちは。
あの未曾有の事態から100日が過ぎてしまいましたが、傷が癒えたとはまったくいえない状況です。
私たちも、普段の生活のことに限らず、命の大切さ、社会的に弱い立場の方々について改めて考えさせられました。 そのようなことから、4年目を迎えた今年は、自然と活動が震災と結びついたものとなっているように思います。

今回は、そんなトピック2つを紹介したいと思います。

1:春のキリスト教講演会でのスクリーンテイク

5月27日、山手のフェリスホールで行われたキリスト教講演会で、今年もスクリーンテイク(Vol.4 注ⅰ参照)を行いました。今回は日本基督教団千代田教会の太田春夫先生に東日本大震災の復興支援についてお話ししていただきました。

キリスト教講演会でのスクリーンテイク

左側が講師によるスライド投影、右側がスクリーンテイクの字幕の様子です

今回の講演会に向けての練習はGW明けから本格的に開始しました。お話の中では特に大きな被害を受けた東北地方の地名が多く出てくると聞いたので、事前に調べて準備をしていました。私たちが普段聞きなれない地名に初めは苦労しましたが、事前準備のおかげで当日は無事通訳することができました。
今回は多くの新スタッフに参加してもらったほか、久しぶりに活動をするテイカー合わせて11名が一緒に練習していました。特に新人のテイカーさんの自主練習している姿には、私も見習わなければならないと痛感しました。人数が多くなった分、スムーズにいかないことやトラブルもありましたが、新しくタイムキーパーを設置、補助の人数を増やすこともでき、大人数を活かしてうまく役割分担できました。全体を通して安定したテイクができたと思います。今回の経験を次の講演会、東北支援のための遠隔通信テイク(後述参照)に繋げていければいいなと思います。

震災の影響で入学式が中止になったために、スクリーンテイクを公の場で行ったのはこの講演会が今年度初でした。初めて情報保障を知った新入生がほとんどだと思います。今後もこのような場でのテイクで、多くの人にバリアフリー推進室の活動に興味関心を持ってもらえたら嬉しいです。

当日のメンバーで記念撮影

当日のメンバー大集合!

(文:松延美佑)

2:フェリスから東北へ!遠隔通信によるテイク!!

東日本大震災から3か月、今なお多くの方が復興への道を歩んでいます。私たちも何か力になりたいと思い、行ったのが「モバイル型遠隔情報保障システム」を使った被災地にある大学への情報保障です。
聴覚障がい学生は講義を受けるとき、障害によって得られる情報量に差異が起きないようにノートテイク(Vol.1 注1参照)などによる情報保障を利用することができます。しかし、震災による何らかの事情から、情報保障が受けられなくなった学生を支援するため、日本聴覚障害学生支援ネットワーク(PEPNet-Japan)の呼びかけに賛同する形で始まりました。

「入力スタジオ」の様子

バリアフリー推進室内の 「入力スタジオ」の様子

この支援に使う「モバイル型遠隔情報保障システム」とは、『2~3名の入力者が連携しながら話者の言葉を要約して字幕化する「パソコンノートテイク」を、携帯電話に表示させるシステム』です。[PEPNet-Japan, 2011] 携帯電話で東北で講義している先生の声をフェリスに届けます。それを私たちがパソコンを使ってテイクし、作成したテイクの字幕をインターネットを介し、東北地区の聴覚障がい学生のiphoneに表示させる仕組みです。これにより、フェリスにいながら東北地区の大学の講義をテイクすることができます。

「テイクをする」こと自体は学内で行うものとは変わりませんが、場所が違うと普段当たり前のことがそうではなくなります。教室の状況が音声でしか伝わってこないので、現地での先生や学生の様子が見えません。先生の板書も、書いているチョークの音は聞こえるけれども、何を書いているかは推測でしか判断できません。また、携帯電話を使用しているため、音声も場合によっては明瞭に聞こえなくなるほか、通信が途切れることもあります。

しかし、お互い遠隔での支援は初めてなので、対処がわからないのは仕方のないことです。そこで、講義が終わった後、東北地区のサポート学生、聴覚障がい学生と電話で、次回に向けての話し合いをします。これにより、支援の技術が毎週進歩できるよう努力しています。

バリアフリー推進室では、宮城県にある2つの大学(宮城教育大学、宮城学院女子大学)への支援を行っています。障害を持つ学生が1日でも早く「普通に」講義を受けられることができるようにと願いつつ、これからも東北支援のための遠隔通信テイクを行っていきたいと思います。

(文:吉弘彩乃)

※フェリスでの東北支援のための遠隔通信テイクの取り組みは、2011年5月11日東京新聞、同年6月1日読売新聞・神奈川版に掲載されました。

いかがでしたか。
これからも私たちにできることを通して、東日本大震災への支援をしていければと思います。

そして、もちろん学内での活動も行っていきます☆ 今年も学祭に向けてだけでなく、とあるプロジェクトが動いているとかいないとか・・・ 次回もお楽しみに!

ⅰ聴覚に障害を持つ人々に音声情報を伝達する手段や活動 [太田, 1998]
引用文献
太田晴康. (1998). パソコン要約筆記入門. 人間社.
日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan).被災地の聴覚障害学生を全国の大学生が支援-東日本大震災により被災した大学へのモバイル型遠隔情報保障システムを用いた支援の実施について-(2011年5月9日). 参照日: 2011年6月19日, 参照先:PEPNet-Japan:
http://www.tsukuba-tech.ac.jp/ce/xoops/modules/tinyd1/index.php?id=165&tmid=274 
バリアフリー通信 Vol.5 2010年度
  1. 「バリアフリーな大学祭」報告
  2. 第6回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに参加―
    「PR・啓発グッズ部門賞」受賞!

Vol.5

バリアフリー通信 vol.5 2010年度

秋の感動をもう一度☆

こんにちは!
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋......みなさんはどんな「秋」を過ごされましたか? わたしたちバリフリスタッフはズバリ「バリフリな秋」。秋のキリスト教講演会から始まり、大学祭、そして、日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムへの参加と一気に駆け抜けました。 今回はそんな「バリフリな秋」の活動報告をお届けします。

1:「バリアフリーな大学祭」報告

i.校内サポート

今年度も大学祭で「校内サポート」を行いました。大学祭をすべての方に楽しんでもらうことが目的です。サポートに入るスタッフは事前に車いすの介助の仕方や、視覚障がいがある方のガイドの仕方に関する講習を受けてから臨みました。

サポートはまず声をかけることから始まります。そして、どれだけ相手の立場に立って考えられるかが重要になります。車いすも自走式、介助者が押すタイプ、電動車いすなどがあります。視覚障がいのある方も見え方は様々ですし、ベビーカーを利用されている方も、どのような場面でサポートを必要とされるかは状況により異なります。


当日、スタッフは青いバリアフリー推進室オリジナルポロシャツを着用し、正門に常駐しました。今年度新たにバージョンアップした学内のバリアフリーマップ(後述)を、ベビーカーや車いすでいらした方々に説明を加えながらお渡ししたり、場合に応じて目的地まで付き添ったりしました。大学祭にいらしたすべての方の要望に応えることができたとは思いませんが、それでも、来場者の方々の笑顔やお礼の言葉から、少しでもお手伝いができたと、楽しんでもらうことができたと感じています。

しかし課題も見つかりました。イベントスケジュールやベビーカー置き場を把握しておくべきだったし、もっとサポート講習の内容を充実させるべきだったかもしれません。来年度以降の大学祭では、今回の反省点を踏まえ、大学祭に参加する各団体とも協力してバリアフリーな大学祭を実現していけたらと考えています。そのためにも今回の「校内サポート」は学内外にバリアフリー推進室の取り組みを知ってもらえる契機にもなったと思います。

文:古沢 みなみ

校内サポートの様子

校内サポートポスター

 

ⅱ.有賀さつきさん講演会でのスクリーンテイク

今年度初めて、私たちバリアフリースタッフは、奨学会・同窓会りてら共催の「有賀さつき氏講演会」においてスクリーンテイク(Vol.4ⅰ参照)をさせて頂きました。この講演会に向けて夏休み前から準備をしてきました。しかし、本格的に動き始めたのは後期に入ってからでした。

昼休みの練習はほとんど毎日。パソコンテイカー2人で連携ⅰの練習をするなどの個人練習を主にし、週1回のペースで、緑園のチャペルサービスでリハーサル形式の練習を行いました。また、授業の空き時間を使っての練習もしました。バイトや習い事で予定が詰まっていた私ですが、放課後(5限後)に集まって練習するというのがほとんどなかったので、両立することができました。

そしてこの講演会では、パソコンテイカ―2人の連携チームが2組、スクリーンに上がった誤字を直す人が1人、テイカーの補助をする人が4人、合計9人という新しいスタイルⅱで講演会に望みました。

講演会前に原稿をいただき、あらかじめ予習などの準備をできる場合もあるのですが、今回の大学祭では、すべてその場で聞いて打ちました。本番では誰もが真剣そのもの。連携はばっちりでした。回数を重ねれば重ねるほど、テイクの質も上がってきているような気がします。

講演中、どんな時でも私達テイカーは喋ってはいけないのがルール。トラブルもあったのですが、テイカー同士筆談で連絡を取り合い、乗り切ることが出来ました。
終わった後は達成感でいっぱいでした。でも「もっとこうしておけば良かった」という思いは時間が経てば経つほど出てきます。次回以降、同じ失敗をなるべく避けるために、講演会後は必ず反省会をしています。 誰かの役に立ちたいという思いさえあれば、誰でも活動できます。是非一緒に活動してみませんか?スタッフ一同お待ちしております。

文:大田 沙那恵

講演会の様子

 
 

ⅲ.2010年度版バリアフリーマップ

大学祭での校内サポートの一環として『バリアフリーマップ』を作成し、配布しました。これは、学内の段差のない道、エレベーター・車いす用お手洗いの設置個所など、「誰もが安全に、そして安心してキャンパスを使える」ための情報を、既存のキャンパス図に加えたものです。カラーのほか白黒反転バージョンも用意しました。

初版は2008年に作られましたが、

  • A3サイズに両面印刷したタイプだったため、掲載できる情報が限られていた
  • この2年間に行われた校内のバリアフリー工事で、仕様が変わった個所があった
  • 緑園キャンパスしか作られていなかったので、山手キャンパスのマップも作成したい!

以上の理由から、改訂版を作成する運びとなりました。

前回のVol.4でお伝えした通り、緑園・山手両キャンパスをスタッフで調査しました。段差、カウンターの高さ、またエレベーターのサイズの測定など、いわゆる「普段」気にしない点までも調べる、「バリアフリーな」見方をすることで、新たな発見がある、貴重な機会になりました。

その後編集作業を行ったのですが、想像以上に大変でした。初めて大学にいらした方にもわかりやすいマップを目指していたので、バリアフリーな情報のほか、大学に通っている人には当たり前の情報も書く必要があることを、編集途中で気が付きました。また、キャンパス図に邪魔をしない文章のレイアウトを連日考えました。そのような過程を経て、22ページにも及ぶ『バリアフリーマップ』が完成しました。

多くのスタッフの思いが詰まったマップは、大学祭2日間、車いすの方、ベビーカーをお持ちの方を中心に渡させていただきました。受け取った方はご覧いただけたでしょうか?これからも多くの方からの「愛」を受けながら、進化を遂げていくことを期待しています。

文:吉弘 彩乃

バリアフリーマップ

 
 

ⅳ.大学祭を振り返って

「誰もが楽しめるバリアフリーな大学祭を!」をモットーに、今年度もバリアフリー推進室は大学祭に参加しました。6月に大学祭参加を決定してからというもの、夏休みから準備を開始しました。今年度は例年に比べて活動内容が多いため、個人に対する作業の負担が大きくなってしまいました。

それでもこの3ヶ月間、スタッフ皆がお互い協力し合って活動に取り組めたことにより、より一層団結力が深まりました。また、個人のバリアフリーに対する意識が高まったようにも感じます。

私自身、バリアフリー推進室の大学祭責任者としての立場から今思うことは、多くの団体の方々を巻き込めた、ということです。例年の大学祭もそうでしたが、特に今年度は、周りの方々の協力が無ければ、この大学祭での活動は成し得なかったと思います。本当に関わった全ての方々への感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも今以上により多くの方々を巻き込んで、大学祭だけにとどまらず、フェリスならではのバリアフリーを広めていきたいと考えています。そして、今回の大学祭での反省が次に繋がるように、日々活動していきたいと思います。

文:矢ヶ部 悠子

2:第6回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウムに参加 ―「PR・啓発グッズ部門賞」受賞!

11月14日にPEPNet-Japan主催『第6回日本聴覚障害学生高等教育支援シンポジウム』が開催されました。シンポジウムの一環として行われた「聴覚障害学生支援に関する実践事例コンテスト」に、バリアフリー推進室は昨年度に続き2年連続で出展し、日ごろの活動・取り組みを多くの方にアピールしました。
その結果、今年は「PR・啓発グッズ部門賞」をいただくことができました。以下にシンポジウムに参加したスタッフの声を紹介します。


シンポジウム前半は、パソコンテイクのスキルアップ講座に参加しました。他大学の学生とともに練習やディスカッションを繰り返し、パソコンテイクのコツを掴むことができました。

そして後半の実践事例コンテストでは、これまでのバリアフリー推進室の活動を「情報保障GuideBook」などのグッズを通してアピールしました。ブースに立ち寄って下さる方々から、日々の活動の維持や活性化のために行っている取り組み(他大学と合同の研修会、学内啓発活動など)について教えていただくなど、今後の私たちの活動を考える上でも有意義な時間となりました。フェリス以外の学生の方と交流するのは初めてだったため、聞くことすべてが新鮮で、とても良い経験になりました。

このようなシンポジウムに参加できたことに深く感謝し、この先のフェリスでの活動に大きく活かしていきたいです。

(文:佐藤 和可子)

シンポジウムの様子

 
 

いかがでしたか?
しばらく大きなイベントはありませんが、今後は講義でのノートテイクを継続し、3月の卒業式でのスクリーンテイクに備えます。寒くなってきましたので、皆さまも体調には気をつけて、素敵なChristmasをお迎えくださいね。

(更新日:2010年12月02日)

ⅰフェリスでのパソコンによるノートテイクは、2人以上のノートテイカーで1つの文章を完成させていきます。2人以上で協力することを「連携」といいます。
ⅱ今回のスクリーンテイクは、テイカーの補助をする人を今までの2倍に増やし、また新たに誤字を直す専門の人を設け、新しい体制で挑みました。
バリアフリー通信 Vol.4 2010年度
  1. 学事での情報保障 ―入学式と春のキリスト教講演会
  2. 学外からの見学 ―三重大学教育学部荒川先生ご訪問

Vol.4

バリアフリー通信 vol.4 2010年度

2010年度前期の活動報告

こんにちは!!

酷暑だと思ったら雨が降り...と不安定な天気の中、期末試験が終わり、早いもので夏休みに入りましたね。
バリアフリー推進室は2010年度に入り、学生スタッフ体制などリニューアルを行いましたが、今年度も引き続き、講義でのノートテイク(Vol.1注参照)をはじめとする活動を行っております。また、校内のバリアフリー化をさらに進めるため新しいチャレンジも行いました!!!
そこで、今回のVol.4では、2010年度前期の活動を振り返ってみたいと思います。

1:学事での情報保障 ―入学式と春のキリスト教講演会

バリアフリー推進室では、2009年度春のキリスト教講演会から、学内行事でのスクリーンテイクⅰを実施しています。2009年度卒業式に引き続き2010年度も、入学式と5月に行われた春のキリスト教講演会でスクリーンテイクを実施しました。

スクリーンテイクを行うのは、聴覚に障がいを持つ方への情報保障が第一ですが、それだけではなく、言葉を文字化することにより、たとえばマイクの反響などの関係で聞き取りにくい部分でも「すべての方」に理解していただけるというメリットがあるから。「バリアフリーな講演」への一歩となっているからです。そして、講演される方、来賓の方、学生やその保護者など、様々な方に「バリアフリー」や「情報保障」を知っていただく貴重な機会だと思い、行っています。

大学の行事ということで、授業サポートとは異なり多くの方に見ていただく機会となったので、私たち学生スタッフは身が引き締まる思いでした。また新しいスタッフも迎えていたので、講義の空き時間やお昼休みなどを使い、打ち合わせや練習を行い、質の高い情報保障を行うための準備を行っていきました。

当日はとても緊張をしましたが、スタッフ同士の支え合いもあり、無事に情報保障を行うことができました。また、式典後は、「スクリーンテイクがあって助かった」という生の声をいただき、私たちの活動が多くの方の助けになった―"For Others"の実践の機会となったことを実感しました。

2010年度の大学祭でも、講演会でのスクリーンテイクを行う予定です。機会がありましたら、「バリアフリーな講演会」に是非足をお運びくださいね。

文:吉弘彩乃

入学式でのスクリーンテイク

2010年度入学式でのスクリーンテイク
(バックヤードでモニターを見ながらテイクを行いました)

キリスト教講演会でのスクリーンテイク

2010年度春のキリスト教講演会でのスクリーンテイク
(右手奥が講師、左手が文字を映し出すスクリーンです)

2:学外からの見学 ―三重大学教育学部荒川先生ご訪問

7月末、我がフェリス女学院大学のバリアフリー推進室のスタッフが実際に行っている、授業のサポート体制を見学するために、三重大学教育学部の荒川哲郎先生が訪問されました。今回見学されたのは、パソコンを使ったノートテイク(Vol.1注参照)という方法で利用学生のサポートを行っているゼミ方式の授業でした。

ノートテイカーは、授業内容を保障することが第一の目的ですが、私たちが何気なく聞いている先生の「例え話」や、生徒たちの「笑い声」なども、利用学生には授業を深く理解するための立派な情報となります。私たちスタッフは、そういった教室内に聞こえてくる全ての「音」を、臨場感溢れるように文字化することを心掛けています。荒川先生は、私たちのノートテイクの様子をご覧になり、「授業の雰囲気を壊さずに、現代ならではの方法ⅱで、工夫して情報を伝えている姿が新鮮だった」との感想をくださいました。

授業後には、荒川先生、サポート利用学生、ノートテイカーに加えて、授業の担当教員、授業を受講しているゼミ学生を交えての交流会を行いました。バリアフリー推進室のサポート体制が完成する以前の話をしたり、困っている人がいたら教員や学生皆が自然と手を差し伸べられる姿勢をもつことの大切さについて話をしました。また荒川先生は、私たちバリアフリー推進室スタッフが目標として掲げている、「ALL FOR ALL(皆が皆のために)」というスローガンにも深く共感して下さいました。

今回荒川先生が訪問されたことにより、私たちスタッフも、自分たちが日々行っているサポートについて、改めて見つめ直す良い機会になりました。荒川先生、また機会があれば是非フェリス女学院にいらしてください。本当にありがとうございました。

(文:矢ヶ部悠子)

荒川哲郎先生

三重大学教育学部教授 荒川哲郎先生

3:バリアフリー化に向けての取り組み ―段鼻テープ貼りとバリフリマップ改訂版作成

8月初旬、学内のバリアフリー化を目指して、緑園キャンパス内の階段の段鼻に識別テープを貼る作業を行いました。階段の踏み面と段鼻の色が同じような色だと、弱視の方などが階段を降りる際に階段が滑り台のように感じられて恐いことがあるからです。今回の作業が、見えにくい人にとってより安心して安全に移動するための助けになればと思います。

段鼻テープ貼りの様子

書館の階段にもテープを貼りました

そして、バリアフリーマップ改訂版の作成も計画中です。現マップも学生や外部の方に「見やすい」「わかりやすい」と好評ですが... 今年の文化祭に向けてまた更なる進化を遂げようとしています。

バリアフリーマップは、一般的なキャンパスマップとは違います。車椅子での移動ルート、エレベーター設置箇所や、凹凸ある危険な箇所などをしっかりと明記してあるので、どの方にも優しく、わかりやすいものになっています。快適に、そして安全に移動して頂けるようにと作られたこのキャンパスマップを、私たちバリアフリー推進室スタッフ一同で、さらにバージョンアップさせるべく、現在キャンパス内を詳しく調査しています。フェリスの"For Others"の精神を行き渡らせた新たなツールを、文化祭にお届け致します。

(文:小山ちひろ)

調査メンバー

2010/8/2に行った山手キャンパス・バリフリマップ調査メンバー

いかがでしたか?

後期には大学祭も控えています。講演会での情報保障、バリアフリーマップ改訂など「すべての方」に楽しんでいただける、「バリアフリーな大学祭」の準備を行っています。

後日、バリフリ通信にて活動報告をする予定なので、どうぞお楽しみに!!!

ⅰスクリーンテイクとは、ノートテイクを利用する方が複数いる講演会などの大きな会場で行う、パソコンでのノートテイクのこと。ノートテイクされたものが、お客さまに見ていただけるように大きなスクリーンに表示されます。
ⅱ例えば、web上でよく見られる「w」は基本的には「笑う」という意味(わらい→warai→w)を表しますが、私たちスタッフはこれをノートテイクの場面に応用しています。先生の話やゼミ生とのやりとりの臨場感を表現するために、コンテクスト(文脈)を利用学生により正確に伝えるために、「w」を使っているのですが、これを荒川先生は「現代ならではの方法」と表現されました。
バリアフリー通信 Vol.3 2009年度
  1. 別世界体験
  2. スタンプラリー
  3. 校内サポート

Vol.3

バリアフリー通信 vol.3 2009年度

大学祭の感動をもっともっと!

こんにちは!バリフリ通信の第3回目となる今回は、今年のFerris Festival(大学祭)でバリアフリー学生スタッフがおこなった様々な活動を報告したいと思います。

1:別世界体験

今年の大学祭では、視覚障がいを疑似体験できる参加型の企画「別世界体験」を出展しました。これは、来場者の方にアイマスクをつけてもらい、着替え・米とぎ・カギの開閉などの日常生活を体験して頂くものです。この企画で私たちが大切にしたのは、アイマスクで見えない状態では"何もできない"のではなく、見えている時と少し違う感覚や方法を使えば同じことができる、とわかったり、障がいは「別世界」というよりも別の方法を使うことなんだ、と気付くことができたり、そうやって障がいについての理解を深めていただくことでした。

また、体験とともに視覚障がいの見え方や【注】ガイドヘルプ(移動補助)の方法を説明することにより、ただ「障がいは大変」と思うだけでなく、相手の気持ちを理解や配慮し、サポートできるきっかけ作りとなるように企画しました。

今回の企画を通して、私たちスタッフも障がいについてより詳しく勉強する良い機会になりましたし、当日も、私たちが気がつかなかった見方をお客様の感想から学ぶことができました。この経験をいかし、バリアフリーを広められる人間になれるように、スタッフ一同これからも努力していきたいです。

教室内の様子

【注】ガイドヘルプ(移動補助):視覚障がい学生が、安全に移動するのをサポートします。階段や段差があることを伝えたり、腕や肩を持ってもらいながら一緒に歩いたりします。

原文:佐藤 彩郁
編集:羽鳥 靖子

2:スタンプラリー

私は、「別世界体験」と並行しておこなった企画「スタンプラリー」について紹介したいと思います。

大学祭におこしいただいたより多くの方々にバリアフリーについて知っていただくために、緑園キャンパス内でバリアフリー化されている場所や施設7か所に、バリアフリーに関するクイズとスタンプを設置しました。当日は、小さなお子様から大人の方まで、多くのお客様が楽しみながらスタンプラリーして下さいました。クイズをとおして、「バリアフリーについていろいろ考えが変わった!」というお客さまの声もあり、この企画によって多くの方々に、バリアフリーについて考えてもらえる機会を提供できたことを、とても嬉しく思います。また、私自身、この企画にかかわっていくうちに、自分はまだまだバリアフリーについての知識が足りないと感じました。今回の企画での良かった点・改善点を今後にいかしていきたいと思います。

スタンプラリー記念写真

原文:築地 美和子
編集:矢ヶ部 悠子

3:校内サポート

私は、来場されたお客さまの「校内サポート」としておこなった活動を紹介します。

まず、校門付近で、学生スタッフが作成したオリジナルのバリアフリーマップを配布しました。マップには、緑園キャンパスの地図とバリアフリー情報が載せてあります。キャンパスには坂道・階段・重い扉が多いので、場所がよくわかるマップは喜んで受け取ってもらえました。また、マップ配布だけでなく、サポートを必要とするお客さまのお手伝いや、校内の案内もおこないました。安全で快いサポートができるように、サポート講習をおこなうなどして、大学祭前より準備していました。当日、教室の場所などを訪ねる方など、たくさんいらっしゃって、案内役やサポート役としても活躍することができたと感じています。また、今年度より、校内サポートには、バリアフリー学生スタッフ以外のサークルや学生団体からも、ボランティアとして協力してもらうことができ、バリアフリーの輪が広がりました。

私が8号館にお年寄りのお客さまをご案内した時のことです。今日を楽しみにしていたことを道すがら話してくださったり、最後には笑顔で「ありがとう!」と言われたことがうれしく、印象に残っています。

大学祭は、日頃学んでいることを、私たちスタッフが十人十色、様々な個性をのせて皆さまに伝えることのできる良い機会だったと思います。

教室内の様子

原文:永田 優
編集:増田 菜穂

いかがでしょうか?

反省点もたくさんありますが、それをふまえて、また来年度に向けてさらに頑張っていきたいと思います。

来年の大学祭もぜひいらして下さいね!

バリアフリー通信 Vol.2 2009年度
  1. 東京農工大学を訪問
  2. 日本社会事業大学との交流会
  3. 葭原滋男さん講演会

Vol.2

バリアフリー通信 vol.2 2009年度

夏休みの活動報告

お待たせしました!バリフリ通信の第2回目は、09年度夏休みにバリアフリー学生スタッフがおこなった、さまざまな活動を報告したいと思います。

1:東京農工大学を訪問

私たちバリアフリー学生スタッフは、夏休みを利用し、東京農工大学の障がい学生支援サークルamitie(アミティ)を訪問し、交流しました。amitieは昨年できたばかりで、ノートテイクの活動を中心に、私たちと同じように、障がいをもつ学生の支援をしています。ノートテイクと言っても、利用する学生の要望や講義の内容によってやり方が変わります。今回の交流で私たちは、よりよいサポートを実現させるためには、ノートテイクを利用する学生とノートテイカー学生がコミュニケーションをとり、「信頼」を築きあげた上で、お互いの意見を言える関係を築くことが大事だと学びました。また、私たちの今後の活動の向上のためにも、他大学との交流を通して、「自分たちの活動を客観的に見ること」が大切ということもわかりました。これからも、amitieとはもちろん、多くの大学と交流していきたいと思います。

(文:吉弘 彩乃)

2:日本社会事業大学との交流会

日本社会事業大学の障がい学生支援組織 CSSOのメンバーが、フェリスのバリアフリー推進室を訪問してくださり、交流の機会をもつことができました。フェリスと日本社会事業大学という異なる環境において、どのようにして授業サポートをおこなっているのか、どのように授業サポート以外にも活動の幅を広げているのか、といったことが、2時間ほどの時間の中で活発に意見交換されました。とても刺激となり、これからの活動にかかわっていくにあたって、非常に貴重な時間となりました。また、CSSOとバリアフリー推進室の始まりについても情報交換がされました。私は今年度、フェリスに入学したので、バリアフリー推進室の始まりを知りませんでしたが、学生たちのあげた声や力が、今この私がいる空間や活動を作り上げたのだと思うと、人の力というものは本当に計り知れないなと思いました。

集合写真

(文:小山 ちひろ)

3:葭原滋男さん講演会

パラリンピックで数々のメダルを獲得したアスリートであり、また、現在は都庁にお勤めをしている葭原滋男(よしはらしげお)さんをお迎えし、講演会を行いました。大学祭に様々なお客様が来場されることも考慮し、バリアフリー学生スタッフだけでなく、大学祭実行委員会や学友会といった団体からも積極的に参加してもらいました。 葭原さんのお話は、私たちが抱いていた"障がい"というものに対する考え方を大きく覆すものでした。また、コミュニケーションの大切さなども学びました。この講演会で得たものが各自の生活でも生かしていければと感じます。 お忙しい中、お越しいただいた葭原さん、本当にありがとうございました。

講演会の様子

(文:畝本 彩美)

バリアフリー通信 Vol.1 2009年度
  1. バリアフリー学生スタッフの活動紹介
  2. 横浜駅周辺大改造計画シンポジウム

Vol.1

バリアフリー通信 vol.1 2009年度

バリフリ通信創刊号

初めまして、こんにちは。
私たちバリアフリー推進室・学生スタッフの活動をお伝えできる場が新しく出来ました!これから、様々なイベントごとに更新していく予定です。 これを見て、少しでもバリアフリーについて興味を持ってもらえるとスタッフ一同嬉しいです。
記念すべき第一回目は、私たちが日々活動している様子をご紹介します。
さらに、先日参加した【Y150 横浜駅周辺大改造計画シンポジウム】についてもご紹介します。

1:バリアフリー学生スタッフの活動紹介

私たちバリアフリー学生スタッフは、2号館2階の「バリアフリー推進室」を拠点とし、コーディネーターと共にフェリスの学生皆がバリアフリーの意識を持ち、手を貸しあえる大学生となることを目標に、日々活動しています。
私たちの活動の軸は授業サポートです。障がいやバリアに関係なく、皆が等しく授業を受けられることを目標に、ノートテイク(※1)などを行っています。また、ガイドヘルプ(移動補助)(※2)など、大学生活を送る中で必要となるサポートを、その人、その時に合った形で受けられるように活動もしています。サポートの質を高めるために、勉強会やノートテイク講習会も定期的におこなっています。

バリアフリー推進室

また、バリアフリーの意識を大学全体で高めるために、キャンパスのバリアフリーマップや作ったり、キーホルダーなども作って、学生みんなに使ってもらいまし た。今年度からは、バリアフリー推進室のトレードカラーでもある、ピンク色のジャンパーを作り、様々なイベントで着用しています。フェリスの学生なら一度は目にしているかもしれませんね。
さらに大学祭などのイベントにも参加しますが、それも大学全体にバリアフリーを浸透させたいという願いからです。

バリアフリー推進室 活動中1

バリアフリー推進室 活動中2

今年度から本格的に「コアスタッフ」の活動がスタートし、学生スタッフの中心となって、バリアフリーを広げるために精力的に活動しています。
また、常にフラットな関係でいられるように、フェリスのバリアフリー学生スタッフでは代表者を置いていません。上下関係をなくし、スタッフ一人ひとりが積 極性を持ち主体となって活動できるようにという意が込められています。

以上のように、私たちバリアフリー学生スタッフは「みんながみんなのために」という目標を掲げ、「チーム・バリスタ」というスローガンのもと、活動しています。
私たちバリアフリー学生スタッフのこと、少しでも理解して頂けたでしょうか?興味を持ったらお気軽に推進室まで遊びに来てみて下さい。
スタッフ一同心よりお待ちしています。

文:矢ヶ部

※1 ノートテイク...聴覚障がい学生のために、ノートテイカー(文字通訳者)が音の情報や話の内容をリアルタイムで文字にして書き伝えること。手書き ノートテイクの他に、パソコンテイクもあります。

※2 ガイドヘルプ(移動補助)...視覚障がい学生が、安全に移動するのをサポートします。階段や段差があることを伝えたり、腕や肩を持ってもらいながら一緒に歩いたりします。

2:横浜駅周辺大改造計画シンポジウム

今回、バリフリ学生スタッフが参加した「横浜駅周辺大改造計画シンポジウム」と いうのは、横浜の顔としてふさわしい駅と周辺作りの実現を目指して、市民の声を直接、行政や専門家に直接伝えることの出来る画期的なイベントです。第二回 目にあたる今回は大学生によるエキシビジョンとトークセッションが行われ、私たちは日頃の学生生活、そしてここバリフリでの活動を通して作り上げた理想の 街と、その街への願いをたっぷり詰め込んで伝えてきました。今回は、その報告内容をみなさんにお伝えしたいと思います!

バリアのない街☆

常に多くの人々が横浜駅を利用している点に私たちは着目し、その特長を生かした形で、人々のかかわりを深め合い、自分のみではなく周囲の人々の心のバリア を取り除き、互いに支え合い共存していることの実感できる街作りを提案しました。

☆理想の街☆

具体的には、「駅」、のそばに横浜のシンボルとなる「タワー」を設け、この両者を繋げる「街」の3つを一体化させた未来像です。「駅」としては、人々に外 の街に注目して貰いたいと思い、敢えて駅自体の機能だけを残し開放的且つシンプルな建物にしましたが、自然の素材を 建物に組み込む工夫をしています。

その駅から一歩出た「街」では人々に待ち合わせをしてほしい、散歩をしてほしい、ゆったり時を過ごしてほしいと考えました。大通りを3つ作り、それぞれの 道はどのような建物があり、そして今自分がどこにいるのかがわかるように工夫します。さらにすべての道の行き着く先には、シンボルとなる「タワー」に行き 着くことが可能となっています。こうして緑も多く、景観も守られており、誰もが寛げる、安全な「街」を作ります。 最後に、心のバリアを取り除くための大事な役割を果たしてくれる「タワー」は、様々な人が一緒に生きている事を知り、そしてお互いが支え合い、理解し合え ることが出来るための拠り所となるような共有スペースとなる建物です。

シンポジウムの様子

☆最後に
私たちの間には、バリアフリーという言葉の浸透度とは裏腹に、心の中には障がいに対する抵抗感や、差別意識が強いように感じられます。そのこころのバリアを取り除きたい、そのためには「知る」きっかけが必要なのではないかと考えました。そんなきっかけを横浜駅周辺から作ることが出来るなら、非常におおきな意味をもつように思えるのです。人として互いに支え合うことでよりよい街、そしてよりよい社会作りにつながるのだ、と信じています。みなさんも私たちの提案から感じ取ってもらえたら嬉しいです。

最後に

文:小山

フェリス女学院大学 バリアフリー推進室

〒245-8650 横浜市泉区緑園4-5-3
TEL:045-812-8315  FAX:045-812-8467  e-mail:barrierfree@ferris.ac.jp
場所:緑園キャンパスCLA棟2階
開室時間:平日 9:00~18:00