国際交流研究科
国際交流専攻

昨今の世界の変化、とりわけグローバリゼーションは歴史の巨大な変化と共に進展し始めて、多くの難題が立ち現れるに至りました。階層間、地域間、民族間などでの格差の拡大や、地球規模での環境破壊など。そのような現状をとらえるためには、グローバリゼーションに組み込まれつつある世界の各地域についての観察も必要です。私たちが生活の本拠をおく日本社会もまたそのような地域の一つでしょう。それゆえ現代日本が直面する諸問題にも取り組まなければなりません。

以上のような考えから、本研究科前期課程のカリキュラムはグローバリゼーションに関わる3つの科目群から構成されています。第1群「グローバリゼーション研究」では現代社会、国際関係、社会運動の関係において理論的分析力の涵養をはかります。第2群「グローバリゼーションと地域社会」では世界の各地域社会、各地域文化との関係においてローカル・ノリッジの獲得に力点を置きます。第3群「グローバリゼーションと日本」では日本と諸外国の関係において、身近な日本を対象として国際的な関連の中にある社会諸現象の具体的な理解を促進します。院生は一つの群に軸足をおきつつ、他の2群にも目を配り、全体を大きく見渡すことが求められます。また各群にキリスト教関連科目がおかれていることは、全体を統一する視点に、本学の建学の精神が位置づけられていることを表します。

世界が歩みつつある新しい状況の中で適切に対処するためには、社会諸科学の知と具体的生活体験の接触と交流によって、新しい学問的知見を求めていかなければなりません。つまり職業生活や社会生活を体験している者はそこで遭遇した諸問題を諸科学と、諸科学をいわば座学として学んできた者はそれらを実社会の現実の問題と、積極的に対比し、ぶつけ合うことによってこそ、新しい展望がひらかれるのです。そのような知と実践の相互刺激をめざし、本研究科では社会人を積極的に受け容れ、研究者との切磋琢磨をはかっています。またジェンダー関連科目を必修にした上で、男女共学制を実施しています。

さらに、研究を文献や資料に裏付けられた確実なものにするために、「文献講読」、「言語演習」などの科目がおかれています。また研究を現実の体験や理解によって裏付けるためには「国際交流実務研修」があり、海外の様々な団体・機関などで行った活動を単位認定の対象としています。 前期課程においては、国際交流に関わる領域で、専門的な見識と高い教養を備えた職業人の養成を図ります。たとえばいくつかの専門性にまたがる実践応用分野で、現地のフィールド調査を行い、現地の住民に何が大切であるかを判断できる人材です。長期履修制度を導入して、じっくり学び、考えを深める環境も用意しました。

また本研究科後期課程では、みずからの設定した研究テーマについて高度に専門的な理解を深めることを目的とします。そのために指導教授の「特別研究」を履修し、毎年度始めに研究計画書を、毎年度末に研究報告書を提出して、研究を進めていきます。「学位申請論文」を提出するためには、まず「論文計画書」と「予備論文」の提出が義務づけられます。いずれも総合的かつ学際的視点と独創性を備えた研究を実現させるための制度です。 後期課程を修了した者は、専門知と実践知を媒介し、従来の専門諸分野の越境とそれによる新たな綜合を特徴とする研究者あるいは専門研究職ポストに就くことが期待されます。

夜間および土曜日開講

社会人が勤務を続けながら大学院で学ぶ機会を拡大するため、本研究科では昼夜開講制を採用しています。昼間、夜間、土曜のいずれの授業も受講することができるフレキシブルなカリキュラム体制を整えています。

じっくり学べる長期履修制度を導入

博士前期課程は、着実な学習計画の展開に配慮して長期履修制度を導入しています。標準修業年限を4年(最大8年)とするもので、余裕をもって研究論文にとりくむことができます。年間の履修登録単位も8単位におさえているため、学生は自分のライフスタイルに適したペースで、経済的負担を重くせずに学修できます。
[注意] 外国人の方が「長期履修制度」の利用を希望する場合は、出願前に入試課に連絡の上、必ず制度の内容に関する説明を受けてください。

修了レポートを導入

社会人は2編の修了レポート、「経験と時代」と「テーマ研究」によって、修士論文に代えることができます。前者は自己の社会体験(職業、家庭、社会、地域、外国など)を整理し、それを時代や社会の中に位置づけて考察するもの、後者は自分で設定したテーマについて、リサーチしてまとめるものです。経験と学習の二つを生かし、相互に参照させつつ発展を図る新たな試みです。

男女共学制

フェリス女学院は日本最初の女学校として、建学以来、女子教育の拡充に努め、女性の自立と男女平等の実現に尽くしてきました。しかし大学院レベルにおいては、現実社会における女性解放理論の有用性を検証したり、ジェンダー枠組の形成過程や問題点について研究するためには、男性側からのアプローチを交えた相互の意見交換も必要だと考えています。そこで国際交流研究科では、女子大内に男女共学制大学院を設置し、ジェンダー関係の授業科目を豊富に揃えて、女性と男性がともに学び合う場を提供しています。(なお、男女共学制の導入は国際交流研究科に限定されており、他研究科および学部の講義の受講は、女性に限られています。)

活動紹介

院生研究会(2017年度)

2017年

1月30日

大木 麻由佳

日本におけるハーブ利用の経緯と今後の展望
―健康維持を目指した若者への普及の可能性を探る―

川上 彩華

サッチャー政権のネオリベラル教育政策による社会的排除とその克服

7月25日

大木 麻由佳

日本におけるハーブの普及経緯と今後の展望

川上 彩華

サッチャー政権のネオリベラル政策と教育

過去の院生研究会

院生活動報告書『グローカル』

2001年4月以来発行されている院生の活動報告書です。
研究論文、講演会、修論・博論要旨、書評などが掲載されています。

グローカル