Ferris Alumni Gallery#28

焦りながら集めた学生時代の“点”が、今の私を形づくる一本の線になった

高木 ひかる

株式会社TeaRoom
文学部コミュニケーション学科 2022年卒業

Category

心理コミュニケーション学科/その他

2026/07/14

現在のお仕事内容を教えてください

株式会社TeaRoomというお茶のスタートアップ企業で、CEO室長として、事業部やグループ会社の業務や、広報・採用・コーポレート領域まで、組織全体を横断して関わる仕事をしています。創業期からチームの一員として参画し、立ち上げから成長のプロセスを内側で支えてきました。TeaRoomは、「対立のない優しい世界を目指して」という理念を掲げ、お茶の国内外での生産・販売活動だけでなく、文化を起点とした体験創出やそれらを社会化する活動を行っています。私は、会社の中ではChief of staffといわれる役割をしており、社長が生み出す価値が世の中に届くように、経営と組織の間に立ち、事業の立ち上げやクライアントワーク、社内間の調整、ブランド戦略の立案やイベント企画などに従事しています。

仕事のやりがいを教えてください

私にとって一番のやりがいは、創業より提唱していた価値が、事業活動を続けている中で徐々に社会に広がっているという感覚や、共感してくれる方や企業が増えていると肌で感じられる瞬間です。
もともとお茶との関わりは高校の茶道部や、母や祖母など身近な家族の影響がきっかけでした。当時は深く考えてお茶をはじめることを選んだわけではありませんでしたが、その「なんとなく好き」が、気づいたらキャリアの軸になっていたことも、今となっては不思議な感じがします。
立ち上げの段階から関わってきたブランドが実際に形になったり、サービスや事業を通じて企業と向き合う中で、「あのとき積み重ねてきた活動や判断が、ちゃんとここにつながっているんだ」と実感します。

スタートアップという環境ならではの特徴として、企画段階の構想から製造、撮影、その後の広報対応まで、一連の流れに携わりながら、会社の現在地を更新し続けられていることが、私にとっての大きなモチベーションになっています。

どのような大学時代を過ごされたか教えてください

正直、第一志望として希望して入った大学ではなかったこともあり、入学当初は「ここで本当に良かったのだろうか」という、言葉にしにくい焦りのようなものをずっと抱えていました。フェリスでの授業は聞き逃すまいと真剣に取り組んでいましたが、大学内の世界だけに留まっていることに物足りなさを感じ、1年生の頃から学外の学生団体やインターンシップに積極的に飛び込んでいました。学生団体での活動のご縁より、ベトナムのクッキングスタジオでお茶のレッスンを企画・運営したり、国内外のインターン先を探して飛び込んだりしながらとにかく動き回っていました。アルバイトで稼いだお金も英会話などの習い事に使ったり、どうやって自分自身を成長させられるかを必死に考えていた時期だったと思います。

気になる領域のインターンシップや活動には機会を見つけて参加し、とにかく動くことを繰り返しました。会いたいと思った人のところには、お金も時間も惜しまず足を運びました。あの頃の自分は、怖いもの知らずだったなと思います。

そうして動き続ける中で出会ったのが、当時まだ創業から半年ほどだったTeaRoomで、インターンとして飛び込んだその会社が、今も働き続けている場所です。

今のキャリアを選択した理由を教えてください

キャリアの選択をするとき、私は「規模の大きな会社に身を置く」という道と、「時間と熱量を注いだ会社にとどまる」という道を、検討しました。それでも最後に心を決めたのは、当時の私に、大切な仕事を任せてくれて、何度も背伸びする機会を与えてくれた環境への感謝でした。

信頼に応えたい、この環境でもっと成長したいと思い、今のキャリアを選びました。

高校生、在学生へのメッセージをお願いします

現在は、日常生活や仕事の中でも身近になったAIを活用することで、自己分析や志望動機、面接の台本まで整えてくれる時代です。でも、その整った言葉の奥に自分の意思と再現性があるかどうかが、これまで以上に問われる時代でもあると感じています。言葉をきれいに整えること以上に、その言葉を生み出す自分自身の土台を作ることに、今から時間を使ってほしいと思います。

その土台になるのが、「社会を知ること」だと私は考えています。社会がどんなシステムやルールで動いているか、なぜそれが起きているのかを問い続けると、最初は見えなかったものが少しずつ見えてきます。表面の出来事の裏にある構造が見えると、自分なりの考えが一歩前へ進む。その積み重ねが、いざ選択を迫られたときの自分の軸になります。
また、新たなことに取り組む際には実力や実績がないから自信が持てない、という悩みはよく起こりますが、実はその背景には背伸びをして挑戦させてもらえる環境にいない、という場合があります。無理をして茨の道を選んで欲しいと言いたいのではなく、外部環境によって自分の力を少し引き上げてくれる場所を、自分の意思で選び取ってほしい——そのための材料を集める時間として、これからの高校生活や大学生活を使ってみてほしいです。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

My Career

01学生時代

第一志望ではなかった大学への入学に、漠然とした焦りを抱えていました。だからこそ、学外での学びも大切にしたいと考え、1年生から国内外のインターンシップやプログラムへ積極的に参加していました。その中で、自分で見つけたスタートアップ「株式会社TeaRoom」にインターンとして参画。学生時代の多くの時間と情熱を注ぎ、実践の中で事業づくりや組織運営を学びました。

02現在(2026年)

TeaRoomに入社後、CEO室を基盤に、共創事業、事業開発、広報PR、採用、バックオフィスなど複数領域を横断して担当しています。現在は、新規事業の立ち上げやプロジェクト推進、社内外のステークホルダーとの調整を担いながら、日本文化やお茶の価値を現代社会に実装するための事業づくりに取り組んでいます。

03今後の目標

今後は、人と人、事業と社会とをつなぎながら、新たな価値を広く共創できることを目指しています。

現在に生きる
フェリスの学び

学生時代の経験
高田ゼミでは「物語の訴求構造分析」について学んでいました。広告やアニメ、漫画など読み手にメッセージを伝える対象について、物語構造分析の手法を用いてその訴求構造を明らかにし、意味や背景について読み解くといった研究です。 4年次には、企業広告のメッセージとSNS上の受け手の反応を比較・分析し、発信者と受信者の間に存在する「期待値」に着目して卒業論文を書きました。
身についた力
社会背景や時代ごとの価値観を踏まえながら、発信の意図やその背景にある前提を読み解き、自分なりの仮説を立てる力を培いました。また、「なぜこの現象が起きているのか」「この発信の背景にはどのような文脈があるのか」と問い続ける姿勢は、今も考え方のベースになっています。実践をもちいた授業も多かったため、コミュニケーション学への多面的な理解も深まりました。
仕事で活きた場面
現在は、社内では経営層や事業部、グループ会社のメンバーと、社外では企業や自治体、教育機関など多様なステークホルダーと関わっています。その際、それぞれの立場や期待、背景にある価値観を理解しながら対話を重ねることを大切にしています。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

一覧へ戻る