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日本語教員養成講座

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日本語を母語としない人、主に外国人に日本語を教える「日本語教員」は、国際化の進展に伴い年々ニーズが高まっています。優秀な日本語指導者を求める国内外の声に応えるべく、フェリス女学院大学では「日本語教員養成講座」を開設。日本語のみならず、日本文化の伝達者としても正確な情報を発信できる人材育成に努めています。その学習を通して異文化コミュニケーション能力を向上させることもできます。本講座には「専修」「主専攻」「副専攻」の3課程があり、志望に応じて自由に選択できます。もちろん学部・学科を問わず履修することができます。

日本語を母語としない人、主に外国人に日本語を教える「日本語教員」は、国際化の進展に伴い年々ニーズが高まっています。優秀な日本語指導者を求める国内外の声に応えるべく、フェリス女学院大学では「日本語教員養成講座」を開設。日本語のみならず、日本文化の伝達者としても正確な情報を発信できる人材育成に努めています。その学習を通して異文化コミュニケーション能力を向上させることもできます。本講座には「専修」「主専攻」「副専攻」の3課程があり、志望に応じて自由に選択できます。もちろん学部・学科を問わず履修することができます。

海外実習

フェリス女学院大学のプログラムの最大の特色は、国内の日本語学校だけでなく台湾、中国にある協定校でも日本語教育実習を行っていることです。海外で現地の人々と交流しながらの実習は、実践的なスキルを身につけることができ、高い効果をあげています。卒業後に海外で日本語教員として活躍している人もいます。

華東師範大学(中国・上海)
輔仁大学(台湾・台北)

資格取得にも対応したカリキュラム

各課程の所定単位を修得し卒業した学生には、フェリス女学院大学認定による「修了証書」を交付します。フェリス女学院大学のカリキュラムは、日本語教育学会認定の「日本語教育能力検定試験」に対応した科目群を整えており、効率的に検定合格をめざすことができます。日本語教員をめざす勉強は専門学校などでも可能ですが、期間や費用を考慮すると、大学在学中に資格を取得できるのは大きなメリットです。

日本語教員養成講座の開講科目(2025年度以降入学者)

区分 開講科目 40単位コース※ 30単位コース

1
日本語教育学概論 4 4
多文化共生論入門
国際社会と地域

2
社会言語学
2

2
英語学入門
異文化コミュニケーションの理論と実践
2

2
Thought and Expression in English
談話分析

3
第二言語習得論(日本語)
2

2
第二言語習得論(英語)
心理学概論
学習・言語心理学
教育心理学

4
日本語学習のコースデザイン 2 2
日本語教育の教材分析 2 2
日本語教授法 4 4
日本語教育実習1 2 2
日本語教育実習2 2 2
地域日本語教育実習 2 2
音声教育法
コミュニケーション文化論
コミュニケーションと社会・文化・共生
教育の方法・技術(情報通信技術の活用含む)

5
日本語学概論 4 4
日本語教育文法 2 2
日本語の歴史
日本語学演習
日本語学特講
コミュニケーション概論
ことばと心理
日本語Ⅰ
日本語Ⅱ

6
日本語教育研究の方法 2
            ほか

※40単位コースは表中の単位数に加え、選択必修として「〇」の科目から8単位以上を修得する必要があります。

日本語教員養成講座の開講科目(2024年度以前入学者)

主な開講科目 課程と最低修得単位数
専修
60単位
主専攻
45単位
副専攻
30単位
Ⅰ言語の構造と変異 1.総論 言語学概説/日本語学概論A・B 4単位 4単位 2単位
2.各論 日本語の形態と構文/話しことばを分析する 8単位 4単位 2単位
3.諸外国語の研究 日本語の歴史A・B/日本語の文体と語法 2単位  - -
日英語の発想と表現/海外語学実習  -  -
Ⅱ日本語教育 日本語教育学概論A・B/日本語教育研究の方法 4単位 4単位  2単位
日本語学習のコースデザイン 2単位 2単位 2単位
日本語教育の教材分析 2単位 2単位 2単位
日本語教育文法 2単位 2単位 2単位
日本語教授法A 2単位 2単位 2単位
日本語教授法B 2単位 2単位
日本語教育のための異文化理解/地域日本語教育実習/年少者日本語教育実習 6単位 4単位 2単位 
日本語教育実習1・2 3単位 3単位
Ⅲ地球社会 1.日本社会の理解 日本経済の歴史/日米関係史 6単位   4単位  2単位
2.地球社会の理解 身体としぐさの心理学/多文化・多言語社会を考える  6単位  4単位  2単位
3.その他 通訳技法/Summer Abroad -
※編入学者については、他大学または短期大学において修得した単位が、講座修了のための単位として認定される場合があります。
※表中の単位数に加え、自由選択として専修11単位、主専攻8単位、副専攻10単位を修得する必要があります。

カリキュラムマップ

履修者の声

日本語日本文学科 S.Sさん

「これからの日本で共に生きる力」

現代日本は海外にルーツを持ちながら日本で生きる人々が多くいます。学校でも職場でも、ちょっとしたコンビニでも日本語を母語としない人が共に働き、生活しています。日本の国際化に必要な力は何か。そう考えた時、私は「日本語教員養成講座」を選びました。

「日本人」だから「日本語」のプロだと、少しだけ自信がありましたが、すぐに一掃。養成講座では改めて自分の母語やアイデンティティと向き合うことが多かったです。また、関連するボランティア活動を通じて「日本語教育」以外の面でも成長できました。

「日本語教員養成講座」の醍醐味は日本語学校での実習です。教材分析から教案作り、模擬授業まで丁寧に準備を行うので、本番は緊張しつつも、自信をもって教壇に立つことができます。

私たちは教育上での「教える」「教えられる」立場を自然と受容してきたと思います。しかし、「日本語教育」ではより多角的な「教師」と「学生」の関係性があります。日本語を学ぶ人々は異なる背景やルーツを持ちつつ「たまたま日本語が母語ではない人」であり、教え、時に教えられる関係性があります。だからこそ互いを「尊重」「尊敬」する考え方が必要で、その上で、言語教育、異文化理解が広がるのだと養成講座を通じて学びました。

日本語教師に限らず、「日本語教員養成講座」で培った考え方や経験は、母語も文化も異なる人々と、これからの日本で共に生きていくための力になると私は確信しています。

卒業生の声

S・Eさん(専修課程 2012年度修了) 勤務先:サイアム大学(講師)

即戦力を育てる講座

日本語教師は教師歴に関係なく、仕事を始めたその日から即戦力になることが求められます。私がはじめて日本語教師として働いた学校では、教科書選びから全て自分一人でしなければなりませんでした。1年目からこれらをこなすことができたのは、教育実習を経験していたからだと思います。実際の実習だけではなく、模擬授業も私にとって良い経験でした。模擬授業では、経験豊かな先生にたくさんのアドバイスを頂きながら、実践で必要なスキルを身に付けることができます。

また、異文化の授業では多様な価値観があることを学びました。海外で働く今、異文化を柔軟に受け入れることができるのも養成講座を受講していたからなのだと思います。

A・Mさん(副専攻課程 2009年度修了) 勤務先:千駄ヶ谷日本語教育研究所付属日本語学校(講師)

学生と楽しく学ぶ日々

「先生! 『雨が降るそうだ』と『雨が降るらしい』は何が違いますか。」「おじいさんを『老人』と呼んで怒られました...」

現在、東京都内の日本語学校で日本語教師として働いています。日々、学生から様々な難しい質間を受け、ヒヤッとすることもありますが、毎日和気あいあいと楽しく日本語を教えています。

私は在学中 日本語教員養成講座の副専攻を受講しました。日本語教師は言語だけでなく、社会や文化、心理など幅広い知識が求められます。フェリスの講座には日本語教育能力検定試験にも対応した様々な授業があり、必要な知識を得ることができました。フェリスで学んだ知識や経験が、現在でも現場で役に立っています。

T・Aさん(主専攻課程 2005年度修了) 勤務先:千駄ヶ谷日本語教育研究所 横浜校(職員)

グローバル社会で活かせるスキル

私は現在、千駄ヶ谷日本語教育研究所という日本語教育機関の、日本語教師養成部で学生課スタッフとして働いています。主な業務は、日本語教師を目指す方達のサポートです。日本語教師を目指して頑張っている方達をサポートできる仕事はとてもやりがいがありますし、修了生が日本語教師として活躍している姿を見ると、自分のことのようにうれしいです。フェリスの日本語教員養成講座で学んだことを活かせていると実感する毎日です。

日本語教員養成講座は文学部開講科目が中心の講座ですが、私のように別の学部生でも主専攻を取得することができます。学生の学びたいという気持ちに沿うフレキシブルなカリキュラムはとても素晴らしいと思います。

現在、日本への留学生はますます増加していますし、これからは日本語教師はもちろん、その他の職に就いていても、さまざまな場面で日本語教育は必要になるはずです。

グローバルな社会へ飛び出す皆さんのスキルのひとつになると思いますので、海外や教えることに興味のある方は是非チャレンジしてください。