グランドデザイン
『Ferris Univ. 2030』 グランドデザイン
(2019年5月策定)
フェリス女学院大学では、大学の長期的なビジョンとしてグランドデザインを策定しています。 大学グランドデザイン『Ferris Univ. 2030』は、『Ferris Univ.2020』の検証の上に成り立ち、2つの中期計画「21-25 PLAN」「26-30 PLAN」によって構成されます。 2021年度から2030年度にかけての10年間は、加速度的に大きく変化する社会の動きにいかに柔軟に対応し、そのなかでどのように大学の価値を示していくかが重要な課題となります。
『Ferris Univ. 2030』では、次のような項目を柱とし、これをもとに中期計画を策定、計画を実現していきます。
1)「建学の精神:キリスト教の信仰に基づく女子教育」「教育理念:『For Others』」のさらなる明確化・具体化
フェリス女学院はキリスト教精神に基づいた日本最初の近代的女子教育機関として誕生し、学院150年の歴史と伝統のなかで醸成された教育理念「For Others」は今日に至るまで引き継がれています。大学においても、日常的な環境の中で、また、学びの場において、「建学の精神」と「教育理念」はさまざまな活動の基本方針となっています。
大学グランドデザイン『Ferris Univ. 2030』においては、キリスト教研究所、宗教センター、ボランティアセンター、バリアフリー推進室を中心に、「建学の精神」「教育理念」を具体化する活動を推進することにより、本学の特徴をより明確化し、その意義を学内外に広く示していきます。さらに多文化共生に向けた活動、環境への取組みなど、学生たちの日々の実践とむすびついた形で、教育理念のさらなる具体化を推進します。
2)『Ferris Univ. 2030』における「新しい時代を切り拓く女性」が目指すもの
『Ferris Univ. 2030』では、2030年に向けた10年間の育成すべき人材像として「新しい時代を切り拓く女性」を掲げます。 育成すべき人材像「新しい時代を切り拓く女性」は『Ferris Univ. 2020』を基本的に継承するものです。しかし『Ferris Univ. 2030』ではとくに、2017年4月に策定した大学全体の「三つの方針」で、社会の変化に対応するためにどのような時代であっても求められる普遍的な力として「教育目標」に掲げた、次の6つの能力および知識・技能を修得・涵養し、総合的に活用できる人材を養成します。
- 教養および専門的知識・技能
- 言語運用能力
- 課題発見・解決能力
- コミュニケーション能力
- 他者との協働・共生力
- 新しい価値の創造力
なお、「建学の精神」「教育理念」は恒久的ですが、育成すべき人材像として掲げた「新しい時代を切り拓く女性」については、産業界を始めとした社会の動向や要請、国際化の進展など、その時代に応じて変化しうるものであり、必要に応じて見直し、検討することになります。
3)大学中期計画「21-25 PLAN」の重点課題 ~『Ferris Univ. 2030』を推進するために
『Ferris Univ. 2030』を実現するために、大学中期計画「21-25 PLAN」では重点課題として次の事業に取り組みます。
- 語学教育カリキュラムの改革
- ラーニングコモンズの活用・推進
- CLAの検証とさらなる発展
- 国際センターを中心とする国際交流活動の検証とさらなる発展
- 音楽学部改革(新音楽学部)の推進と検証
- 音楽研究科の改組統合の検討
- 新学習指導要領に対応した入試制度の検討
- 高大接続を観点に入れた教育改革の推進
- 大学公式サイトリニューアルに向けた検討
- 既存の施設設備の老朽化を見据えたキャンパス整備の検討
4)グランドデザイン『Ferris Univ. 2040』に向けて
2018年11月に中央教育審議会から「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」が発表されました。今後、この答申に基づいた制度改革が行われ、それに伴う対応が必要となります。それ以上に、グローバル化の進展、社会的・経済的な予測できない転換など、高等教育機関を取り巻く環境はこれまで以上に急速な変化を遂げて行くことが予想されます。
各年度の事業計画・中期計画の遂行により、グランドデザイン『Ferris Univ. 2030』を推進しつつ、恒常的に次のような点についても考慮し、グランドデザイン『Ferris Univ. 2040』に向けての準備を法人と一体となって進めてまいります。
教育の質保証
18歳人口の減少に伴い見込まれるさらなる学生の質の変容に対して、教育の質をどのように保証していくのか。
学生及び教員の多様化への対応
社会情勢の影響による受け入れ学生の多様化、時代の変化に対応した幅広い教育プログラムを実現するための教員の多様化などに、本学としてどのような姿勢で臨むのか。
将来の発展に向けた組織運営
予測不可能な、しかし避けることのできない外的要因に対応しつつも、「建学の精神」「教育理念」を継承し、社会に本学の特色や存在意義を示していかなければならない。そのために必須となるガバナンスの強化、将来の発展に向けた安定した組織運営をどのように構築していくのか。