Ferris Alumni Gallery#32

ドバイを拠点に、多様な文化のなかで世界中の「旅」に寄り添う

根目澤 えり

エミレーツ航空(Emirates Airline)
国際交流学部 国際交流学科 2024年卒業

Category

国際社会学科/専門職

現在の仕事について教えてください

エミレーツ航空で客室乗務員として働いています。ドバイを拠点に世界各地へ飛び、多様な国籍・文化的背景を持つお客様やクルーと出会う毎日です。

客室乗務員の仕事は、安全を守りながら、お客様に快適に過ごしていただけるようサービスを提供することが基本です。エミレーツでは、そこに「多様な人とチームを組んで働く」という魅力があります。毎回異なる国籍のクルーとチームを組み、さまざまな文化や価値観を持つお客様をお迎えするため、同じフライトは一つとしてありません。その場の状況を見ながら考え、周囲と連携して対応する力が求められます。また、緊急事態への対応や、機内で体調を崩されたお客様への救護対応に加え、機内の保安を守る役割もあります。

そして、エミレーツの客室乗務員として、そのブランドらしいサービスやホスピタリティを機内で体現することも大切な役割だと感じています。その中で実際に働いてみて強く感じたのは、クルーの親しみやすさや人の温かさでした。エミレーツには、国籍や役職に関係なく、初めて一緒に働く人ともすぐに打ち解け、自然体でコミュニケーションを取るクルーが多くいます。

その親しみやすさは、お客様に対しても同じです。機内では、行き先の話や旅先のおすすめなど、会話が自然に広がることも日常的です。また、お客様から「どこに住んでいるの?」「何日くらいステイするの?」と聞かれたり、エミレーツで働くことについて質問されたりすることもあります。乗務員とお客様という立場を超えて、旅をきっかけに会話が広がり、お互いのことを知ることができるのも、この仕事の魅力だと感じています。

決められたサービスを提供するだけではなく、一人ひとりのお客様とのコミュニケーションを大切にし、その方に合わせた接し方を考える。そうした人との距離の近さも、エミレーツらしさだと思います。

「当たり前」が、世界では当たり前じゃない

乗務中は、世界中から集まったクルーと一緒に働きます。数日間のフライトで、日本人が自分一人、日本語を一切話さないということも珍しくありません。国籍や年齢、役職に関係なく、初めて一緒に働くクルーとも仕事について意見を伝え合いながら、他愛のない会話も自然に楽しめる。そんなフラットな環境も、日本とは違う「当たり前」の一つだと感じます。

ラマダン期間(イスラム教の断食月)には、断食をしているクルーと一緒に働くこともあります。宗教や文化によって生活習慣や考え方が異なることを、日々の仕事を通して身近に感じます。

お客様とのやり取りからも、文化の違いを感じることがあります。サービスへの期待や、客室乗務員との距離感、機内での過ごし方、要望の伝え方なども人それぞれです。「日本ではこうする」という感覚が、そのまま世界で通用するとは限りません。

さまざまな国籍のクルーやお客様と接する中で、自分にとっての「当たり前」も、実は一つの価値観にすぎないのだと気づきました。違いを正解・不正解で捉えるのではなく、「そういう考え方もある」と受け止められるようになったことは、この仕事を通して得た大きな変化です。

サセックス大学への留学を目指して

大学時代に最も印象に残っているのは、イギリス・サセックス大学への1年間の留学です。きっかけは中学3年生のとき。学校のプログラムでイギリスを訪れた際にサセックス大学を見学し、「いつかここで学んでみたい」という思いを抱いたことでした。

フェリスに入学してから、サセックス大学が協定校であることを知り、「これはもう運命かもしれない」と感じたのを覚えています。そこで1年生のうちから留学を具体的な目標に定め、授業や語学学習に取り組みました。留学には成績や語学力の条件があるため、日々の授業にも真剣に向き合いました。

努力の結果、給付型奨学金(榎本HY奨学金)にも支えていただきながら、念願だったイギリスで学ぶ機会を得ることができました。現地では勉強だけでなく、友人と出かけたり、イギリス国内をはじめ、ヨーロッパやアフリカを旅したりと、充実した時間を過ごしました。いろいろな場所を訪れ、初めて見る景色や文化に触れることがとても楽しくて、「もっといろいろな世界を見てみたい」と思うようになりました。そこから、世界中を飛び回り、さまざまな人や文化に触れられる客室乗務員という仕事に興味を持つようになりました。

留学中に出会った友人たちとは、帰国後もつながりが続いています。現在はエミレーツの客室乗務員として世界各地を訪れる中で、レイオーバーの際に現地に住む友人に会いに行くこともあります。留学をきっかけにできたつながりを、今の仕事を通して世界各地で再びつなげられることは、この仕事ならではの喜びだと感じています。

留学先のイギリスでの前期のクラス写真
留学中、旅行先のトルコ・オルデニズでパラグライダーに挑戦した際の写真

挑戦し尽くした、フェリスでの学生生活

留学だけでなく、興味を持ったことにはできる限り挑戦しました。フェリスは当時、学部間の垣根が低く、所属学部以外の講義も幅広く受けられるなど、自分の興味を広げ、挑戦できる環境が整っていました。その環境を活かし、ゴルフ部と茶道部での活動、ピアノの授業、英語のエッセイコンテストへの応募など、少しでも「やってみたい」と思ったことには積極的に挑戦しました。在学中はコロナ禍と重なり、制約も多い時期でしたが、できることを探しながら、一つひとつの機会を大切にして学生生活を過ごしました。

なかでも印象に残っているのが、プロジェクト演習です。テーマは「リサイクル」。学生6人のグループで、授業で学んだ行動経済学の考え方をもとに、消費者の行動について考えました。官民からさまざまな立場の方々にも参加・協力いただき、現場の方々との意見交換や、「マイボトル派 vs PETボトル派」のディベートなどを通して、消費者の無意識の行動や、その背景にある多様な考え方を掘り下げていきました。

その中で、PETボトルリサイクルボックスの課題を設定し、解決策を考え、デザインへと落とし込んでいきました。さらに、実際に自分たちで回収ボックスを製作。回収箱をあえて透明にしたり、キャップを入れると音が鳴る仕掛けを取り入れたり、床に矢印を貼って回収箱まで誘導したりと、「人が思わず行動したくなる」ための工夫を重ねました。

完成後は、実際に設置してもらえないか近隣のスーパーへ自分たちでお願いに行き、無事に設置していただくことができました。

学んだことをもとに考えるだけでなく、自分たちで形にし、周囲に働きかけて実現する。そんな「学びを行動につなげる」経験ができたことが、大きな学びになりました。

関連サイト:
2021年度プロジェクト演習『ライフスタイルから考えるサステイナビリティ』
https://magazine.ferris.ac.jp/20211008/7788/

大学時代、ゴルフ部の合宿で撮影した写真
手作りしたリサイクルボックスの写真

在学生、高校生へのメッセージをお願いします

私は、フェリスには「やりたいことをかなえられる環境」があると思います。ただ、そのためには、自分から準備を始めることも大切です。

例えば留学であれば、2年生や3年生になってから「行きたい」と思っても、成績や語学力の条件が間に合わない場合があります。「いつか留学したい」「海外で働いてみたい」「こんな仕事に就きたい」――そんな思いが少しでもあるなら、1年生のうちからできることを始めてみてほしいです。

目標がまだはっきりしていなくても、興味を持った説明会に参加してみる、先生に相談してみる、目の前の授業を大切にする。そうした小さな一歩が、いつか自分のやりたいことにつながり、将来の選択肢を広げてくれると思います。

関連サイト

国際社会学科 留学

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

My Career

01学生時代

1年生から目標を定め、成績や語学力の条件を満たすために努力し、イギリス・サセックス大学への1年間の留学を実現。「やってみたい」を大切に、好奇心の赴くままさまざまなことに挑戦し、自分の世界を広げた学生生活。

02現在(2026年)

エミレーツ航空の客室乗務員として、ドバイを拠点に世界各地へ。安全とサービスを担いながら、多様な国籍のお客様やクルーと出会い、毎回異なる環境の中で経験を積んでいる。

03今後の目標

まずはビジネスクラスへの昇進を目指し、さらに経験を積んでできることを増やしていきたいです。そして、世界中の人と出会い、さまざまな文化に触れながら、まだ行ったことのない場所にも積極的に足を運び、この仕事をできる限り長く続けていきたいです。

現在に生きる
フェリスの学び

学生時代の経験
1年生から留学を目標に定め、成績や語学力の条件を満たすために日々の授業を大切にしました。また、興味を持ったことには積極的に挑戦し、さまざまな経験を重ねました。
身についた力
「やってみたい」と思ったことを具体的な目標にして、早くから準備し、努力を続ける力。そして、好奇心を持って一歩踏み出し、新しい環境にも飛び込んでいく力が身についたと感じています。
仕事で活きた場面
エミレーツでは、毎回違うクルーとチームを組み、さまざまな国のお客様と接します。その場の状況に応じて考え、周囲と連携しながら対応する中で、フェリスで培った「まずやってみる」という姿勢や、目標に向かって準備を重ねる力が活きています。 振り返ってみると、フェリスでは「やってみたい」と思ったことに思い切り挑戦することができました。だからこそ、学生生活に後悔は一ミリもありません。これからも好奇心を大切に、まだ行ったことのない場所や、まだ出会ったことのない人に出会いながら、自分の世界を広げていきたいです。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

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