キャンパスライフ

公開2026年07月31日

奨学金の種類を徹底解説!給付型・貸与型の違いと自分に合った選び方

「奨学金って、結局は借金なんでしょ?」——進学を考え始めた高校生や保護者の方から、よく聞く声です。実は、奨学金には返さなくてよい給付型があり、貸与型にも無利子のものがあります。提供元も国・自治体・大学・民間とさまざまです。この記事では、奨学金の種類を整理しながら、自分に合った探し方・選び方を解説します。読み終わるころには、学費の不安と向き合うための選択肢が、具体的に見えてくるはずです。

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奨学金は「借金」だけではない?「給付」と「貸与」の違い

奨学金は、返済が必要かどうかで大きく2つに分かれます。

一つ目は給付型奨学金です。「給付」とは「支給されるお金」という意味で、卒業後に返す必要がありません。国の制度では、日本学生支援機構(JASSO)が住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生を対象に、授業料・入学金の減免とセットで給付型奨学金を支給しています。この仕組みは国の「高等教育の修学支援新制度」と呼ばれ、世帯の収入に応じた区分で支援額が決まります。対象になれば、奨学金の給付と学費の減免をあわせて受けられるため、家計への効果はかなり大きくなります。

出典: 「奨学金」(日本学生支援機構(JASSO)) https://www.jasso.go.jp/shogakukin/

二つ目は貸与型奨学金です。「貸与」とは「貸し与える」という意味で、卒業後に返還する必要があります。冒頭の「奨学金=借金」というイメージは、この貸与型から来ています。ただし、後で詳しく説明するように、貸与型の中にも利子のつかないタイプがあり、一般的な教育ローンとは条件が大きく異なります。

まずは「返さなくてよい給付型の奨学金がある」ということを、しっかり覚えておいてください。これを知っているかどうかで、奨学金探しのスタート地点が変わってきます。

では、その給付型の柱となっている国の制度から見ていきましょう。

給付型の柱となる国の「高等教育の修学支援新制度」

給付型奨学金を考えるとき、最初に知っておきたいのが、国の「高等教育の修学支援新制度」です。

この制度の支援は2本立てです。一つは日本学生支援機構(JASSO)から支給される給付型奨学金、もう一つは大学に納める授業料・入学金の減免です。「もらえるお金」と「払わなくてよくなるお金」の両方で進学を支える仕組みで、経済的な理由で進学をあきらめる人を減らすために設けられました。

対象になるのは、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生で、世帯収入に応じてJASSOが審査・決定した区分によって支援額が決まります。2025年度からは対象の拡充も進んでおり、生計維持者が扶養する子どもが3人以上いる多子世帯に属する学生は、所得制限なく授業料等減免を受けられるようになりました。(ただし、世帯の保有する資産の合計額が3億円未満である世帯に限る。)「うちは対象外だろう」と思い込まず、まず条件を確かめてみる価値があります。

出典: 「高等教育の修学支援新制度」(文部科学省) https://www.mext.go.jp/kyufu/

対象になるかどうかの目安は、JASSOが公開している「進学資金シミュレーター」で調べられます。いくつかの質問に答えるだけで、支援の対象になりそうか、どの区分に当てはまりそうかがわかるので、保護者の方と一緒に試してみてください。

出典:「奨学金」(日本学生支援機構(JASSO)) https://www.jasso.go.jp/shogakukin/

なお、この制度は国が定めた要件をクリアしている大学・短期大学・専門学校などで利用できます。志望校が対象校となっているかどうかは、文部科学省のウェブサイトで確認できます。

参考:「支援対象校一覧」.学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度 (文部科学省) https://www.mext.go.jp/kyufu/support/index.html

一方で、世帯収入がこの制度の基準を上回る家庭にとっても、学費の負担が軽いわけではありません。そんなときの選択肢になるのが、貸与型奨学金です。

利子の有無でどう変わる?JASSOの貸与型で解説 

JASSOの貸与型奨学金には、第一種と第二種の2つの種類があります。

第一種奨学金は、利子がつかない「無利子」の奨学金です。借りた金額をそのまま返せばよいので、返還額を把握しやすいのが特徴です。そのぶん、学業成績や家計の基準は第二種より厳しめに設定されています。

第二種奨学金は、利子がつく「有利子」の奨学金です。ただし利率には上限が定められており、在学中は利子がつきません。第一種より学業や家計基準がゆるやかで、貸与月額も2~12万円の間で柔軟に選べるため、利用している学生が一番多い奨学金です。

「有利子」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、在学中は利子がつかず、卒業後に返還が難しくなったときには月々の額を減らしたり返還を先送りしたりする救済制度も用意されています。具体的な返還額の確かめ方は、後半の「注意点」のセクションで紹介します。

また、入学した年に限り、通常の貸与額に一時金を上乗せできる「入学時特別増額貸与奨学金」(有利子)もあります。入学金や引っ越しなど、初年度に集中する出費への備えとして使える制度です。

出典: 「奨学金」(日本学生支援機構(JASSO)) https://www.jasso.go.jp/shogakukin/

第一種と第二種は併用できる場合もあり、給付型と貸与型を組み合わせて利用する学生も少なくありません。「どれか一つを選ぶ」のではなく、「組み合わせて設計する」という発想を持っておくと、選択肢がぐっと広がります。

ここまではJASSOの制度を中心に見てきました。でも、奨学金を出しているのはJASSOだけではありません。

奨学金の資金提供元

奨学金4つの提供元

奨学金の提供元は、大きく4つに分けられます。それぞれ特徴が異なるので、順番に見ていきましょう。

日本学生支援機構(JASSO)

国の機関として、もっとも規模の大きい奨学金事業を行っています。先ほど紹介した給付型・貸与型(第一種・第二種)はすべてJASSOの制度です。また、高等教育の修学支援新制度も、JASSOの給付型の枠組みの中で実施されています。多くの学生がまず検討する、いわば奨学金の「基本」となる存在です。申し込みは大学進学前に高校を通じて行う「予約採用」と、大学入学後に行う「在学採用」があります。

出典: 「奨学金」(日本学生支援機構(JASSO)) https://www.jasso.go.jp/shogakukin/

地方自治体

都道府県や市区町村が、その地域の出身者や在住者を対象に奨学金を設けています。給付型・貸与型の両方があり、中には「卒業後に地元へ戻って働くと返還が免除される」という条件つきの制度もあります。地域で学び、地域で働く人を増やしたいという自治体の思いが背景にあるため、地元志向の人ほど相性のよい奨学金だといえます。地元の自治体のウェブサイトや高校の進路指導室で、対象になる制度がないか調べてみてください。

大学独自の奨学金

大学が独自の財源で設けている奨学金です。入試の成績優秀者への授業料給付、経済的な支援、留学への支援など、大学ごとに個性があります。同じ「私立大学」でも制度の手厚さは大学によって大きく違うので、志望校を比較する際の重要なチェックポイントになります。この後のセクションで、具体例を詳しく紹介します。

民間団体・企業

企業や財団が運営する奨学金です。給付型の割合が比較的高く、「特定の分野を学ぶ学生」「特定の地域の出身者」など、対象を絞った制度が多いのが特徴です。募集人数は少なめですが、条件が合えば有力な選択肢になります。大学入学後に、大学の奨学金窓口で案内されるケースが一般的です。

このように、提供元によって性格の異なる奨学金が用意されています。ただ、種類を知っただけでは、まだ準備の半分です。奨学金には「申し込みのタイミング」という、見落とすと取り返しのつかないポイントがあるからです。

いつ・どうやって申し込む?奨学金のスケジュール

JASSOの奨学金には、大きく2つの申し込み方法があります。

一つは予約採用です。大学に入学する前、高校3年生のときに在籍する高校を通じて申し込み、進学後の奨学金を「予約」しておく方法です。案内の配布から書類の提出まで、高校ごとにスケジュールが決まっているので、進路指導室からのお知らせを見逃さないようにしてください。進学先が決まっていない段階でも申し込むことができ、進学後にスムーズに奨学金の支給を受けられるのが、予約採用の安心なところです。

もう一つは在学採用です。大学に入学した後、大学の窓口を通じて申し込む方法です。予約採用を逃した場合や、入学後に家計の状況が変わった場合には、こちらを利用できます。また、災害や家計の急変があったときには、時期を問わず申し込める仕組みも用意されています。

出典: 「奨学金」(日本学生支援機構(JASSO)) https://www.jasso.go.jp/shogakukin/

注意したいのは、大学独自の奨学金です。大学によっては、入試の出願と同時にエントリーするタイプや、入試の成績そのものが選考基準になるタイプがあります。この場合、「入学してから調べる」のでは間に合いません。志望校が決まってきた段階で、募集要項とあわせて奨学金のページも確認しておいてください。

スケジュールと並んで、申し込む前に知っておきたい注意点がいくつかあります。

借りる前・もらう前に知っておきたい注意点 

はじめに、返還額のシミュレーションです。貸与型を利用するなら、卒業後に「毎月いくらを、何年間」返すのかを、借りる前に必ず確かめておきたいところです。JASSOのウェブサイトでは、貸与月額と期間を入力すると返還額を試算できます。社会人になったばかりの給料から無理なく返せる金額かどうか、具体的な数字で判断してください。

継続審査の存在も知っておきましょう。奨学金は、一度採用されたら卒業まで自動的に続くわけではありません。多くの制度では、年度ごとに学業成績や学修状況の審査があります。単位を大きく落とすと、支援が止まったり打ち切られたりすることもあります。奨学金は「学業を支えるためのお金」なので、学び続けることが受給の条件になっているのです。

併用のルールにも目を向けてください。給付型と貸与型、JASSOと大学独自など、奨学金は組み合わせて利用できる場合が多くあります。ただし、制度によっては併用に制限があるため、複数の奨学金を考えている人は、それぞれの募集要項で併用の可否を確認する必要があります。

こうした点を押さえたうえで、いよいよ「自分はどれを選ぶか」を考えていきましょう。

自分に合った奨学金はどう選ぶ? 

奨学金選びで押さえたいポイントを、優先順位の考え方に沿って整理します。

はじめに調べたいのは、返さなくてよい給付型です。JASSOの給付型は家計基準がありますが、大学独自や民間の給付型には「成績」や「意欲」を評価するものもあります。「自分は対象外だろう」と決めつけずに、幅広く探すことから始めてください。

次に、足りない分を無利子の貸与型(第一種)で補えないかを検討します。そのうえで、なお不足している場合は、有利子の貸与型(第二種)を組み合わせます。「給付型→第一種(無利子)→第二種(有利子)」の順で検討していくと、卒業後の返還負担をできるだけ小さく抑えられます。

あわせて、前のセクションで見た申し込みの時期も忘れずに確認してください。とくに大学独自の奨学金には入試と一体になった制度があるため、志望校選びと奨学金調べは同時に進めるのがおすすめです。

情報集めの入口としては、高校の進路指導室、各大学の奨学金窓口・ウェブサイト、そしてJASSOの公式サイトの3つを押さえておけば十分です。インターネット上には古い情報も残っているので、金額や基準は必ず公式の最新情報で確かめる習慣をつけてください。

そして、志望校を比較するときは、パンフレットの学費の数字だけでなく、その大学が独自にどんな奨学金を持っているかまで見てください。ここからは、その具体例としてフェリス女学院大学の制度を紹介します。

大学独自の奨学金の例:フェリス女学院大学 

大学独自の奨学金がどんなものか、フェリス女学院大学の制度を例に見ていきましょう。

入試の成績で最大4年間の授業料給付:一般入試A日程成績優秀者奨学金

フェリス女学院大学には、入学者選抜の成績優秀者を対象にした成績優秀者奨学金があります。一般入試A日程(2科目型・3科目型)で優秀な成績を収めた合格者に、1種では授業料の4年間分、2種では入学金相当額が給付されます。1種の継続には年度ごとの学修状況の審査がありますが、返還の必要がない給付型の奨学金です。

この制度で注目したいのが、年内入試の合格者も無料で挑戦できるという点です。総合型選抜や学校推薦型選抜ですでに合格している人は、検定料無料で一般入試A日程を受験して、この奨学金にチャレンジできます。仮に一般入試の結果が振るわなくても、年内入試の合格が取り消されることはありません

出典: 「成績優秀者奨学金について」(フェリス女学院大学) https://www.ferris.ac.jp/admission/scholar/

この奨学金は、「早く合格を決めて安心したい」という気持ちと、「学費の負担を減らしたい」という願いを、両方あきらめずに追いかけられる仕組みになっています。年内に進路を決めたうえで、リスクなしで最大4年間の授業料給付に挑戦できる——受験生にとって心強い選択肢だといえます。

在学中を支える学内奨学金 

入学後の支援も用意されています。フェリス女学院大学には、経済的事情を抱える学生を支える「経済支援給付奨学金」(給付・年10万円)、優れた成績をおさめた学生を表彰する「学業成績優秀者給付奨学金」(給付・年10万円)、音楽・語学などの研鑽を積み、成果をあげた学生を支援する「自己研鑽給付奨学金」(給付・年5万〜20万円)など、複数の学内奨学金があります。貸与型では授業料相当額を借りられる「フェリス女学院大学奨学金」もあり、JASSOの制度と組み合わせて利用できます。

出典:「奨学金制度」(フェリス女学院大学) https://www.ferris.ac.jp/students-visitor/scholarship/grant-type/

留学に挑戦する人への奨学金 

「大学在学中に留学したいけれど、費用が心配」という人に向けた制度もあります。フェリス女学院大学では、交換留学・認定留学などの派遣留学生を対象に、学納金の一部〜全額相当を給付する「派遣留学生奨学金Ⅰ」や、英語圏への交換留学者に最大300万円を給付する「榎本HY奨学金」など、留学向けの奨学金が複数用意されています。

入学試験の成績をもとに給付されるものから、在学中の経済支援、留学への挑戦まで。大学独自の奨学金がここまで幅広いことは、意外と知られていません。志望校選びの段階でこうした情報を知っているかどうかが、進学後の安心感を大きく左右します。

奨学金の情報は、早めに集めよう 

ここまで、奨学金の種類と選び方を見てきました。

大切なのは、正しい知識を持って、早めに情報を集め始めることです。「お金が理由で行きたい大学をあきらめる」前に、その大学にどんな奨学金があるかをまず調べてみてください。フェリス女学院大学の成績優秀者奨学金のように、挑戦する人に開かれた制度を持つ大学は少なくありません。

そして、奨学金は自分ひとりで決めるものではありません。とくに貸与型は、卒業後のあなた自身が返していくお金です。この記事で整理した「給付型か貸与型か」「どこが提供元か」という視点を手がかりに、保護者の方と一緒に具体的な制度を見比べながら話し合ってみてください。

学費の不安は、知ることで小さくできます。この記事が、あなたの進路の選択肢を広げるきっかけになればうれしいです。

オープンキャンパスで相談してみませんか? 

大学選びの段階で学費や奨学金に不安があるなら、オープンキャンパスの個別相談が役立ちます。フェリス女学院大学では、各回のオープンキャンパスで教職員への個別相談ができます。「成績優秀者奨学金にはどうやって挑戦するのか」「自分の場合はどの奨学金を利用できそうか」といった具体的な疑問を、その場で確かめてみてください。

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