「オムニPBP」のZ世代ファン化戦略を学生が企画・提案
マーケティング研究会
資生堂ジャパン
概要
フェリス女学院大学マーケティング研究会の学生7名が、2026年4月から6月末にかけて、資生堂ジャパン株式会社オムニエクスペリエンス推進部との産学コラボレーションプロジェクトに取り組みました。テーマは「Z世代向けオムニPBPファンコミュニティ戦略デザイン ― 私たちはなぜファンになり、どう繋がり続けるのか」。Z世代の女子大学生として当事者の視点から調査・ヒアリング・体験・企画立案を重ね、6月29日に提案を行いました。
※オムニPBPとは
資生堂のオムニPBP(デジタルを中心に活動する美容部員)は、オンラインでのカウンセリングやSNS発信などを行う美容のプロです。オンラインカウンセリングでは、肌の悩みや好みに合わせて、スキンケアやメイクの一人ひとりに寄り添ったアドバイスを届けています。
プロジェクトの流れ
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日程 |
内容 |
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2026年4月6日(月) |
資生堂オムニエクスペリエンス推進部の担当者によるレクチャー。業務内容やオムニPBPのミッションについて説明を受け、プロジェクトがスタート。 |
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2026年4月27日(月) |
学生が仮説を提示し、担当者から評価のフィードバックを受ける。「ファンの再定義」と「Z世代ペルソナ」が中心的な問いに。ファンの再定義とターゲット像を確認。 |
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2026年5月11日(月) |
リモートセッションにて企画案を持ち寄り、ニーズの洗い出しと方向性の確認。 大学内で実施したアンケートの分析。メンバー全員がオムニPBPのオンラインカウンセリングを体験し、体験前後の感情の変化を共有。 |
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2026年5月14日(木) |
資生堂グローバルイノベーションセンターを見学。 |
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2026年5月25日(月) |
フェリス女学院大学で中間発表。 学生それぞれの実体験から「企業がコミュニティに参入することの難しさ」を提示。 |
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2026年6月15日(月) |
オムニPBPのオンラインカウンセリングの中で得られた気づきをもとに、企画の核となる部分を再構築。 |
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2026年6月29日(月) |
資生堂ジャパン株式会社のオフィスにて最終発表。学生はZ世代向けオムニPBPファンコミュニティの形成をめざす3つの施策を提案。 |


最終提案の内容
最終提案は資生堂ジャパン株式会社本社にて行われ、オムニエクスペリエンス推進部の皆さまに向けて、3つの施策を提案しました。
施策1「出張オムニPBP体験イベント」
認知拡大を目的とした施策です。大学のカフェテリア(Fカフェ)にモニターとブースを設置し、オムニPBPとオンラインでリアルタイムにつないで相談できる場を作るというアイデアです。開催時期は就活シーズンの4月と成人式を控えた12月を想定。「就活メイクレッスンを無料で受ける機会があれば参加したいですか」というアンケートでは約8割の学生が「参加したい」と答えたことが根拠として示されました。告知には学生の間で広まっているアプリ「BeReal」「セットログ」を活用し、イベントの様子をリアルタイムで友人間に拡散させる仕掛けも組み込みました。
施策1.5「パーソナルメイクレシピのプレゼント+指名制度の導入」
カウンセリングを受けてみようという一歩を後押しする施策。30分のオンラインカウンセリング終了後に、その人だけのメイクポイントをまとめたPDFを受け取れる仕組みを提案しました。PDFを受け取れると事前に分かれば予約のハードルが下がるという仮説を、体験談から導きました。また「次も同じ方にお願いしたい」「担当者が誰になるかわからなくて不安だった」という声を踏まえ、担当者を指名して予約できる制度の導入も提案しました。
施策2「アプリのパーソナライズ化」
継続的に使ってもらうための施策。「指名するサービス」のリピート要因を調べたアンケートでは「好みを全部把握してくれている」「毎回説明しなくていい」という声が多く挙がりました。これを踏まえ、肌データや過去のカウンセリング内容を一元管理できるプロフィール・カルテ機能、肌に合ったコスメ提案、店舗在庫の確認機能などをアプリ上に統合する案を示しました。


プロジェクトの最後に
資生堂ジャパンのご担当者からは、「各段階におけるオムニPBPへの認識やニーズの捉え方が非常に的確で印象的だった。段階を追って丁寧に設計されている点にも驚いた。BeRealやsetlogといったアプリを活用し、利用者自身がオムニPBPを広めていく仕組みも優れている」と高く評価いただきました。
本プロジェクトを通じて、企業の方々と対話を重ねながら考え抜く経験は、学生にとって大きな学びと成長の機会となりました。実体験やデータに基づいて仮説を立て、試行錯誤を重ねながら形にしていくプロセスの中で、一人ひとりが主体的に考え、チームとして高め合う姿が印象的でした。また、企業の皆さまにとっても学生ならではの視点が新たな気づきにつながる機会となっていれば幸いです。今後もこうした実践的な学びの場を大切にしながら、社会とつながる教育活動を積み重ねてまいります。
学生の声
国際交流学部 国際交流学科4年 森脇 未帆

今回、初めて資生堂さまと共同で企画に取り組むという、とても貴重な機会をいただきました。このような機会をくださった資生堂さま、ご指導いただいた先生方、一緒に取り組んできたメンバーに心より感謝しております。
この企画では、「ファン」という感情を言語化し、施策へ落とし込む難しさと面白さを感じました。当初は、「ファンは何なのか」、「なぜ人はファンになるのか」といった点に悩みましたが、学内で実施した3つのアンケートをもとにオムニPBPとファンは信頼でつながると仮定し、認知拡大、利用意欲の向上、継続利用の3段階で施策を設計しました。
議論を重ねる中で意見を深めることはできた一方、思考プロセスを省略して結論だけを伝えてしまい、提案の意図や魅力が十分に伝わらない壁にも直面しました。しかし資生堂の方々からのフィードバックを通して、仮定から結論まで筋道を立てて伝える重要性を学ぶことができました。
ときには長時間ミーティングをしたり、深夜まで資料作りをしたりと大変な場面もありましたが、メンバー全員で粘り強く取り組んだことで、自信を持って最終プレゼンに臨むことができました。意見をぶつけ合うたびにチームの絆も深まり、このメンバーで取り組めたことを心からよかったと思っています。
今回の経験で得た、論理的に提案へつなげる力を、今後の研究会活動や将来のキャリアに活かしていきたいと思います。改めまして、このような特別な機会をいただき、誠にありがとうございました。
企業の方の声
資生堂ジャパン株式会社 DX統括部 河原 由香理様 (所属は26年6月時点)

当初は、大学生(Z世代)の皆さんが抱く資生堂、資生堂ブランドへのリアルなイメージや「ファンになるはずがない」という率直な本音に大きな衝撃を受け、世代間の常識のギャップに悩むこともありました。しかし、学生さんとのディスカッションを通じ、私自身も既存の固定観念を見直す貴重な気づきをいただきました 。
直前まで苦悩していた企画が、最終発表では見違えるほど論理的で熱意に溢れた素晴らしいストーリーへと昇華されており、フェリス生の底力とガッツに深く感銘を受けました 。この素晴らしい共創経験が、学生の皆さんの未来と当社のビジネスの双方へ、新たな一歩として繋がることを期待しています 。
指導教員の声
グローバル教養学部 国際社会学科 教授 二木 真
専門:マーケティング論・国際ビジネス論・観光ビジネス論

今回、初の試みとして、日本を代表するグローバル企業、資生堂さまとの共同企画が実現しました。先ずは、多大なるご協力を頂いた資生堂さまに御礼申し上げます。
当初は、何から始めたら良いのか?資生堂さまが期待していることは何なのか?暗中模索の状況が続きました。そんな学生たちを変えたのはアクションでした。100名を超える学生へのアンケートの実施、資生堂のサービスをメンバー全員が実際に体験、資生堂イノベーションセンターの見学。これらの実体験をベースに仮説を立て、それを複数回の企業セッションでディスカッションし、修正を重ねました。最終報告会を控え、深夜まで資料作成・プレゼン準備をメンバー全員で頑張ったのが印象的でした。
結果、資生堂さまから、「素晴らしい最終発表、かつ的確な応答で、想定を遥かに超える結果で、多くの気づきがあった」と高評価を頂きました。私も学生たちの自主的な頑張りに心から拍手を贈りたいと思います。
今回の企画を通じて、フェリス生のポテンシャルの高さを実感し、これからも学生たちが本気でチャレンジし、成長出来る機会を用意して行きたいと思っています。