教員免許状とは何か——取得の前に知っておきたい基本
教員として学校で授業を担当するためには、2つの条件を満たす必要があります。ひとつが「教員免許状を持っていること」、もうひとつが「教員採用試験等に合格して採用されること」です。
教員免許状は都道府県教育委員会が授与するもので、大学で所定の単位を修得することが主な取得要件です。
出典: 「教員免許制度の概要」(文部科学省)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/1339300.html
一種・二種・専修——3つの区分の違い
普通免許状は、取得のために必要な学歴や単位数の違いによって3つに区分されます。
一種免許状は大学卒業(学士)程度に相当する、最も標準的な区分です。4年制大学の教職課程を修了することで取得でき、公立・私立を問わず採用試験の要件として広く用いられています。教員を目指すほとんどの大学生が、この一種免許状を目標にします。
二種免許状は短期大学卒業程度に相当する区分です。教壇に立つことは可能ですが、公立学校の採用試験では一種を前提とする場合が多く、採用後に一種への上進を求められるケースもあります。
専修免許状は大学院修士課程(博士前期課程)修了程度に相当する区分です。研究的・専門的な知識の深さを証明するもので、大学院進学し、専修免許状の取得に必要な所定の単位を修得したうえで修士の学位を得ることで取得できます。 中学・高等学校の採用において必須にはなりませんが、専門性を高めたい場合や、より深い学習を志す場合に選ばれます。
どの区分でも教壇には立てますが、採用試験での競争や長期的なキャリアを考えると、まず一種免許状の取得を目指すのが現実的です。
中学校と高等学校——対象校種の違い
免許状は「中学校」「高等学校」と学校の種類ごとに別々に発行されます。中学と高校の両方で教えたい場合は、両方の免許状を取得する必要があります。大学の教職課程によっては、両方を同時に取得できる設計になっているものもあります。
教員免許を取得する4つのルート
教員免許状の取得方法は、自分の状況に応じていくつかの選択肢があります。
ルート① 4年制大学の教職課程——最も標準的な取得方法
高校生が大学進学時に最初に検討するルートです。教職課程を持つ学科に入学し、専門教科の学習と教職科目の履修を4年間かけて積み上げます。卒業と同時に教員免許状の申請要件を満たすことができます。
このルートの強みは、時間をかけて教科の専門知識と教育実践の両方を身につけられる点です。教育実習という実際の授業体験も、この課程に組み込まれています。
ルート② 通信制大学——社会人が働きながら目指す方法
すでに社会人として働きながら教員免許取得を目指す場合、通信制大学の活用が現実的です。自分のペースで学習を進め、スクーリング(対面授業)や教育実習を経て取得します。
大学卒業資格がある場合は、通信制大学に「科目等履修生」として入学し、不足している教職科目だけを履修するという方法も取れます。時間はかかりますが、仕事と両立しながら進める選択肢として広く活用されています。
ルート③ 科目等履修生——別の教科の免許を追加したい場合
すでに一つの免許を持っていて、別の教科の免許を追加したい場合に使われるルートです。大学に科目等履修生として入学し、追加で必要な科目の単位だけを取得します。
正規の学部学生と同じ授業を受けながら必要科目を絞って履修できるため、取得済みの単位と組み合わせて効率的に別教科の免許を取得できます。
ルート④ 特別免許状——専門知識を持つ社会人のキャリアチェンジ
特別免許状は、教員免許状を持っていない社会人が、その専門的な知識や実務経験を活かして教壇に立てるよう設けられた制度です。学校からの推薦を受け、都道府県教育委員会の授与によって取得します。
出典:「特別免許状及び特別非常勤講師の活用事例」(文部科学省) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoin/jirei/index.html)
通常の免許取得課程を経ていない点が特徴で、教科の専門性が特に高いと認められた場合に認められる例外的なルートです。語学・芸術・情報・職業技術などの専門分野での社会経験がある人が対象になることが多いです。
教育実習とは何か——その要件と意義
教員免許状の取得において、教育実習は避けられない要件です。実際の学校現場で授業を担当し、指導教員のもとで実践的な力を磨きます。
中学校免許では3週間、高等学校免許では2週間(大学の課程によって設定は異なる場合があります)が標準的です。
実習では、授業の準備から実施・振り返りまで一連の経験をします。「教える立場になって初めてわかること」が多い時間であり、自分が教員に向いているかどうかを実感する場でもあります。実習に入る前に、学習指導案の書き方や板書の練習など、大学での事前指導を受けておくことが求められます。
中学校の免許状を取得する場合は、教育実習とは別に介護等体験(7日間)の実施も要件に含まれます。(フェリス女学院大学教職課程 )
フェリス女学院大学で取得できる教員免許
フェリス女学院大学では、グローバル教養学部の2学科で一種免許状の取得が可能です。
学科別の取得可能免許一覧
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学科 |
取得可能な免許状(一種) |
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国際社会学科 |
中学校教諭(社会)・高等学校教諭(地理歴史・公民) |
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文化表現学科 |
中学校・高等学校教諭(英語)・中学校・高等学校教諭(国語) |
フェリスの教職課程の特徴
フェリス女学院大学の教職課程は1967年創設。半世紀以上にわたる教員養成の歴史を持ち、教職センターが学生一人ひとりに寄り添いながら、教育実習の準備から母校への依頼連絡の仕方まで、きめ細かく支援しています。 例えば教育実習の受入れ先への打診(多くの場合、ご自身の母校に内諾を依頼します。これを「内諾依頼」と呼んでいます)にあたり、電話のかけ方からスケジュール調整の基本まで指導します。
模擬授業や板書の練習も、少人数の環境で繰り返し指導を受けられます。「うまくできるまで何度でも練習できる」という環境は、本番の実習や採用試験に向けた自信の積み上げに直結します。
在学中のスケジュール——4年間でどう動くか
フェリス女学院大学の教職課程を例に、4年間の流れを確認しておきましょう。
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学年 |
主な内容 |
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1年次 |
教職入門・教育原理・教育心理学など教職の基礎科目を履修 |
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2年次 |
教育課程論・道徳教育・特別支援教育など専門的な教職科目へ |
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3年次 |
介護等体験(中学免許希望者)・授業参観・教育実習1 |
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4年次 |
教育実習2・3(実習校での実習3〜4週間)・教職実践演習 |
3年次の「教育実習1」は学校現場への第一歩であり、4年次の実習2・3が本番の実習期間です。3〜4週間にわたって実際の授業を担当する経験は、座学では得られない実践力を身につける機会になります。
教員採用試験に向けたサポート体制
免許の取得とは別に、「採用される」ためには教員採用試験の突破が必要です。都道府県・政令市ごとに実施される採用試験は、教養・専門・論作文・面接など複数の科目で構成されます。
フェリスでは、教育実習の事前指導に「教員採用模擬試験」と地域教育委員会の説明会を組み込んでいます。希望する学生への個別指導も行われており、自治体ごとの出題傾向への対応も相談できます。4年次の夏に実施される採用試験は、卒業論文・教育実習と時期が重なります。この負荷の高い時期を乗り越えるために、計画的に準備を積み上げる必要があります。3年次のうちから採用試験を意識した学習を始めることが、多くの合格者に共通するスタートラインです。
オープンキャンパスで確かめよう
教員免許の取得を目指すなら、志望する大学の教職課程が「自分が取りたい免許に対応しているか」を事前に確認することが欠かせません。対応する教科・学科・サポート体制は、大学によって異なります。
フェリス女学院大学のオープンキャンパスでは、教職課程について個別に相談できる機会を設けています。「国語と英語の両方を目指せるか」「就活と両立できるか」「教職もめざしつつ留学もしたいが4年間で卒業できるか」「採用試験対策はどんな内容か」「実習先はどう決まるのか」——こうした具体的な疑問を、担当の教職員に直接確かめてみてください。
なお、フェリス生からよくある質問Q&Aは「学生要覧別冊」に記載がされています
