井内ゼミ生が「源氏物語」をテーマに宮代製茶パッケージをデザイン

 
井内健太准教授（日本古典文学：文化表現学科／文学部日本語日本文学科）の指導のもと、ゼミ生が宮代製茶と連携し、深蒸し煎茶及びほうじ茶ティーバッグのパッケージをデザインしました。

古典文学の知識を現代に活かし、家業を継いでお茶の魅力発信に奮闘する先輩を応援するプロジェクトは、2025年8月から始まり、井内ゼミ生6名がグループワークを重ねてきました。

古典の物語をテーマとしてパッケージの素材、色の選定、ラベル制作に取り組みました。学生によるオリジナルイラストと題字を作成し、ラベルはそれぞれ『竹取物語』のかぐや姫と富士山（深蒸し煎茶）、『源氏物語』の登場人物である薫と匂宮（ほうじ茶）をモチーフとしています。本コラボ商品は、12月14日（日）開催のオープンキャンパスにて販売を予定しています。

＊宮代製茶：静岡県沼津市で80年続く茶農家。本学卒業生が2代目祖父と共にお茶の栽培・製造・販売を行なっています。農薬不使用・一番茶のみ使用しています。

【文学部日本語日本文学科　井内准教授のコメント】
私どものゼミでは『源氏物語』を中心に、平安時代の文学（以下、中古文学）を日々学んでいます。ゼミでは自分たちが古典文学を味わうだけでなく、その魅力を社会に発信し、次の世代に伝えることも課題としています。そんな中、宮代製茶を継がれた宮代友梨佳氏の、日本の伝統文化であり、地域の名産であり、そしてご実家の家業でもあるお茶の味を守りたいという思いに共鳴し、今回の企画が実現しました。
イラストのデザインをはじめ、パッケージの選定や題字の作成まで、全て学生たちが主導となって制作を進めてまいりました。深蒸し煎茶のラベルは、お茶の持つ豊かな旨味から着想を得て、『竹取物語』の幻想的な世界観を表現しました。『竹取物語』の最終場面に登場し、沼津からも本学からも雄大に眺めることができる富士山を配しています。ほうじ茶のラベルは、香ばしい香りの高さから『源氏物語』に登場する薫と匂宮をイメージしました。薫は生まれつき体から芳香を放つ人物で、そのライバルでもある匂宮はいつも香をたきしめています。二人が梅を愛でている場面から着想を得ました。
皆様にお手に取っていただけたら幸いです。

【「日本語日本文学専門ゼミ」履修学生のコメント】
パッケージデザインにあたっては、お茶がもつ香りや味わいを、中古文学作品と関連付けながら考えました。お茶の香りや味の魅力を表現するだけでなく、中古文学作品の魅力を別の形で伝える機会ともなり、楽しい取り組みとなりました。 （N.M）

それぞれのパッケージに描かれたイラストの雰囲気に寄り添えるようフォント選びを進めましたが、既存のフォントでは十分に表現しきれないと感じ、最終的には一文字一文字を自分の手で書き起こしました。お茶の香りや世界観がより伝わる文字になるよう細部までこだわったので、手に取ってくださる方にその温度まで届いたら嬉しいです。（O.Y）

作品案からパッケージ素材に至るまでゼミ生で相談して決めました。私たちが学んでいる中古文学の要素も加えつつ、宮代製茶さんのお茶の柔らかさや飲みやすさが伝わるような絵のタッチや配色のパッケージになったと思います。
今まで自分で作ったものが商品になる経験をしたことがなかったので、とても貴重な経験となりました。（T.U）

 
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＊宮代製茶
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