学び・教育

公開2026年09月16日

観光を大学で学ぶメリットは?世界中から日本の魅力が注目される時代に求められる力

いま日本には、海外から多くの人々が訪れています。観光に必要なのは、案内や旅行企画の力だけではありません。異なる文化や価値観を理解し、地域の思いに寄り添いながら、その土地ならではの魅力を伝える力が求められます。 この記事では、「観光」を入り口に文化・交流・地域社会・ビジネスを学ぶ魅力と、その先に広がる進路を紹介します。

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観光は、人・文化・地域をつなぐ学び

観光という言葉から、旅行会社やホテル、航空会社などを思い浮かべる人もいるかもしれません。もちろん、それらは観光と深く関わる大切な仕事です。しかし観光は、ツーリズム産業だけで完結するものではありません。

人がある場所を訪れ、文化や歴史、食、自然、暮らしに触れ、その地域の人と出会う。そこには、地域の魅力を伝える人、訪れる人を迎える人、交通や宿泊を支える人、文化を守る人、地域の未来を考える人など、多くの人々が関わっています。

たとえば、海外から横浜を訪れた人が、歴史的な建物を見学し、中華街で食文化を楽しみ、港の風景に触れ、地域の人との交流を通じて「また訪れたい」と感じたとします。その体験の背景には、地域の文化を守り伝える取り組み、分かりやすい情報発信、移動しやすいまちの環境、多様な人を受け入れる姿勢があります。

観光を考えることは、「人が訪れる場所をつくること」だけではありません。地域の価値を見つめ直し、文化を未来へつなぎ、異なる背景を持つ人々が「繋がり理解し合う社会」を考えることでもあります。

世界から人を迎える時代に必要な力

近年、日本にはさまざまな国や地域から人々が訪れています。目的も一様ではありません。名所を巡りたい人もいれば、日本の文化や芸術に触れたい人、食を楽しみたい人、自然の中で過ごしたい人、地域の暮らしを体験したい人もいて、その関心は一人ひとり違います。 

こうして多様な人を迎える時代だからこそ求められるのが、世界と向き合うホスピタリティです。 

ホスピタリティと聞くと、行き届いたサービスを思い浮かべるかもしれませんが、その本質は少し違います。目の前にいる相手を一人の人として尊重し、その人の背景や状況を想像しながら関わる姿勢そのものです。

言葉が通じにくいとき、文化的な習慣が異なるとき、食事や移動に不安を感じているとき——そうした場面で大切なのは、「自分にとって当たり前のこと」を押しつけるのではなく、相手にとって何が必要かを考えることです。

宗教やアレルギーによる食事上の配慮、車いすやベビーカーでも移動しやすい案内、多言語での情報提供、初めて訪れる人でも安心できる説明。どれも、多様な人を迎えるための小さな工夫の積み重ねです。

こうした力が生きるのは、ホテルや航空、旅行、鉄道といったサービス業界に限りません。地域づくり、文化事業、イベント運営、企業の海外部門、広報やマーケティングなど、国内外の多様な人々と関わるあらゆる場面で活かされます。

いま注目される「持続可能な観光」というテーマ

ただし、相手を迎える姿勢だけで観光が成り立つわけではありません。もうひとつ、現在の観光学で欠かせないテーマが「サステナブルツーリズム」です。

観光は地域に恩恵をもたらす一方で、自然環境への負荷、文化財の損耗、住民生活とのトラブルといった課題も引き起こします。「今の観光客の満足」だけを追い求めて資源を使い続ければ、将来の世代が同じ場所を楽しめなくなるかもしれません。

そこで世界の観光業界では、環境・文化・地域社会を守りながら観光の価値を持続させる方法が模索されています。自然を学びながら楽しむ「エコツーリズム」や、農村に滞在して暮らしを体験する「グリーンツーリズム」は、その具体例です。

実際、世界の有名観光地では観光客の集中による混雑やマナー問題(オーバーツーリズム)、入域制限や観光税の導入といった対策を取る地域も増えています。「数を増やす観光」から「質を重視する観光」へ、考え方は大きく変わりつつあるのです。

このテーマは国連のSDGs(持続可能な開発目標)とも深く関わっており、観光を学ぶことは地球規模の課題に向き合うことでもあります。

文化を理解し、地域の魅力を伝える 

質を重視する観光を考えるとき、鍵になるのは地域の文化そのものです。旅先で「この町らしい」と感じるものは、必ずしも有名な観光名所とは限りません。

昔から続く商店街、地域の祭り、地元の食材を使った料理、住民が大切に守ってきた景観、何気ない暮らしの風景。そうしたものにも、その地域ならではの歴史や文化、人々の思いが息づいています。

地域の魅力を伝えるには、まずその地域を深く知ることが必要です。どのような歴史があるのか。どんな人々が暮らしているのか。何を大切にしてきたのか。地域にとって誇りとなるものは何か。そして、訪れる人にどう伝えれば、その価値を感じてもらえるのか——ひとつずつ丁寧に考えていく作業です。

一方で、地域を訪れる人が増えればよいとは限りません。観光客の集中による混雑、生活環境への影響、自然や文化財への負荷など、地域にとっての課題も生まれます。

だからこそこれからは、「多くの人を呼ぶ」ことだけを目的にするのではなく、地域に暮らす人々と訪れる人の双方にとって心地よい交流をつくる視点が重要になります。文化や自然を守りながら、人との出会いや地域経済の活性化につなげていく。そうした持続可能なあり方を考えることも、国際社会や地域社会を学ぶ上で大切なテーマです。

国際ビジネス・観光専攻で学ぶこと 

ここまで見てきたような視点を、実際に体系立てて学べる場のひとつが大学です。フェリス女学院大学のグローバル教養学部国際社会学科には、国際関係専攻、地球社会・環境専攻、国際ビジネス・観光専攻があり、このうち国際ビジネス・観光専攻では、国際経済、金融政策、経営、日本企業の成長戦略、マーケティング、ツーリズム、地域経済の理論と課題を学びます。

企業が成長する仕組み、消費者が商品やサービスを選ぶ理由、海外の人々に日本の魅力をどう届けるか、地域にどのような経済的・社会的な変化が生まれるか。こうした問いを考えるためには、経済や経営、マーケティング、地域社会、異文化理解など、複数の視点が必要になります。

一例を挙げると、ある地域の魅力を海外へ発信したいとき、地域の歴史や文化を知っているだけでは十分ではありません。どのような人に届けたいのかを考えるマーケティングの視点、分かりやすく伝えるコミュニケーションの視点、地域に利益が還元される仕組みを考えるビジネスの視点、そこに暮らす人々の思いを受け止める視点。これらを組み合わせて初めて、魅力は届くものになります。

国際ビジネス・観光専攻では、こうした複数の視点を結びつけながら、世界と地域のつながりを考えていきます。

さらに、観光を通じた地域創生の現場実習では、地域の魅力や課題に向き合い、現場に足を運びます。人と出会い、実際の地域を知る経験は、教室で得た知識を自分の考えへと深めていく機会になるはずです。

観光ビジネスを、第一線で活躍する人から学ぶ 

現場に触れる機会は、実習だけにとどまりません。観光ビジネス論では、観光をビジネスとして捉え、観光産業の構造や市場の動き、商品・価格・流通・広報の戦略などを学びます。旅行や宿泊、交通、テーマパークといった業界が、どのように人々の「行ってみたい」「また訪れたい」という気持ちを形にしているのかを、経営やマーケティングの視点から考える授業です。観光産業の多様な仕事や、そこで働く意義についても学びます。授業には旅行やホテル、エアライン、テーマパークなどの業界企業の第一線で活躍するゲストが登壇し、それぞれの現場で大切にしている考え方や仕事の魅力、変化する時代に求められる人材像について学ぶ機会もあります。 

テーマパークで人々の心に残る体験をつくること、ホテルで国内外から訪れるゲストを迎えること、航空会社として世界と日本をつなぐこと、旅行会社として新しい旅の価値を提案すること。業界は異なっていても、その根底には「人の期待に応え、心を動かす体験を届ける」という共通した思いがあります。 

教科書やデータだけでは見えにくい仕事のリアルに触れることは、自分が将来どのように社会と関わりたいかを考えるきっかけにもなるでしょう。

海外での経験が、視野を広げる 

とはいえ、世界と向き合う力は教室で話を聞くだけで十分に身につくものではありません。実際に海外を訪れ、異なる文化や社会に触れることで、自分が当たり前だと思っていたことを見つめ直す機会が生まれます。

フェリス女学院大学では、海外の協定校や現地を訪れる短期研修・現地実習の機会が用意されており、イタリアでの海外現地実習はフィールドワークや民泊を含む10日間のプログラムとして実施されています。

海外での学びが育てるのは、語学力だけではありません。現地の人々の暮らしに触れ、地域の文化や自然、歴史、社会の仕組みを知ることで、「違い」をただ珍しいものとして見るのではなく、背景を理解しようとする姿勢が身についていきます。

慣れない環境では、自分の考えを伝えることも、相手の意図をくみ取ることも簡単ではありません。しかし、その経験があるからこそ、相手の立場を想像する力、分からないことを学ぼうとする力、多様な人と協働する力が育まれます。

世界で起きていることと、自分が暮らす地域は無関係ではありません。海外での経験を通じて得た気づきを、自分の地域や将来の仕事にどう活かすか。それを考えることも、国際社会を学ぶ魅力のひとつです。

関連記事:[海外現地実習(イタリア)に行ってきました!]https://magazine.ferris.ac.jp/20260402/20265/

関連記事:[協定校ガジャマダ大学(インドネシア)を訪問]https://magazine.ferris.ac.jp/20240312/18542/

「観光をビジネスとして学びたい」「地域を元気にする仕事がしたい」「世界を舞台に観光に関わりたい」——そんな関心を持つ人には、こうした国際系の学部から観光学に入るルートも、ぜひ選択肢に加えてみてください。

語学を通して、世界の人と向き合う力を育てる 

海外での経験も、国内でのホスピタリティも、言葉が通じなければ十分に力を発揮できません。その意味で、語学はここまで述べてきた学びを実際の対話へとつなげる土台でもあります。フェリス女学院大学では外国語を学ぶ機会も充実しており、語学力と異文化理解を土台に、海外からの来訪者を迎え、地域や日本の魅力を世界へ伝える力を育てます。

出典:「語学教育」(フェリス女学院大学)、https://www.ferris.ac.jp/academics/language/Language-Education/

学びの先に広がる進路 

こうして身につく知識や経験は、特定の業界の中だけで活きるものではありません。異文化を理解する力、人の思いをくみ取る力、地域の価値を見つけて伝える力、データや社会の動きから課題を考える力、そして立場の異なる人々と協働する力——変化の大きい社会だからこそ、こうした力は幅広い場面で求められています。 

進路の例としては、次のような分野が考えられます。

  • ホテル、航空、鉄道、旅行、ブライダル、テーマパーク、商業施設などのホスピタリティ・サービス分野
  • 企業の営業、企画、広報、マーケティング、海外事業など、国内外の人々や市場と関わる分野
  • 地方自治体、地域団体、まちづくり企業など、地域の魅力を発信し、交流を生み出す分野
  • 広告、メディア、出版、コンテンツ制作など、地域や文化の価値を伝える分野
  • 商社、金融、コンサルティングなど、国際社会や経済の動きに関わる分野

フェリス女学院大学の国際社会学科では、観光・旅行業をはじめ、商社、マーケティング会社、金融業、コンサルティング業、公務員など、多様な進路が想定されています。

大切なのは、「旅行が好きだから旅行・航空・ホテルなどツーリズム関連企業へ」と早い段階で進路を狭めてしまうのではなく、好きという気持ちを出発点に、世界、文化、人、地域、ビジネスへの関心を広げていくことです。そうすることで、将来の選択肢は大きく広がっていきます。 

「旅」を通じて、世界と日本、地域をつなぐ人へ 

「旅行が好き」という気持ちの奥には、新しい場所へ行きたいという思い以上のものがあります。 

知らない文化に触れたい。異なる価値観を持つ人と出会いたい。地域に受け継がれてきた魅力を知りたい。自分の暮らす町や日本の魅力を、もっと多くの人に伝えたい。そうした思いは、世界と地域をつなぐ学びへと発展していきます。

これからの社会で必要なのは、世界から訪れる人を迎える力と、自分たちの地域や文化を大切に伝える力の両方です。そして、その土台になるのは、相手を理解しようとする姿勢であり、多様な人々と協働する力であり、社会や地域の課題に目を向ける力です。

フェリス女学院大学の国際ビジネス・観光専攻は、国際社会、ビジネス、地域、文化を横断しながら、世界と向き合うための視点を育てます。

「世界をもっと知りたい」「人と人をつなぐ仕事がしたい」「地域や日本の魅力を届けたい」——そんな思いを持つ人にとって、フェリスでの学びがきっと合うはずです。 

オープンキャンパスで相談してみませんか?

「国際ビジネス・観光専攻では、実際にどのような授業を受けるのだろう」「海外での学びにはどのような選択肢があるのだろう」「自分の興味を将来の進路へどうつなげられるのだろう」と感じたら、オープンキャンパスで直接相談してみてください。

大学案内やWebサイトだけでは分からない授業の雰囲気、学生生活、将来の進路について、教職員や学生の話を通じて具体的にイメージできるきっかけになるはずです。

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