Interview #19

「“心”は何を映している?
日韓のことわざから見える、文化と価値観の違い。」

文化表現学科

N.I.さん

言葉の違いに、文化が映る 込められた「心」の意味をたどり 価値観を見つめる

「正しいけれど、ちがう」が教えてくれた言葉と文化の関係

日韓の「心」に関連することわざを比較・研究しています。

韓国語が好きで勉強を続ける中で、韓国・梨花女子大学への交換留学を経験し、「自分の話す言葉は文法的には合っているのに、どこか不自然に聞こえる」と感じたことが、研究の出発点です。また、ネイティブの友人から「その言い方はあまり使わないよ」と教えてもらうことが何度もありました。

そこで、「言葉そのものの正しさ」だけではなく、その背景にある文化や価値観が、表現の選び方やニュアンスに大きく影響していると実感しました。

卒業論文のテーマを考えるとき、「韓国語に関わることがしたい」「文化や価値観の違いを言葉から捉えたい」と考え、先行研究を調べていく中で出会ったのが、ことわざ研究でした。ことわざには、人が大事にしてきた価値観や生き方の知恵が凝縮されていると感じ、「心」に関わる日韓のことわざを集めて比較することにしました。

言葉に映る文化のちがい 学びから見つけた 新しい視点

日韓の「心」をことわざで比べて見えたもの

私はまず、「心」に関連する日韓のことわざを収集し、「感情表現」「人間関係」「倫理観」という三つのカテゴリーに分類しました。

その結果、人間関係に関することわざは、韓国よりも日本の方が圧倒的に多く、日本社会における「和」や「調和」を重んじる文化が色濃く反映されているのではないかと考えました。
一方で、内面と外面に関することわざは日韓ともに多く見られ、「心の中のものは外に表れてしまう」と、「外に見せている姿と中身は違う」という意味のことわざの両方が共通して存在していました。
このことから、二つの国は異なる文化をもちながら、「本音と建前」や「内と外」の関係について、似た感覚を共有している部分もあると分かりました。

印象に残っている韓国のことわざの一つに、「心の中はお酒を飲んでこそ分かる」といった意味の表現があります。飲酒文化が盛んな韓国ならではの価値観がことわざにも表れており、日本の「財布の底は人に見せるな」という、内側を隠そうとするニュアンスのことわざとの違いが、とても興味深く感じられました。

こうした比較を通して、「言葉には文化が宿る」という感覚が、より具体的な形で見えてきました。授業で学んだ韓国語、韓国の文化と社会に関する科目、そして留学経験がつながり、言語そのものだけでなく、その背景にある文化を一緒に研究したいという思いが強くなりました。

韓国語インテンシブ・コース、梨花女子大学への交換留学、ゼミで学び続けた在学中、TOPIK6級(最上級資格)を取得することができました。卒業後は韓国の大学院へ国費留学生として進学しました。

高校生のみなさんにも、「好き」という気持ちから始めた学びが、留学や卒業論文を通して、入学時には思いもしなかったテーマや未来につながっていく面白さを、ぜひ大学で味わってほしいです。

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