日本の文学・文化は何に影響を受け、どのように変化したのか

文化表現学科 日本・アジア専攻

宋 晗准教授

大学で見つけた古典文学の魅力が 今の研究へとつながっている

専門分野は「和漢比較文学」です。古代中国で生まれた漢字、漢文がどのように発達したのか、それが日本でどのように受容され日本ならではの文化として定着したのかを研究しています。大学に入学する前から歴史文学が大好きでだった宋先生は、大学での授業で学んだ方言と古代中国の標準語の関係性に興味を持ち、今の研究を行うようになりました。

大学の古典文学の授業で、現代中国の地方で使用されている方言に、昔使われていた中国の標準語の名残が見られるということを知りました。現在我々が使用している言葉も先人たちから受け継がれて今の姿になっているということ、人類の歴史に触れられたところがとても面白いです。この発見がきっかけで漢文の世界にのめりこむようになりました。大学では面白い経験もしました。キャンパスを何の気なしに散歩していた時、目の前に広がる夕焼けの空がその時勉強していた古典詩とぴったり合ったのです。時代を超えた人とつながりの面白さを、身をもって感じた瞬間でした。

言葉の歴史を知ると 文学は更に面白くなる

我々が何気なく使う言葉の中に潜む言葉の来歴を紐解くことで、新たな角度から文学を楽しめます。

例えば『花鳥風月』という言葉。一般的に出典は世阿弥の『風姿花伝』とされていますが、それまでにもよく似た言い回しは存在しており、それが世阿弥によって特別な意味を持ったというのがより正しい考え方です。それまで普通に使われていた言葉遣いが、あるタイミングで熟語化されて今の私たちに伝わる、このような過程を調べていくことが研究の醍醐味です。また、日本の古典文学と聞くと、大和言葉による文学を連想される方が多いと思いますが、漢文も日本古典の片翼を担う重要な要素です。かな文学と漢文学の相互関係性も面白い研究テーマです。

漢字・漢文を媒介に日本と中国の関係性を研究していますが、今後はより俯瞰的に、韓国やベトナムで生まれた漢詩も視野に入れ、共通点や差異を研究したいと思っています。

我々が使っている日本語は、中国をはじめとする東アジア地域の影響も受けつつ、今の姿を形作っています。様々な地域・文化との関わりを広い視野を持って研究する、皆さんも上質な『言葉の旅』に漕ぎ出しませんか?

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