本好き、イラスト好き。その全部を活かせる読プロへ
入学してすぐに図書館へ行ったとき、壁に貼られている読書運動プロジェクト*(読プロ)のポスターを見て、興味をもちました。もともと本や漫画が大好きで、高校では美術部に所属し、小さな絵やイラストを描くことに夢中でした。説明会で「選書をして、POPを描く」という話を聞いた瞬間、「ここなら、自分の“好き”をぜんぶ活かせる」と感じて、参加を決めました。
読プロの活動の中心は、長期休み前の夏と冬、春の3期間に行う読書企画です。なかでも読プロメンバーの中で看板企画になっているのが、本の福袋「ラッキーバック」。タイトルを隠した状態で本を袋に入れて貸し出し、袋に貼ったポップには「こういう本です」「こんな人におすすめです」とだけ書きます。借りる人は中身が見えない分、POPから想像をふくらませて“出会い”を楽しんでもらう仕組みです。
POPづくりで最初に考えるのは文章ではなくデザインです。手に取ったとき、パッと目に飛び込んでくるイラストや色使いを大事にしています。そのうえで文章は短く、その本で印象に残ったフレーズや「なぜこの本を読んでほしいのか」をぎゅっと絞って書くようにしています。頭では分かっていても、いざ一枚のPOPに落とし込むのは難しく、毎回うんうん唸りながらつくっています。
*「読書運動プロジェクト(通称:読プロ)」は、学生が主体となり、読書を個人的な経験だけでなく、他者と共有・発信していく活動です。2002年度からスタートし、企画・朗読の2チームが毎年、得意を生かした企画、イベントに取り組んでいます。

アイデアを「読書マップ」という企画にするまで
昨年度(2025年度)は、メンバーが発案した新企画「読書マップ」も実現しました。イエス・ノーで質問に答えていくと、最終的におすすめの本にたどり着くチャート形式の企画で、心理テストのような感覚で楽しんでもらえるものです。
企画づくりでは、まず全体で「読書マップをやってみよう」と決め、少人数のグループに分かれてチャート案を出し合いました。メンバー4人で「本は好き?」「動物は好き?」といった質問をとにかくたくさん書き出し、「これはどう?」「こっちのほうが答えやすいかも」と話し合いながら絞り込んでいきました。私はアイデアを出すというより、出てきた案をシートに整理していく“まとめ役”のポジションで、みんなの豊かな発想をどうつなぎ、どう分かりやすいチャートに落とし込むかを考えました。
初めての試みだったこともあり、貸し出し数は多くはありませんでしたが、その分、「ポスターの見せ方はどうだったか」「場所や告知はわかりやすかったか」など、次につなげるための話し合いをじっくりできた企画でもあります。

「夏といえば氷」から始まる、本との出会いづくり
ラッキーバックの中身を選ぶ「選書」にも、小さな工夫があります。まずテーマを一つ決め、そこから連想ゲームのようにイメージをふくらませていきます。「夏」と決めたら「夏といえば氷、氷といえば…」というふうに言葉をつなげ、そのキーワードを図書館のOPAC(検索ポータルサイト)で検索。出てきた本のあらすじを読み、「これはラッキーバックに入れたらおもしろそう」と思ったものを候補にします。
最後に、実際にページをめくって本の雰囲気を確かめながら、袋ごとの組み合わせを決めていきます。自分が読んでみて「好き」だと思えた本だからこそ、POPにも自然と熱がこもる気がします。「こんないい本があったんだ」と新しい出会いを感じてもらえるように、一つひとつの袋に物語を詰めていくイメージです。
主将になってぶつかった、「まとめる」ことの難しさ
今年度から、読プロの主将を任されています。これまでリーダーの経験はほとんどなかったので、プレッシャーは正直大きいです。
週1回のミーティングでは、司会進行を担当。既存メンバーと新規メンバーが混ざるなかで、全員に伝わるように説明することや、うまく輪に入りきれていない人に声をかけることは、想像していた以上に難しいと感じています。新しく入ったメンバーに「大丈夫?」と聞いても、「はい」と短く返ってきて会話が止まってしまうこともあり、「次はどう切り込めばいいんだろう」と毎回考えさせられます。
そんなときは、副主将とミーティング後に振り返りをして、「この聞き方だと答えづらかったかも」「次はこんな質問をしてみよう」と何度も意見交換しながら改善を重ねています。今年の夏もラッキーバックに向けた準備が進行中です。思いどおりにいかないこともたくさんありますが、一つひとつの試行錯誤が、ゆっくりと自分の土台になっている手ごたえを感じています。