学内でできる国際交流:毎週1回、1対1の日本語学習支援
高校で所属していた「国際文化科」は同級生の半分以上が海外にルーツを持つ環境でした。国際交流のモチベーションが高い友人たちの影響で、「もっと積極的に国際交流をしてみたい」と思うようになりました。
フェリス入学前から公式Webサイトで留学について調べ、「学内でできる国際交流」 があることを知りました。入学後は1年生前期から4年生となった現在まで、ランゲージ・アシスタント(以下、LA)として、出身の異なる7人の留学生の日本語学習をサポートしてきました。LAは、週1回・90分を目安に、留学生と1対1で留学生科目「大学で学ぶ日本語」の学習支援を担当します。卒業まで続けたいと考えています。
現在は、日本語を母語としない人に日本語を教える「登録日本語教員」の資格取得を目指しています。留学生へのサポートは、日本語教育を実践的に学べる場にもなっています。
手作りの漢字テストで、留学生の日本語学習を支える
学習サポートは、こうでなければならないという決まった形ではなく、担当する留学生の「苦手」や「やりたいこと」を聞き取りながら、一緒に決めています。
たとえば「漢字が苦手」という留学生には、毎回オリジナルの小テストを作って、一緒に意味や書き順を確認しながら、少しずつステップアップできるように工夫しました。学期末のレポート作成では、構成や表現を一緒に考えながら添削し、より伝わる文章になるように日本語を磨きました。
また、学習だけでなくフリートークの時間も大切にしています。留学生からは日本の歴史や経済について話題が出ることも多いです。好きな映画や音楽といった話題は日本語での会話も盛り上がります。教科書だけでは学べない「生きた日本語」に触れてもらえるよう意識しています。
ウクライナの留学生と言葉を超えて楽しめたライブと展覧会
音楽がきっかけで仲良くなったウクライナ出身の留学生もいます。
私自身、海外のアーティストの音楽を聴くことが好きで、「好きなバンド」の話で盛り上がりました。彼女が大好きだった韓国の3人組バンド「Wave to Earth」が来日することを知り、「せっかくだから一緒に行こう」とライブに出かけました。会場で同じ曲を聴きながら、「国も母語も違うのに、同じ音楽でこんなに一緒に楽しめるんだ」と、言葉をこえたつながりを実感しました。
また、彼女とは、2025年2月に坂本龍一さんの展覧会「音を視る 時を聴く」*¹ に行きました。
展覧会のタイトルに使われている「聴く」は「聞く」とどうニュアンスや意味が違うのか質問されて、考えながら回答したことを覚えています。「ことば」について深く考える時間になりました。
彼女が連れて行ってくれた、戦争で被災したウクライナ人の方が営むレストランも忘れられません。おいしい料理を味わう時間は、ニュースだけでは見えてこなかった日々の暮らしを感じる時間でもあり、自分の世界が少し広がった気がしました。
*¹会期:2024年12月21日(土)~ 2025年3月30日(日) 会場:東京都現代美術館

「教える」ことで気づいた、「当たり前」「感覚」を「説明できる」にする方法
一番難しいと感じるのは、普段当たり前のように使っている日本語の使い方を説明することです。
助詞の「は」と「が」の違い、敬語の使い分けなど、留学生に聞かれて初めて「自分は感覚で使用していた」と気づくことが何度もありました。そこで、日本語教育の授業で使っている資料を読み返したり、「どの参考書ならわかりやすく伝えられるか」を考えたりしながら、説明を探しています。
敬語を教えるときは、「自分の普段の言葉遣いは大丈夫かな」と、話し方を振り返るきっかけにもなりました。
スペイン語インテンシブ・コースでは、スペイン出身の留学生と「私がスペイン語で、相手が日本語でメッセージを書く」というルールを決めて連絡を取り合っています。お互いに添削し合いながら、母語と学んでいる言語を交換するような感覚で学べるのが、とても楽しいです。
もともと、人を巻き込んで何かを企画したり、大勢の前で積極的に話したりするタイプではありませんでした。それでも、LAの活動を続けてきたことで、「自分から声をかける」「相手の話をじっくり聞く」といった小さな一歩を積み重ねられるようになったと感じています。
今は就職活動中ですが日本語教育にはボランティアとして社会人になってもかかわり続けたいと思っています。ゆくゆくは、海外で日本語教師をすることが夢の一つです。