ハングル初心者から日韓・韓日フォーラムへー「話すのが怖い」を超え、韓国語で自分の思いを伝えられるようになるまで

国際社会学科

M.Fさん

直感で選んだ韓国語にのめりこむ

K-POPブームや新大久保のコリアンタウンに遊びに行った経験から、「韓国語をやってみようかな」と思ったのが、韓国語を履修したきっかけでした。当時は、語学がすごく好きだったわけではなかったので、基礎力をつけようと思いスタンダード・コース を選択しました。
転機になったのは、2年生の春に学内で見かけた海外短期研修 のポスターでした。 ハングル文字を覚えたばかりで、「あいさつ」がやっと言えるくらいでしたが、「行ってしまえばなんとかなるかも」と思い切って参加を決めました。

留学先の梨花女子大学の語学堂では、レベル別クラスに分かれ、私は初級にあたる2級のクラスに入りました。 クラスの中でも初級者で、クラスメイトとの会話でも、スマートフォンの翻訳アプリに頼りたくなる場面も多かったです。そのような環境で、仲良くなった台湾人のクラスメイトと会話をしたいという気持ちがモチベーションになり、翻訳アプリを使わずに自分のことばで話したいという気持ちが強くなっていきました。一緒にチキン屋さんに行ったり、帰国後も連絡を取り合ったりするうちに、「韓国語で話すからこそ生まれる関係」があると実感しました。

留学中に語学堂のクラスメイトと食事に行った時の一枚
梨花女子大学語学堂主催のキャンパスツアーの様子

やるしかない環境で気づいた、話せる自分への成長

もっと韓国語を伸ばしたいと思い、自分でエージェントを探して、再び梨花女子大学の語学堂に認定留学することを決めました。 
もともとスピーキングが苦手で、渡航してから最初の1か月くらいは、自分の話す韓国語に自信が持てませんでした。 それでも「韓国にいる以上、話さないと始まらない」と思い、とにかく韓国語で話す回数を増やしていくうちに、少しずつ「話すこと」が怖くなくなっていきました。

授業は午前中だけだったので、午後は街に出かけたり、語学堂内のサークル活動に参加したりして、語学堂の友人とも交流しました。 語学堂には美術館や博物館をめぐるサークルとダンスサークルの2つがあり、「いろいろな場所を見て回れるほうが楽しそう」と思い、前者を選びました。滞在中には、東大門デザインプラザ(DDP)や映画博物館、ソウル市立美術館などに行きました。

語学堂では、韓国語で自分の選んだテーマについて原稿を見ずに5分ほど話すというテストが定期的にありました。最初はとても緊張して、テスト前は気が重かったですが、何度も準備と本番を繰り返すうちに、自信が持てるようになり、「やらざるを得ない環境にいると、人ってちゃんとできるようになるんだ」と感じるようになりました。
4級のテストでは、昔と今で立場が変化した職業について、日本と韓国のどちらかの事例を選んで発表する課題に取り組みました。 4日ほどで原稿を書き上げて先生にチェックしてもらい、その後1週間で台本とスライドを仕上げるというタイトなスケジュールでしたが、短期間で考えをまとめて表現する力も一緒に鍛えられたと思います。半年間の留学で、3級のクラスから始まり、修了時には4級(ニュースや新聞、公式文書もある程度読めるレベル)まで進級しました。

梨花女子大学の語学堂修了時にもらった証明書
留学中に伝統衣装のチマチョゴリを着用して撮影した一枚

映像作品と歴史からひもとく、私なりの“韓国理解”

2年生後期でゼミを選ぶタイミングは海外短期研修を終えて、私の中では「韓国」への関心が高まっていました。 文化や映像作品に興味があったので、現代韓国研究が専門の金香男先生のゼミを選択。卒業研究では「日本における韓国ドラマの人気」をテーマに取り組んでいます。

韓国ドラマは、恋愛や家族の描写がどこか「少女漫画的」で、理想がたくさん詰め込まれているようなストーリーが多いと感じています。 一方で日本のドラマは、日常のリアルさや現実的な設定が特徴的で、「こういうこと、ありそうだな」と思いながら見られる作品が多い印象です。一方で、映画になると韓国は社会情勢や世の中の問題を色濃く反映した作品の人気が高く、日本よりも社会派作品の存在感が強いと思います。 

国際交流の舞台に立って見えた、目の前の人が一気に「仲間」になる瞬間

7月2日には、外務省の「対日理解促進交流プログラム(JENESYS)2026」に参加しました。フェリス女学院大学を訪問した韓国からの訪日団の学生とグループを組み、自由なテーマで日本語・韓国語でディスカッションをしました。発表の場での韓国人学生の話の構成がわかりやすく、自信を持ってプレゼンしている様子はとても参考になりました。私たちのグループは日韓の大学生活の違いについて話し合いました。韓国の学生が深夜から明朝まで長時間図書館にこもって勉強していることや、日本のような一斉のお昼休みがなく、時間割の組み方で自分の休憩時間を作るという話を聞いて、学び方や時間の感覚の違いに驚きました。

また、一緒に食事をしながら、お箸やカトラリーの置き方の違いが話題になったことも印象に残っています。 日本では自分の手前に横向きに箸を置くことが多いのに対し、韓国では食器の右側に縦に置くのが一般的だと知り、「こんなささいなところにも文化が表れるんだ」と会話が盛り上がりました。

JENESYS2026で韓国の学生とグループワーク中の写真


その後、金先生に声をかけていただき、7月30日(木)に開催された第34回日韓・韓日フォーラム(テーマ「共通の未来に向けた日韓協力」) *¹と公式サイドイベントである、7月11日(土)開催の第12回日韓・韓日ジュニアフォーラム (テーマ「 人口減少・競争社会の中で私達が描く日韓の未来ー日韓の共通課題を軸として」)*²にも参加しました。

日韓・韓日ジュニアフォーラムでは、日本と韓国の大学生・大学院生18名が集まり、ライフコース、少子高齢化、福祉・健康、労働・経済、地域・人口、民主主義、情報社会をテーマにディスカッションを実施。最終的には提案書にまとめて日韓フォーラムに提出しました。

ジュニアフォーラムでは保育園や保育士の不足、子育てにかかる経済的負担の課題について意見を述べました。 さらに、「出産や育児に関する経済的、時間的な負担が視野に入りやすいのに対し、そのような中にも楽しさがあるといったポジティブな情報に接する機会は少ないのではないか。SNSで当事者が発信することで補完できないか。」という提案もしました。

アジアを専門の一部として学んでいる学生や理系の学生など、背景も関心もさまざまな参加者がいて、「このイベントがなければ出会うことのなかった人たち」と議論を交わせたことが大きな財産になりました。
また、参加者の中で女子大に通っていたのは私だけで、ジェンダーの視点を取り入れた話題では、授業で学んだことを紹介する場面も多くありました。 例えば、健康をテーマにした議論でルッキズムの話になったとき、フランスのファッションショーにはモデルの体重の下限を定める制度(通称:痩せすぎモデル禁止法)があるという事例を紹介したところ、他大学の学生から驚かれました。

日韓・韓日フォーラムでは、ジュニアフォーラムから提出した提案書の発表者として登壇しました。私は少子高齢化に関する提案書の発表を担当しました。代表学生6名のうちトップバッターを務めたため緊張しましたが、無事に発表を終え、ほっとしています。少しでも上の世代の方々に私たちの思いが届いていれば嬉しいですし、今後も若者の意見を大人に伝える機会が増えていけば良いなと思います。発表後の質疑応答では、フェリスで学んだことを活かしながら、女子大学生ならではの視点で答えることができたと感じており、少し誇らしい気持ちです。
2つのフォーラムを通して、普通に生活していたら経験できなかったことをたくさん経験でき、大学生、大学院生、異なる専攻、異なる国籍やバックグラウンドの学生たちが集まって交流したことが、すごくいい刺激で、私自身の成長にもつながったと思います。

留学や交流プログラム、フォーラムを通じて、世界中に友人ができたような感覚を得ることができました。 翻訳アプリはまだ完璧ではないし、海外では自分がマイノリティになる場面も多いけれど、「自分のことばで伝わった」と感じられた瞬間に、目の前の人が一気に「仲間」になる、その感覚を韓国語の学びを通して知ることができました。
今振り返ると、梨花女子大学への2度の留学、JENESYSや日韓ジュニアフォーラムへの参加など、ひとつひとつの経験がすべてつながっていると感じます。 将来は、こうした国際交流の機会をつくる仕事に携わりたいと考えています。


1993年の細川護煕首相と金泳三大統領の首脳会談をきっかけに開始した、日韓の民間による政策協議フォーラム。「下田会議」をモデルに、両国のオピニオン・リーダーが集まり、政治・経済・文化など幅広いテーマで「未来志向の日韓関係」について話し合い、交流を深めています。


2015年に創設された日韓・韓日フォーラムの公式サイドイベント。両国の大学生・大学院生が共通の課題について議論を行い、代表学生がその内容を日韓・韓日フォーラムで発表しています。互いに学び合い、リーダーとしての資質を育てながら、日韓の共通課題への理解を深め、未来の友好関係づくりに取り組みます。

参考:公益財団法人 日本国際交流センター
次世代リーダー育成の取り組み:https://jcie.or.jp/program/youth.html
日韓フォーラム:https://jcie.or.jp/program/korea-japan-forum.html

日韓・韓日フォーラムでの韓国の学生とのツーショット
同フォーラムで提案書の内容を発表する様子

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