学部長ご挨拶

文学部
文学部には、英語英米文学科・日本語日本文学科・コミュニケーション学科と3つの学科があります。そして、学科それぞれの特徴を活かし、言語・文化・コミュニケーション・歴史・社会・思想・芸術・サブカルチャーなどの幅広い学問分野を網羅して、授業を展開しています。 それと同時に、社会人基礎力の根幹をしっかりと育てるために、1年次前期には、高校からの接続教育として3学科共通の授業「R&R」(入門ゼミ)を設け、文献の調べ方、発表の仕方やレジュメの作り方、ディスカッションの仕方など、大学で学ぶための導入教育を丁寧に行っています。これに続いて4年次末まで、一貫して少人数クラスによる授業を開講し、ゼミを中心として、また3学科それぞれの専門科目によって、調べ、まとめ、報告・表現する力を養成しています。
人文系の学問の意味とは、長い時の篩(ふるい)にかけられた後、なお残った文化遺産を多角的に検証し、それを現代に活かしていくことに尽きると思います。そうした知的作業を経ることによって、社会人となるための基礎力の根幹がしっかりと育つのです。そうした知の探求を通して、皆さんのしなやかな感性を思う存分に伸ばしてほしいと思います。
真の知は、学ぶ人間を自由にし、豊かに、大きく成長させてくれるものです。どうか、高い志を持ち、真の知の探究を通して、大いに成長してほしいと心から願っています。 長い女子教育の歴史を有する文学部は、多くの人材を輩出してきました。これからも、社会で活躍する女性を育成していきます。
文学部長由井 哲哉
国際交流学部
国際交流学部のユニークさ
国際交流学部は1997年に、国際社会を国家間関係にのみとらわれずとらえる、文化・思想・言語の異なる人々の「共生」を考えるという学部のコンセプトで開設されました。
目下の新型コロナウィルス感染症の世界的流行は、グローバル化した現代社会の矛盾を露呈し、いわば国際交流学部のあり方を試すものでもあります。これまで推進されてきた国家間の移動の自由が制限され、先進国と開発途上国のあいだの不公平なワクチン分配が明らかとなり、また豊かな国であっても社会的弱者の、ジェンダー的な視点からとらえると、女性の困窮化がいっそう顕著となっています。
しかしだからこそ、これを生きた教材として、コロナ禍後の世界の構築を考えるための契機とすることもできるのではないでしょうか。その際、人権・ジェンダー平等・環境保全といったグローバルな価値を基盤としつつ、いかに異なった文化や価値を持つ世界の多様な人々が地球規模のさまざまな課題を解決していくのか、改めて問いただすことが求められます。国境にとらわれず、多様なアクター(行為主体)も視野に入れ、多文化共生をめざす国際交流学部のコンセプトは今後ますます重要になってくるはずです。
全国の大学に国際系の学部や学科がつくられるようになって30年以上の時間が経過しています。国際系の学部・学科の多くが抱える悩みは、学際的に学べるがゆえに広いけれど浅い学びになってしまう学生がそれなりの割合出ることです。私たちの学部では、「国際協力」「文化交流」「人間環境」の3つのプログラム制を導入し、学生それぞれのフォーカスを持った学びを奨励してきました。その一方で「木(地域)を見て森(グローバル)を見ない」あるいは「森を見て木を見ない」にならないような学部にもしていきたいと思います。
国際交流学部長田丸 理砂
音楽学部
これからは「/(スラッシュ)の時代になる」―これは、天才IT起業家と言われる台湾のオードリー・タン氏の言葉です。「/の時代」とは多様な文化・異なるジャンルを行き来する時代、ということだそうです。
すでに音楽の世界も「/の時代」に入っていると思います。演奏家など、音楽の中のひとつのジャンルを極めることはもちろん専門家として素晴らしいことです。しかし、演奏と文化ビジネス、コンピュータ音楽制作と心理学など、ひとつではなく異なるジャンルの専門を身につけたら、その人はスラッシュで多様な専門を行き来することにより、より多角的で社会に適合した発想で二つの専門を高めあう可能性を秘めることになります。
パンデミックを経て時代は大きく変わってゆくことになるでしょう。いま、そしてこれからの多様性の時代を支えるのは、多様な文化やジャンルを行き来する力を持ち、ジャンルを超えた創造的発想で柔軟に仕事ができる人たちでしょう。例えば、楽器演奏/国際関係論/ビジネス論、ミュージカル/文学/IoT、音楽教育/脳科学/ダンス、Jポップ/文化社会学、バレエ/フランス語/歌舞伎研究というように、音楽と他の学際的な分野を共に専門的に学び、そのかけ合わせから自分の個性と表現を探求し、新しい仕事をクリエイトするような可能性が考えられます。フェリスの音楽学部音楽芸術学科ではこのような探求が可能なカリキュラムが用意されています。
あなたも「大好きな音楽/何か他の領域」のスラッシャーとして、多様性の時代の創造的発想提供者となるべく、音楽学部で楽しく学びませんか。
音楽学部長立神 粧子