Ferris Alumni Gallery#19

大学の学びと人との繋がりが「お茶」に新しい風を吹き込む

宮代 友梨佳

宮代製茶
国際交流学部 国際交流学科 2017年卒業

Category

国際社会学科/その他

2025/06/27

現在のお仕事について教えてください

静岡県沼津市にある実家のお茶農家で、祖父と共にお茶の製造と販売に従事しています。5月の繁忙期には、茶畑で摘み取られた茶葉を工場に運び入れ、私たちが飲める状態のお茶に加工していきます。その日の天候や茶葉の水分量によって製造工程を細かく調整する必要があり、祖父から知識と技術を教わりながら、最高の味を引き出すための「見極め」を学んでいる最中です。販売面では、これまでの常連のお客様や地元の産直市場に加え、自ら営業活動を行って販路の拡大に力を入れています。伝統を守りながらも、新しいお客様に私たちのお茶を届けるため、日々試行錯誤を重ねています。

新茶前の茶畑にて祖父から生葉の状態を教えてもらっている様子
工場内で祖父から機械の操作を教わっている様子

仕事のやりがいを教えてください

一番のやりがいは、お茶を飲んでくださった方から「美味しい」「飲みやすい」というお言葉を直接いただけることです。また最近では、地元の飲食店と協力し、私たちのお茶を使ったカクテルやラーメン、パフェなどのコラボ商品を展開しています。これまでお茶に馴染みのなかった世代の方々にも興味を持ってもらえるきっかけとなり、新しい形でその魅力が広がっていくことに大きな喜びを感じます。もともと、祖父の病気を機に「このままでは家業がなくなってしまう」という危機感を抱き、大好きだった実家のお茶を守りたい一心でこの道へ進むことを決意しました。祖父が50年以上かけて築き上げてきた想いを無駄にしないよう、常に感謝と責任感を持ち、仕事に取り組んでいます。

ほうじ茶と深むし茶。口当たりが良く、まろやかで深い味わい。後味がすっきりしていて飲みやすい
沼津経済新聞が運営するセレクトショップNewStand+とのコラボでほうじ茶スイーツが誕生。濃厚なのにさっぱりと味わえるデザート。プリンとゼリーでまろやかなほうじ茶をしっかり味わえ、トッピングのパウダーで香りを楽しめる。

大学時代に学んだことを教えてください

大学時代は、フランス語のインテンシブ・コースを履修し、フランスへの短期留学も経験しました。直接的にフランス語を仕事で使う機会はまだありませんが、将来的に海外の方へ日本茶の魅力を伝える際に、この学びが大きな武器になると信じています。また、専門分野以外に学んだ心理学の授業も、今の自分に大きく影響を与えています。相手を先入観で判断せず、一人ひとりの話を丁寧に聞く姿勢は、銀行員時代のお客様対応はもちろん、現在のお茶の営業活動でも信頼関係を築く上で不可欠な土台となっています。

フランス留学時のクラスメイトとの写真

高校生へのメッセージをお願いします

大学時代は、まさか自分が実家のお茶農家を継ぐとは想像もしていませんでした。人生では何が起こるか分かりませんが、大学で学んだことや経験したことは、どんな形であれ、将来の自分を必ず支えてくれます。フェリスで出会った友人や先生方とは今でも交流が続いており、ちょっとしたことをきっかけに、仕事で繋がることもあります。そうした人との繋がりが、様々な場面で大きな支えとなっています。大学の4年間は、興味のあることに思い切り挑戦できる貴重な時間です。専門分野の勉強はもちろん、少しでもおもしろそうだと感じた授業を受けたり、新しい活動に参加したりしてみてください。そこで得た知識や人との繋がりが、いつかきっとみなさんの力になってくれると思います。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

My Career

01学生時代

フランス語インテンシブ・コースで語学を学ぶ。フランスへの短期留学も経験。専門外では心理学も学ぶ。

023年目

金融機関で個人営業担当として資産運用や保険の見直し、相続に関する仕事に携わる。

037年目

仕事を辞め、実家のお茶農家を継ぐことを決意

04今後の目標

世界にも目を向け、日本のお茶文化を届けたい

現在に生きる
フェリスの学び

学生時代の経験
心理学の授業で傾聴の大切さを学ぶ
身についた力
相手の言葉に真摯に耳を傾ける姿勢、コミュニケーション能力
仕事で活きた場面
お客様との信頼関係づくりからコラボ商品の企画まですべての活動の土台になっています。

※所属・仕事内容は取材当時のものです。

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