パリ国際芸術都市

「パリ国際芸術都市」(Cité Internationale des Arts)は、フランス政府が芸術家に活動・研修滞在施設を提供することを目的として設立した財団により、パリの中心部、セーヌ川沿いに建設された宿泊施設です。1965年から世界各国の芸術家に開放されています。 フェリス女学院では、音楽研修・活動を行う芸術家のためのアトリエ(2室)の使用権を所有しています。学院の教員等が芸術活動を通じて、日仏相互の文化交流に寄与すること、さらに本学の学生、同窓生等が西欧文化の凝縮してあるパリにおいて、専門技芸を一層向上させ、学院の目指す教育効果をより確実なものとすることにより、国際的な人材を育成することを目的としています。

パリ国際芸術都市

利用方法

利用希望者は、利用開始月の6か月前までに必要書類を総務課に提出してください。音楽学部教授会において審査を行います。
利用者募集要項 

利用者の声

前澤りなさん(ボルドー地方音楽院卒業)
滞在期間:2018 年 9 月~ 2020 年 8 月
研修機関:パリ6区立音楽院(2018-2019)、ボルドー地方音楽院(2019-2020)

前澤りなさん体験談
2018年から2年間、フランスで確立されたクラリネット演奏法の理解を深めるためにパリに留学しました。その間、「パリ国際芸術都市」に滞在しました。

1年目は、セーヌ川を挟んでルーブル美術館の南側に位置するパリ6区立音楽院で、ブリュノ・マルティネーズ氏のもと、クラリネットの基礎奏法の強化に取り組みました。同氏は、パリ国立オペラのクラリネット奏者なので、オペラやバレエのプレ公演に招待してくださり、たくさんの総合芸術作品を聴くこともできました。また、シテ・デザールに住むフランス、ドイツ、ベルギー、アメリカ、チリ、台湾、中国等、様々な国籍の音楽家たちとの交流もさかんで、彼らとコンサートやアートフェスティバルに参加し演奏経験を積むこともできました。

長い休暇を利用して、スペインで開催されたJuliánMenéndez 国際コンクールに参加しました。ファイナルまで駒を進めることができましたが、スペイン人の強烈な演奏表現力に力及ばず…。しかし、フランスとは異なる演奏スタイルのクラリネット奏者たちに出会え、とても刺激的で興味深い経験ができました。

滞在したアトリエのある別館 Rue Geoffroy I’ Asnier


アートフェスティバル。Subodh Gupta 氏の作品「Ali Baba」にてコンサート

スペインで参加した講習会の受講生たち


2年目は環境を変え、ボルドー地方音楽院に移り、リシャール・ランベール氏のもと、演奏表現力について深く学びました。 アンサンブルのレッスン、オーディション(トーナメント)のたびに、クラリネット科の学生たちと異なる会場に行き、プロのクラリネット奏者の前で演奏を重ねました。その結果、リヨンのクラリネットコンクールでは2位を受賞することができました。 週 4 回のパリからボルドーへの往復約5~6時間の通学は決して楽なものではありませんでしたが、沢山の経験を積み、成長することができたと実感しています。

しかし、残念なことにフランス全土での大規模なストライキやコロナウイルスの世界的大流行で、学びや演奏の機会が失われ、苦しい年となりました。 外出禁止令が出ると、パリの街はすっかり静まり返りました。その間、パリ国際芸術都市の自室にこもって、ひたすらクラリネットの勉強に没頭しました。長く終わりの見えない外出禁止令への不安、感染症への恐怖、人に会えない寂しさなど、様々な感情を抱きました。そんな状況でも、国際芸術都市のすばらしい練習環境、いつもサポートしてくださる職員の方々のおかげで、55日間の外出禁止令を終えることができました 。 そして、無事ボルドー地方音楽院を修了し、 DEMDiplome d etudes musicale :音楽研究資格)を取得することができました。

パリ国際芸術都市での2年間の研修を出来たことを大変うれしく思います。ここで得た経験は大きな自信となりました。今後の音楽キャリアに役立てたいと思います。

練習を重ねた楽しい仲間たち(右が前澤さん)

再建中のノートルダム大聖堂は「パリ国際芸術都市」のすぐそば