日本語教育学的視点は今後、あらゆる場面で多文化共生のカギとなる
日本に住む外国人が増え、日本語教育の必要性がますます高まってきています。今後は今まで以上に、学校や職場、地域などの身近な場面で接する機会が増え、彼らとともに生きていくことがあたりまえの時代となっていきます。問題は、言葉が通じないがために日本社会にうまく参加できず、排除されてしまう人もいるということです。こうした場面で、日本語教育学の知見と多文化共生の観点を備えた人材が外国人と日本人とをつなぐ役割を担っていくことが期待されています。 この状況を踏まえ、ゼミでは、学生が個々の関心にしたがって、留学生や結婚移住女性、外国につながる子どもの日本語習得などの研究テーマを設定し、日本語教室の参与観察や日本語教科書の分析、インタビュー調査などを行っています。研究を通じて養ってほしいのは、異なる視点から社会を見つめる力です。少しでも多くの人がこうした力をもち、職場や日常の場面で活かすことができれば、多文化共生が少しずつ実現されていくはずです。 学生の皆さんには、大学での学びをもとに、自分の経験や普段の生活のなかで問題意識を育み、よりよい社会をつくるために、自ら行動に移せる人材になってほしいと思います。