今までにない音楽を生み出すために
楽器の開発に試行錯誤する日々。
中西「私たちの身体は千差万別ですが、楽器は開発者や製作者によってデザインがある程度定まっています。定形化した楽器を演奏する以上、人によっては演奏しづらいと感じることもあるでしょう。ヒトではなく楽器が形状や演奏方法を変えれば、この問題を解決できるのでは、という考えから楽器デザインの研究を行っています。」
アドリブ演奏や即興演奏での「対話」に魅力を感じ、学生時代はジャズギターの演奏を行っていた中西先生。プロのミュージシャンとジャムセッションをした時に、即興にも技術や知識に根ざしたルールがあることを知ります。セッションの面白さを再確認する一方で、前提知識や技術がない人が音楽に参加すれば、新たな発見が生まれるのではないかと考えるようになり、楽器デザインの研究の道に進みました。
中西「新しい楽器の演奏方法や表現力は未知数です。そのため、世界各地のフェスティバルや学会に参加し、ライブ活動や展示を行うことで様々な方に知ってもらう活動を行っています。海外渡航の手荷物検査でしょっちゅう『これは何だ?』『演奏してみて』と言われ、説明するので多少のトラブルには動じなくなりましたね。」