Interview #02

アメリカ生まれの音楽には隠された名作がいっぱい。もっと魅力を知ってほしい。

音楽学部音楽芸術学科

谷口 昭弘教授

吹奏楽部で出会った アメリカ生まれの音楽。 その魅力の源に迫る。

専門であるクラシック音楽を中心に
アメリカの音楽研究を手掛ける

谷口「アメリカのクラシック音楽や映画音楽を研究しています。映画音楽というと、一般的にはテーマ音楽をイメージすることも多いですが、映画音楽研究では主題歌や挿入歌だけでなく、セリフや効果音の背後で流れている背景音楽も調べます。」

中高生時代に所属していた吹奏楽部でアメリカ人作曲家の作品に出会ったことがきっかけで今の道を進む谷口先生。研究の中でアメリカ映画、特にディズニー映画に使われる音楽も研究対象とするようになり、ディズニー音楽に関する書籍を出版、授業でも映画音楽の分野で教鞭を執るなど、研究の幅を広げています。

谷口「ラジオから聞こえてくるアメリカのクラシック音楽に魅力を感じ『研究してもっと詳しくなりたい』と思うようになり、フロリダの大学に留学しました。アメリカ国内でも資料集めには苦労しましたが、熱心な先生や学外の研究者たちのおかげで、とても楽しくできました。自筆譜などの一次資料に触れられることが現地で研究する一番の魅力ですね。ただアメリカのクラシック音楽は日本での知名度が低いので、ガイドブックを執筆し日本でもっと人気を得られるように魅力を紹介していきたいです。」

よく知られた映画でも 「研究者の視点」で観れば 違った姿が浮かび上がってくる。

映画が楽しい理由とは。
音楽に込められた魅力を紐解く。

谷口「ディズニー音楽は本場アメリカでも研究書が出ておらず、手探りで研究を進めました。映画音楽の知識を深めるために古今東西の重要な作品をいくつも見たことは自分の研究の糧になっている大切な経験ですね。ディズニー映画の音楽の特徴はそのエンタメ性にあります。観ていて楽しい、飽きさせない工夫が満載です。制作者のインタビュー記事を読んだり、その工夫の方法について考えたりしているときに研究に楽しさを感じます。」

研究するまでは、そこまでディズニー映画に詳しくなかったと語る谷口先生ですが、研究成果としてディズニー映画の音楽に関する書籍を出版されています。研究を続けるにあたって大切な姿勢についてお聞きしました。

谷口「ディズニー映画は面白いです。ただし、研究するのであれば『楽しく観る』だけでなく、研究者として『制作する側の視点』で考えることが重要になってきます。制作する側の視点をどうやって獲得するかを考えると、研究に対してより面白さを見いだせると思います。」

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